市民ラジオ、特定小電力無線局(特定小電力トランシーバー)とは?
一般に、無線局を作るためには、無線従事者の資格や、無線局の免許などを取得しなければなりません。 市民ラジオや特定小電力トランシーバーを使う場合はこのような資格や免許は必要ありません。 市民ラジオや特定小電力トランシーバーは乗り物で例えると運転免許の要らない自転車のようなものかもしれません。 だれでも自由に無線局をもつことができます。
トランシーバーの使用目的の多くは仲間内の連絡用ですが、アマチュア無線のように不特定多数を対象にした交信も行われています。 アマチュア無線では通信の内容に制限があり、営利目的や暗号の使用などは認められません。 市民ラジオや特定小電力トランシーバーではそのような制限がないので仕事用でもレジャー用でも自由に使うことができます。
しかしながら無線機の内部改造や外部アンテナの使用が禁止されるなど厳しい制限があります。 逆にこの厳しい制限の中でしか味わえない小電力による遠距離通信の世界を体験することができます。
特定小電力トランシーバーの出力は最大10mWでコードレス電話とほぼ同じ出力です。 しかし条件によっては100Km以上も離れた場所と交信できます。 また市民ラジオの場合は、携帯電話よりも弱いわずか500mWながら短波帯を使っていることから電離層の状態により1000Km以上も離れた場所と交信できることがあります。
アマチュア無線の世界でも低電力(5W以下)で交信を楽しむ方が最近増えているようです。 外部アンテナの使用や内部改造が許されない市民ラジオや特定小電力トランシーバーでは与えられている条件がさらに厳しいため、 この分野に関してはアマチュア無線より面白いかもしれません。 すべての局が同じ規格の無線機を使っているので、だれでも参加できるゲーム(スポーツ)といえるでしょう。
コールサインについて
コールサインは無線局の名前のようなもので識別符号とか呼び出し符号とか呼ばれています。 例えばNHK東京第一放送(594KHz/300KW)のコールサインは”JOAK”です。 市民ラジオや特定小電力トランシーバーではこれを使う必要はありません。 しかし決めておいた方が不特定多数と交信する場合は非常に便利です。
形式は自由で本名でもハンドル名でも何でも構いません。 1983年以前に電波監理局が発給していたコールサインをそのまま使っている方や、それにならった下記のような形式で決めている方が多いようです。
地域名(市町村名や都道府県名など) + アルファベット(1~2字) + 数字(1~3桁)
筆者の場合は、”つくばA3”と”つくばF3”の2つのコールサイン(自作)を現在使っています。