TN No.200遺跡では、古墳時代の竪穴住居跡から柱などの木材が
見つかっています。
発見例こそ少ないものの、縄文時代以降、多摩丘陵の木材が建築材料として盛んに利用されていたことは想像に難くありません。
炭は近世以降の大都市で日常的な燃料として広く普及します。
特に百万都市の江戸における需要は高く、多摩丘陵でもそれに応えるべく炭焼きが盛んになります。
TN遺跡群では、多くの遺跡で炭を作るための炭焼窯が見つかっています。
TN No.406遺跡の炭焼窯
多摩丘陵における木器生産は古墳時代以前にも認められますが、奈良時代になると国府の整備にともなって轆轤(ろくろ)を用いた製品が現れます。
国府が衰退する平安時代になっても、地域の有力者たちによって木器作りは続けられました。
丘陵の木々はこの長期にわたる木器製作を支えた重要な恵みでした。
作りかけの木器
TN No.243・339遺跡から見つかった8~10世紀(奈良・平安時代)の溝からは「作りかけ」の木器が大量に出土しました。
当時の木器の作り方を知ることができる貴重な資料となっています。
轆轤を使った皿の制作過程
皿未製品
轆轤で挽く(削る)ための準備「型打ち」
皿未製品
轆轤で挽く
皿
完成
栓状木製品
栓状木製品
刳り抜いて作る椀の製作過程
椀未製品
荒木取り
椀未製品
型打ち
椀未製品
中打ち
椀
完成