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余市紅志高等学校のワインづくり実習

「ワイナリー夢の森」での農業実習授業


9月14日、余市紅志高校3年生の農業実習授業にお邪魔しました。参加生徒9名と指導教諭の2人が、この日午後からワイナリー夢の森でワインづくりの最終工程で汗を流しました。この授業は紅志高校と余市町役場が企画し、ワイナリー夢の森が畑や醸造所を提供して、昨年から行われているものです。

昨年秋には当時の3年生が葡萄の収穫をし、除梗(じょこう)してタンクに入れる前処理までを行いました。そして11か月後の今日、当時の2年生が、タンクの中で熟成されたワインを瓶に詰めコルクの栓をして貯蔵するまでの最終作業に臨みました。この後は彼ら自らがデザインしたラベルを貼って完成です。

こうして作られた300本のうち120本余りは、来年行われる余市町主催の成人式後に参加者に振舞われるそうです。また残りの150本は各種の産品発表会等に出品されるということです。余市紅志高校は、商業と農業の関連性を生徒に実感してもらう上で貴重な学習機会と位置付けています(大野先生談)。勿論、彼らはまだ試飲することは出来ませんが、町を挙げて代表的産業の育成に励む現場の渦中に身を置くことで、得られる収穫は大変大きなものがあると思います。

こうした授業も、ワイナリー夢の森のオーナー大下さん(余高18期)のご理解とご協力の賜物で、かつて余市高校の教員として活躍された大下さんの「ふるさとへの恩返し」という篤い思いが込められていると思います。来月下旬、今日参加した3年生はブドウの収穫と除梗を行う予定です。そして来春彼らは卒業します。こうしたバトンタッチが繰り返されることで、余市紅志高校の新たな伝統が育まれていくことでしょう。適齢になった時この日のワインで乾杯する彼らの集いを覗いて見たいと心から思いました。