毎月お寄せいただく活動報告から今回は、若者との交流体験で得た貴重なお話をお届けします。
NPO法人・北海道エコジレッジプロジェクト
坂本 純科
5月は低温が続き、苗が畑デビューできずにそわそわしながら過ごしました。
ようやく初夏らしい陽気となり、今度は定植や草刈りなど農作業が一気に始まってわたわたしています。
そんな大忙しの春、100人を超える中学生グループを受け入れました。
与えられたお題は「生き方・働き方」。
中学生にはちょっと早いテーマではないかとも思いましたが、若いうちからいろいろな大人と交流し、多様な生き方に触れるのは重要です。
私自身は自分の父が楽しそうに働く姿を見ながら、労働を通じて社会に参加することに対してポジティブなイメージを持って大人になりました。
それは、とても幸運なことだったと今でも思います。
今回の中学生プログラムは、一次産業がテーマでした。
農家の話を聞いたり、ほんの少しでもその大変さ、面白さを体験したことは意義深く、彼らの日々の生活や将来の進路に何等かのヒントを与えたことを期待しています。
「働いていてやりがいを感じるときは?」「趣味と仕事の両立は?」などとインタビューされた大人たちも、「考えたこともなかった」「表現に苦労した」と、新鮮な発見があったようです。
エコビレッジにやって来る若者の多くは、ここで得られる貴重な体験のひとつに「多様な大人との出会い」をあげます。
先生や親以外の社会人と対等に対話したり、世代や社会経験による違ったものの観方を知ることが、彼らの成長を支えているに違いありません。
もちろん、私たち大人も、若者の世界観に触れることでたくさんの気付きを得ます。
「平和について真面目に考えている大人がいると知ってびっくりした」と言われた時は、これでは若者が平和な未来を信じられるわけがないと情けなくなりました。
最近は、ここに集う若者たちとそれぞれの「ウェルビーイング」を掘り下げ、自分の暮らしや生き方、未来の在り方を考える機会を積極的に作っています。
自分の幸せが家族や仲間の幸せにつながり、平和な地域や地球に結び付いていることを意識していきたいものです。