2023年3月16日   伝統のリンゴから未来を考える 

   東京余市会会員 坂本純科  さん

先月の北海道新聞コラムに掲載された、余市リンゴのストーリーをご紹介します。 3月限定で、緋の衣のお菓子やエコビレッジのワインを詰め合わせたギフトセットも扱っています。

 

転載・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 雪深い季節は、じっくり考え事をしたり、隣の人と対話をするとき。先月は、余市の開拓史を深堀りするイベントを行いました。 ニッカウィスキーの新しいミュージアムでは、文字通り山のように積まれたリンゴを背に微笑む創業者、竹鶴正孝氏の写真に驚き、学芸員さんの講話では、リンゴを運ぶ行商や、袋掛けの仕事にやってくる人びとの様子に、当時の町の熱気を感じました。  

 

現代、斜陽産業と呼ばれこそすれ、やはり美味しいリンゴはこの町のアイデンティティでしょう。 「リンゴは難しいけれど一番可愛い」「わが子を育てるように大事に育てている」と古参の農家さんはおっしゃいます。手のかかる子どもほど愛しいという感覚でしょうか。

 

 一方、伝統品種の「緋の衣」リンゴでお菓子を作ったパティシエは、収穫期をずらしながら試作を試み、濃厚なリンゴケーキでイベント参加者を感動させました。まさに、こだわり職人のコラボレーションと言えるでしょう。

 

 伝統主義やノスタルジーだけでは衰退したものは取り戻せません。エコビレッジが取り組んでいる「緋の衣を食べ継ぐプロジェクト」は、古のストーリーを織り込みながら、新しい技術やセンスも取り込んで、次代に発信することを目指しています。

 

スマート農業が流行りの時代ですが、ローカルを大切にする姿勢や手作りのよさは持続可能な未来を支える大切なヒント。何よりも、丹精込めて作られた匠の技には、どんなロボットもかなわないに違いありません。



NPO法人北海道エコビレッジ推進プロジェクト

理事長 坂本純科

余市郡余市町登町1863

TEL/FAX:0135‐22‐6666

junkasakamoto@gmail.com

https://www.facebook.com/#!/junka.sakamoto

http://ecovillage.greenwebs.net/ 


余市のリンゴの歴史は当ホームページの余市情報室の「農業発展に貢献した人々」もご覧ください。








会員交流プラザへ   一つ前の投稿へ   次の投稿へ