建設現場では床面研磨作業の「熟練者の高齢化・後継者不足」が深刻である。そこで本研究では、現場をVR空間に高精度に再現し、技能継承や訓練効率向上につなげるため、床面凹凸を高精度に検知し得る四輪移動ロボットの自律走行手法を検討する。SLAMによる地図化・自己位置推定を行い、最終的には床面計測を行う。得られた床面情報を仮想化空間へ反映することで、現場の表面状態を実感的に再現することを目指す。
建設現場では多様な機械音や衝撃音が混在し、作業者の声や警告音など重要音が聞き取りにくくなることが安全上の課題となっている。従来のノイズ抑圧や音源分類手法は、非定常雑音や多音源環境で性能が低下し、重要音まで減衰するなどの限界がある。そこで本研究では、音源方向を手掛かりに危険音を優先的に抽出・強調する手法を提案する。マイクロホンアレイにより音源方向を推定し、特定方向の時間周波数成分を選択的に抽出するとともに、方向情報に基づいた音量補正を行うことで、重要音の可聴性向上を図る。
近年、物流業界では2024年問題に伴うドライバーの労働時間制限や人手不足が深刻化しており,持続可能な物流システムの構築が求められている.本研究では、その解決策としてフィジカルインターネット(Physical Internet)の概念を応用し,倉庫を介さない「倉庫レス物流網」の実現を目指した.特に,物流効率の低下要因である荷役作業の自動化・遠隔化に注目し,πコンテナを用いた荷積みの自動化方式を検討した.
近年、日本では洪水や土砂災害のリスクが高まる一方で、災害時に避難行動を取らない住民の意識の低さが問題となっている。しかし従来のハザードマップは、事前に確認していない住民が危険性を直感的に理解しにくいという課題がある。本研究ではメタバースを用いて災害予測状況を可視化し、避難行動判断を誘導することを目的とする。UnityとProject PLATEAUのデータを活用し、洪水予測状況を再現する可視化システムをVRChat上に構築した。単純な3D都市モデルでは災害を身近に感じさせられないため、没入感を高める効果を手作業で追加し臨場感を強化した。可視化システムとハザードマップを併用した比較評価を実施し、その有効性を検証した。心拍数、視線追跡、アンケートデータを用いて結果を評価した。その結果、参加者の心拍数が有意に上昇したことが確認され、可視化システムの提示が避難意思決定に影響を与える可能性が示唆された。
雨天時には晴天時と比べて交通事故が発生しやすくなる傾向があり、視界不良により歩行者の検知が困難となっている。そこで、本研究では車両の死角においても情報の収集が期待できる「音」に着目し、歩行者の早期検知を可能とする方法を検討する。雨音などの環境雑音を低減し、歩行者音を強調して提示する手法が危険認識において有効であると考え、雨天運転時のドライバーの運転状況を擬似的に再現した音響環境を構築し、被験者による比較試聴実験を行った。19名の被験者による実験では、本手法が反応時間を統計的に有意に短縮した(p < 0.05)。さらに、78.9%の被験者が危険認識において効果的と評価した。しかし、環境音の抑制により、一部の被験者において距離感の把握が困難になる傾向が見られた。結論として、今後は距離や方向の正確な知覚を維持しつつ、歩行者の接近を強調できる提示手法を検討する必要がある。
自動運転技術の高度化により、リモートオペレーターが継続的に注意力を維持することは重要な課題となっている。注意力の低下は突発的な危険への対応遅れを招き、運転の安全性を損なう恐れがある。この課題に対処するため、デジタルツインを活用した遠隔運転環境に着目し、疑似的な危険状況の提示による注意力維持の手法を提案する。従来の研究では実車に乗車する運転者を主な対象としてきたが、リモートオペレーターの継続的な注意力維持については十分に検討されていない。本研究では、心拍数、障害物に対するブレーキを踏むまでの反応時間、アンケートを用いて評価を行った。その結果、視覚・聴覚刺激および事前の停止行動が、刺激なしの条件と比較して反応性を向上させることが確認された。
建設業界は、労働力不足と労働力の高齢化に直面しており、技能継承が喫緊の課題となっている。VR訓練シミュレータが活用されているが、効果的な技能向上には実際の現場を再現するための正確な計測が不可欠である。そこで我々は、移動ロボットに3Dスキャナーと補助マーカーを搭載し計測を行うことを提案した。取得したデータに水平座標補正と0点調整を施すことで、目標精度1mmに対し、0.3mm以下の高精度な床面凹凸計測を実現した。
日本における知的障がい者の自立支援は、現状支援者の同行による付き添い支援が必要である。しかし、この方法は支援者1人当たりの拘束時間が長く、深刻な人手不足を招く要因となっている。この課題に対し、本研究では従来の同行支援に代わり、支援者が1人で複数の障がい者を支援できるよう、ウェアラブル端末を活用した「遠隔支援システム」を提案する。システムには、利用者が安心を感じられる工夫と支援者の業務効率化を両立させる必要がある。そのため、立体音響技術を導入し、音声による遠隔地からでも支援者が隣で見守っているかのような臨場感を再現することで、解決を試みる。実証実験の結果、ウェアラブル端末による立体音響を用いた音声支援は、利用者に安心を感じさせられることが示唆された。本結果は、遠隔支援において立体音響を用いた音声が利用者の心理的負荷を軽減する有効な要素となり得ることを示している。
聴覚過敏をもつ人は日常生活で身の回りの音に過敏に反応し、心理的苦痛や身体的不快感を招くことがある。現在、聴覚過敏者向けの製品は存在するが、多くは周囲の音を一律に低減するため、日常生活に必要な聴覚情報を遮断してしまう。そこで我々は、聴覚過敏者個人の不快感を引き起こす音のみを軽減する必要性を考え、音源分離法を用いて特定の音を軽減し、心理的負担の変化を評価した。評価の結果、聴覚過敏者では効果が認められなかったものの、聴覚過敏ではない一定数の被験者で有効性が確認され、本技術の潜在的可能性が示唆された。
物流分野において、遠隔運転は労働力不足の解消と業務効率化の手法として注目を集めている。しかし遠隔運転環境における通信遅延は、特に複雑な都市交通状況下で適切な運転判断を困難にする。この課題に対処するため、我々はマルチバース的視点に基づく意思決定視点を提案し、通信遅延下での運転判断の運転判断が分岐する過程の解明を目指す。視界が制限され歩行者が突然横断する都市交差点を再現する運転シミュレータを構築し、同一交通条件下での多様な運転者行動を評価可能とした。実験結果から、運転者に躊躇や危険感知が生じ、運転行動が複数のパターンに分岐することが確認され、構築した運転シミュレータが通信遅延下での意思決定評価に有効な環境を提供することを実証した。
本研究では、公共空間において人と移動ロボットがすれ違う場面に着目し、ロボットの進行意図が十分に伝わらないことによって生じる混乱や不安、衝突リスクの低減を目的とする。そこで、移動ロボットに搭載したタブレット上に視線アニメーションを提示し、進行方向を直感的に伝える視線提示手法を提案した。本手法は、矢印などの記号的表示とは異なり、人が本来持つ視線への感受性を活用することで、事前説明や意識的な注視を必要とせずに進行意図を理解できる点に特徴がある。屋内廊下環境で行った評価実験の結果、視線提示によって被験者の進行方向理解が向上し、すれ違い時の安心感が高まることが示唆された。
本研究の目的は、メタバース内における社会秩序維持のための効果的な対策を提案し、それらの対策の実現可能性と有効性を評価することである。近年メタバースは世界的な注目を集めているが、その内部における社会秩序は現実世界と同程度に維持されていない。したがって本研究では、現実世界と仮想世界の相違点と共通点を調査・分析し、対策を提案した上で、アンケート調査を通じてそれらの対策の実現可能性と有効性を評価する。
BBQ(6月)
夏の合宿(8月)
冬の合宿(1月)
MISC