第13回 TMU進化生態セミナー

2020年 1月 16日 16:30- 首都大学東京 南大沢キャンパス 11号館202室 (map#25)

生物のデモグラフィー理論の歴史

高田 壮則(北海道大学)

生物のデモグラフィーの基礎理論の歴史は古く、すでにおよそ百年前の1911年には、ロトカ・オイラー方程式が提案されている。この一世紀の間にその基礎理論は大きく変容を遂げ、個体群行列モデルという形で統一的に理解される枠組みが出来上がった。この発展の歴史は大きく次の三つの時期に分かれている。


1. 原初的齢構成モデルの時代(主に人間・動物個体群の研究に用いられた)

2. レズリー行列モデルの時代(齢構成モデルではあるが、行列の形に整理された)

3. レフコビッチ行列モデルの時代(齢構成モデルを生育段階構成モデルに拡張した)


である。第3期には、第1期の理論的成果が線形代数の文脈で再解釈されるようになっただけではなく、新しい個体群統計量が数多く提案されるようになった。本講演では、第1期から第3期までの変容の流れを概説するとともに、第3期に開発された個体群統計量を紹介し、将来第4期に必要かつ有用となる個体群統計量および研究展望について私見を述べる。

2020年1月16日 16:30開始

南大沢キャンパス 11号館 202室