第12回 TMU進化生態セミナー

2019年 11月 29日 16:00- 首都大学東京 南大沢キャンパス 11号館102室 (map#25)

シロアリにおける集団行動のメカニズムと進化プロセス

水元惟暁 (アリゾナ州立大学)

群れの動きや、社会性昆虫の作り出す巣の構造など、協調した生物の集団行動は複雑なパターンを作り出す。このような集団レベルのパターンの進化は、パターンを生み出す行動プロセスの変化により生じる。そのため、個体レベルの行動と集団レベルのパターンとの複雑な関係を明確にする必要がある。

本発表では、シロアリの集団行動について、種間比較からそのメカニズムと進化について調べた研究を紹介する。シロアリのトンネル建設行動においては、行動ルールと構造物の関係を明らかにし、構造の大きな変化が生じる際に、新たな行動の獲得は必ずしも必要ないことを示した。また、シロアリとアリの両方を含むタンデム歩行の種間比較から、結束を維持するメカニズムについて明らかにした。以上の結果を基に、集団行動の研究における、種間比較の重要性について議論する。

2019年11月29日 16:00開始

南大沢キャンパス 11号館 102室