東京学芸大学学芸国語国文学会は、本学国語科の学生とその卒業生、および日本語・日本文学研究講座所属の教員を主な会員とする団体です。
東京学芸大学国語国文学会の歴史は、昭和30年設立の東京学芸大学国語研究会に始まり、昭和42年7月に、現在の東京学芸大学国語国文学会に改められました。
それに伴い、学会刊行の機関誌名も『学藝』(創刊号、昭和30年11月24日~第7号、昭和41年3月19日)から『東京学芸大学 国語国文学』(第1号、昭和42年7月~第5号、昭和45年8月)、そして『学芸 国語国文学』(第6号、昭和46年11月~第52号、令和2年3月に至る)と改められました。
ここに『学藝』創刊号の表紙見返の木下一雄先生による巻頭言を引用します。
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「専門の教育を行うのが大学教育であるが、大学の教育は専門教育だけのものではない。大学の教育は専門教育の外に、深い教養を身につけさせるものでなければならぬ。大学教育のことを高等教育というのは、大学がそのような教養的性格をもつからである。
しかしここにいう教養とは、ギリシアの自由民の有閑的な教養としてのリベラルアーツをいうのではない。専門教育と両翼をなす教養とは、市民的な教養、つまりシチズンシップをいうのである。そしてそのことは現在学芸という言葉で表現されるわけのものである。
学芸は、ギリシア的リベラルアーツでなく、近代的市民の教養をいうのである。」 *シティズンシップ教育―社会の中で円滑な人間関係を維持するために必要な能力を身に着けること、変化する現代社会において、市民としての十分な役割を果たせるように行われる教育のことです 。
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「学芸」とは、教員養成系大学としての本学の教育理念をよく表現する名称であることが分かります。
さて、本学会の活動には、学会誌『学芸国語国文学』の刊行、大会の開催、自主ゼミ、例会などがあります。
『学芸国語国文学』は毎年刊行の研究論文集で、会員からの投稿や依頼論文により成り立っています。大会は毎年6月に開かれ、会員の研究発表や教員・研究者による講演が行われます。内容は、国語教育学・日本語学・近代文学・古典文学・中国古典学・日本語教育学の、6分野を中心とします。
会終了後の懇親会は、会員の交流を深めるよい機会となっています。自主ゼミ活動は、週に1回程度、課外活動として学生が自主的に行います。現在は20のゼミがあり、毎年1回の例会を開き、ゼミ紹介のポスターセッションや活動報告が実施されます。
以上、学芸国語国文学会の歴史と理念、そして活動内容を紹介しました。本学会は、国語科の学生や卒業生が生涯にわたり教育と研究を継続していくための拠点となり得る組織です。会員の皆様のより一層の積極的参加をお願い申し上げます。
一、本会は、東京学芸大学国語国文学会と称す。
二、本会は、国語学・国文学・国語科教育学・中国古典学・日本語教育学に関する研究を行い、併せて会員相互の親睦を図ることを目的とする。
三、本会は、前項の目的をもって組織する。
四、本会は、次の会員をもって組織する。
1、本学教員・卒業生・修了生・大学院生・学部生
2、名誉会員・前本学教員
3、本学の趣旨に賛同する者で、会員の推薦により評議委員会の承認を得た者。
五、本会は、次の役員を置く。
1、会長 一名
2、評議員 若干名
3、幹事 若干名
4、会計監査 二名
六、本会の役員は、次の責務を有する。
1、会長は、会を代表する。
2、評議員は、会の運営に関する事項を審議する。
3、幹事は、会務を処理する。
4、会計監査は、会計を監査する。
七、役員は、次の方法により、会員から選出する。
1、会長は、評議員会が推し、総会にはかる。
2、評議員は、会員の選出による。
3、幹事は評議員会が候補をあげ、総会にはかる。
4、会計監査は会員の選出による。
八、本会は、必要に応じ、専門委員会を置くことができる。
九、本会に名誉会員を置くことができる。名誉会員は評議委員会において推薦し、総会の承認を求める。
十、会員は、機関誌の配付を受けるほか、本会機関誌ならびに本会主催の研究会等に研究発表することができる。
十一、本会の経費は、会費その他をもってあてる。
十二、本会の会計年度は、毎年四月一日に始まり、翌年三月三十一日に終わる。
十三、本会の事務局は、東京学芸大学日本語・日本文学研究講座に置く。
十四、会則の変更、その他重要事項の決定は、総会の議決による。総会は年一回開く。
付 則
一、会費は、年三千円とする。但し在学期間を通して、本学学部生は四千円、本院生は年一千円とする。
二、本会の事業計画の円滑な運営のため賛助会費を申し受ける。賛助会費は任意とし、一口千円とする。
三、この会則は平成二十年四月一日より改正施行する。
(令和7年6月22日 総会にて付則改定)