温暖化や貧栄養化により、湖沼の一次生産(植物プランクトンの光合成量)は減少すると予想されています。琵琶湖でも、漁獲量の減少が一次生産の減少に起因するといわれてきました。しかし我々が過去の文献と観測をもとに、1960年代からの一次生産量の変化を調べたところ、そこまで大きく減少しているわけではないことが分かりました(Kazama et al. 2024)。
一方、温暖化により減少すると考えられていた、動物プランクトンが食べられない大型植物プランクトンの生産が、まだまだ高いことも見えてきました。こうした一次生産の質的評価については、これまで長期的な調査はほとんどされていません。しかし、一次生産量が減少すると同時に、質的にも悪くなってしまえば、生態系における物質循環の健全性は損なわれてしまう可能性があります。
では、ため池ではどうかというと、どうも中間のサイズが多いようです。
植物プランクトンを大型(>20 μm)、中型(2~20 μm)、小型(< 2 μm)に分けてみると、1年を通して中型が最も多いことが分かりました。しかも、栄養状態の異なる3つの池で、共通して見られたパターンでした。したがって、ため池では動物プランクトンが利用しやすいエサが多いことが示唆されました。