宮下氏撮影
池環境を知る重要な手がかりである水深や底の地形、水草の植生といった情報は、必ずしも調査が簡単ではありません。さらに、ため池は季節によって水位が大きく変動し、面積も日々変わります。そこで、飛行タイプのドローンを使用した調査方法について、姫路科学館の宮下直也氏や本学部の飯塚先生と共同研究を進めています。
特にため池では、ヒシ、ハス、スイレン、ウキクサ、ヒツジグサ、オオカナダモなどが繁茂して水面を覆うことがあります。水草が増えて水面を覆うと、水中の光が遮られ、植物プランクトンは減少します(Yamamichi et al. 2018)。貧栄養な浅い湖では、水草と植物プランクトンの競争関係の勝敗は常に定まっているわけではなく、両方とも安定状態(bistability)にあるようです。もちろん被陰だけでなく、栄養塩の獲得競争や、アレロパシー物質、殺藻細菌のはたらきによっても、植物プランクトンの増殖は抑えられます。
水草は台風や日照時間の不足、渇水、ザリガニの移入などによって激減することがあります。同じため池でも、年によって水草の被覆率が大きく異なることがありますので、そうなると当然、植物プランクトンが増殖し、アオコが発生するなどして景観や水質に大きな影響を与えます。したがって、水草の量や被覆度をできるだけ正確に把握することが、ため池を知るうえでカギとなってきます。
本研究室では、水草の繁茂と植物プランクトンのバイオマスや光合成との関係、さらに動物プランクトンの動態に対する影響についても研究を進めています。