がんの病巣を切除し、その臓器の周辺組織やリンパ節に転移があれば、一緒に切り取ります。早期のがんや、ある程度進行しているがんでも、切除可能な状態であれば、手術療法が積極的に行われます。がんのかたまりが一気に取れることと、検査ではわからないごく小さな転移(微小転移)がなければ完治の可能性が高いことがメリットです。しかし、体にメスを入れるため、創部(キズ)の治癒や全身の回復にある程度時間がかかり、切除した部位によっては臓器や体の機能が失われることもあります。
こうしたデメリットを小さくするために、最近は、切除する範囲をできるだけ最小限にとどめる方法(縮小手術)や、内視鏡(小型カメラ)を使った腹腔鏡下手術、胸腔鏡下手術など、体への負担(侵襲)を少なくする手術の普及が進んでいます。
主に、抗がん剤によってがん細胞を死滅させたり、増殖を抑えたりする治療方法です。抗がん剤の投与方法は、点滴や注射、内服です。血液を通して全身をめぐるため、ごく小さな転移にも効果があります。一方、脱毛、吐き気、倦怠感、しびれ感など、副作用の症状や、肝臓や腎臓、造血器官などへの障害が避けられず、患者さんにとってつらい治療になりがちなのが難点です。
しかし、吐き気などの副作用をやわらげたり抑えたり、白血球の減少を抑える薬の開発などによって、日常生活に支障がない程度に、症状を軽くできるようになってきています。また最近は、がん細胞だけに作用する分子標的治療薬の開発が進み、実用化されているものが増えています。
このほか、乳がんや子宮がん、前立腺がん、甲状腺がんなど、ホルモンが密接に関わっているがんに対しては、「ホルモン療法(内分泌療法)」がよく行なわれます。特定のホルモンの分泌や作用を抑制することで、がん細胞の活動を抑えて腫瘍を小さくしたり、転移や再発を抑えたりします。
がんの病巣部に放射線を照射して、がん細胞を死滅させる局所療法です。治療前の検査技術や照射方法の進歩によって、がんの大きさや位置を正確に測り、その部分だけに集中的に照射することが可能になって、効果は格段に向上しています。
また、体の外側から放射線を照射する「外部照射」だけでなく、放射線を出す物質を密封した針やカプセルを病巣部に挿入する「密封小線源治療」、放射性物質を注射や内服で投与する「放射性同位元素内用療法」があります。照射する部位によっては、一時的に皮膚や粘膜の炎症症状などの、副作用があらわれることもあります。
対象疾患は、がんを中心とした食道から肛門におよぶ消化器疾患、肝・胆・膵疾患、肺がんや気胸などの呼吸器疾患、乳がんなどの乳腺疾患、ヘルニアや内視鏡下胃瘻造設等と広範囲におよび、救急疾患にも24時間体制で対応しております。
個々の患者さんの状態に応じて、拡大手術から縮小手術、低侵襲手術(鏡視下手術など)まで幅広く行っております。65歳以上の高齢者の占める割合が年々高くなり、当院手術症例も併存疾患を持った高齢の方が多くなっております。個々の患者さんにやさしい診療・治療を心がけるとともに、内科・麻酔科の協力のもとに細心の術前術後管理をおこなっております。
平成24年度より乳腺専門外来を開設しております。自覚症状(しこりや乳汁分泌など)のある方はもちろん、検診希望の方も受け付けております。