伊延地区
●大安楽寺
億万年山大安楽寺(臨済宗)は鎌倉時代末期の嘉暦元年(1326)に、初代下木城主宇都宮永綱が建立したと伝えられています。
多田宇都宮家の菩提寺で、初代永綱の木像などが安置されています。
御本尊は阿弥陀、観音、勢至の三尊仏。
●宇都宮大明神
下木城の最後の城主「宇都宮石見守宣綱」一族の墓所。
宣綱は死後神として祀られ、建物内には宣綱とその一族の五輪塔が並んでいます。境内には宣綱の乗馬の墓もあります。
宇都宮神社ともいい、戦前は兵役逃れのご利益がある神社として有名であったそうです。
●蛇骨堂
初代の下木城主と伝えられる「宇都宮永綱」が退治したという大蛇の霊を
供養するために建てられました。
現在の祠や御神体は平成元年頃に整備されたものだそうです。
★木造阿弥陀如来立像
大安楽寺の本堂に安置されている仏像です。
高さ196.3cm(頭頂部欠損)の立像で、鎌倉時代に造られたものと推定されて
います。
西予市指定有形文化財。
★陣旗
多田地域を治めていた下木城主宇都宮宣綱が使用していたと伝わる陣旗。
縦247cm✕横110cm、赤地に月星の紋が描かれています。
大安楽寺蔵、西予市指定有形文化財。
●善法寺(庚申堂)
江戸時代末期頃までに開山された寺院で尼寺として知られていました。
現在は無住で、最近までは毎年4月初旬に大安楽寺の住職が来られて本尊や般若心経の御開帳が行われていたそうです。
境内の南側には明治時代中期に移築された庚申堂が建っており、昭和30年頃までは祈祷師が来て病気を払ったり雨乞いを行ったりしていたそうです。
●阿弥陀様の足跡石
伊延西の林道脇ある岩で、表面に長さ約30cmほどの足形状のくぼみがあります。
阿弥陀様の足跡石、または大人(おおびと)様の足跡石と呼ばれています。
●お地蔵様と常夜灯
伊延西の市道沿いにあるお地蔵と2基の常夜灯は、江戸時代後期の天保9年(1838)に奉納されたものです。
現在の街道は明治30年代に馬車が通れるほどに整備されましたが、それ以前の江戸時代は宇和島藩の参勤交代時の陸路ルートのひとつであったそうです。