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X-ray Laue backscattering pattern simulator

単結晶を用いた物性測定では結晶の方位をX線散乱を使って決めることが必要になります。おそらく最も一般的なのが背面反射ラウエ法ではないかと思います。

背面ラウエで測定したパターンとシミュレーションを重ねて表示して、結晶方位を正確に決定するためのWeb toolを作成しました。

Accessible Q-E range of 5G PONTA

中島研究室はJRR-3に設置された偏極中性子三軸分光器 5G PONTAを担当しています。

このWebアプリでは、中性子の入射・散乱エネルギーを指定した時に測定対象物質の逆格子空間においてどのピークが観測可能か?その時に入射・散乱角度はどのようになるかをシミュレートすることができます。

Neutron Laue Diffraction Pattern Simulator for SENJU(BL18)

J-PARC MLFのBL18に設置された千手は単結晶の構造解析を行う強力な装置です。

特に磁気構造解析の場合はlow-Qの磁気反射を測定することが重要です。検出器バンクの隙間に狙った磁気反射が入ってしまうことの無いように、事前のシミュレーションとして使ってもらえれば嬉しいです。

Neutron Laue Diffraction Pattern Simulator for TAIKAN(BL15)

J-PARC MLFのBL15に設置された大観は小角・広角検出器を兼ね備え、多彩な試料環境も使用可能であり磁性研究に使いやすい装置です。ただ、もともと単結晶用に設計されている訳ではないので、単結晶の実験を行う時にはちょっとした工夫が必要です。

大観での単結晶実験をサポートするためのWeb App.を作成しました。これを使えば今まで見過ごしていた磁気反射が見つかるかも(?)

Neutron Laue Diffraction Pattern Simulator for HRC(BL12)

HRCでは単結晶非弾性散乱を行う際に、その単結晶試料の方位を決定することが必要になります。それには白色中性子を用いたNeutron Laue Diffractionを行います。

白色の中性子を単結晶に当てると、様々な面でBragg 反射が起こり、検出器上に多数のスポットを生じますが、この散乱パターンから結晶の包囲を決める際の補助ツールを作成しました。

実験中はもちろん、実験前のシミュレーションとしても活用していただけます。

このプログラムでは強度マップのデータを800x500 pixelの画像ファイルとして読み込みますが、HANAが出力するcsvファイルからこの画像を作るためのスクリプトも用意しました。

Flux/resolution simulator of neutron chopper spectrometer HRC in J-PARC

中島研も運営に参加しているJ-PARCの中性子非弾性散乱分光器HRCには中性子を単色化するFermi chopperが2種類あります。それぞれ特性が異なっており、またChopperの回転数を変えることによっても強度と分解能が変化します。

興味あるQ-ω領域を測定するためにはどちらのチョッパーをどれくらいの回転数で回せば良いのかを考える助けになればと思い、入射中性子の強度とエネルギー分解能を比較するWeb Appを作成しました。

Accessible Q-E ranges at HRC for powder samples

中島研も運営に参加しているJ-PARCの中性子非弾性散乱分光器HRC(BL12)では単結晶だけでなく粉末試料の測定も行います。Multi-Ei測定で粉末試料に対してどのようなQ-E領域を測定できるかを予め計算しておくことで、実験をより効率的に行うことができます。

ただ、multi-Ei測定で測定範囲に入っていても、それぞれのEiで強度や分解能が適切かどうかはわかりません。その時は上の「Flux/Resolution simulator」を活用してみて下さい。

Accessible Q-E ranges of neutron chopper spectrometers in J-PARC

チョッパー分光器による中性子非弾性散乱はマグノンやフォノンなど物質の励起状態を観測することができる非常に強力な手法ですが、測れる物理量が(Qx,Qy,Qz, E)の4次元にわたるので、なかなかとっつきにくい面もあると思います。

特に単結晶を用いた測定の場合、逆格子空間をQx-Qyの二次元に制限したとしても、結晶を回した時にどのようなQ-E範囲をスキャンできているかはイメージしにくい部分もあるかもしれません。

そこで、そこでスキャン範囲を可視化するWebツールを作ってみました。J-PARC MLFの各分光器で実装されているmulti-Ei法のシミュレーションにも対応しています。

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Structure factor calculator for neutron : Fcal-n.js

中性子散乱を始める前にはあらかじめ各反射の散乱強度を結晶構造の情報から計算して知っておく必要があります。結晶構造のcifファイルを入力して、散乱面や入射中性子のエネルギー、散乱角の上限などの情報からアクセス可能な反射の散乱強度を計算するWebアプリを作成しました。PONTAでの実験計画を立てる際などに使ってみてください。

今後磁気散乱強度の計算などにも拡張していく予定です。