松本住宅展示場による日照阻害問題についての私たちの考え方

「鈴蘭幼稚園 これから新聞」 第2号 2021年12月23日 発行責任者 大澤秀夫 より抜粋(pp.3-4)

2021年12月20日 PM2:30 園庭全景 

予定されている住宅4棟のうち、1棟が棟上げしただけですが、かなり日影になってしまいました。

1 何が起こっているのか

現在、私たち鈴蘭幼稚園の南側隣地に(株)サンフジ企画(以下、事業者と表記)による住宅展示場の建設が進んでいます。園庭の日照が著しく阻害されるとの懸念から12月13日事業者に連絡をとり、12月20日、日影図の提出を受け、説明を受けたところ、10月から3月にかけて園庭のかなりの部分が終日、日影になることが明らかになりました。

その席上、幼稚園は事業者側に建設内容の変更を求めましたが、「それはできない。計画通り工事は進める。その上で出来る限りのことはします」との回答でした。しかし、私たちは、子どもたちが遊び、育つ、なくてならぬ教育環境が壊されてしまうことは、とうてい受け入れることはできません。鈴蘭幼稚園は、事業者であるサンフジ企画、そして、すべての関係者にこの建設の停止と再考を求めます。

AM8:00 砂場

2021年12月20日 朝8:00 

砂場はずっと日陰

2 これから、私たちが行動するための「基本的考え方と約束」

⑴ これは「こわす」運動ではなく、「つくる」運動です。

私たちがしたいことは「反対運動」ではありません。現在と将来の「すべての子どもたちにやさしい町をつくるための運動」です。子どもたちのいのちと健康が守られ、安心して生きることができる町、豊かな自然と文化のなか、のびのびと育つ町、そのための遊びと学びの場である私たちの幼稚園の庭を守ることが、私たちの目標です。

AM9:00 子ども玄関2

2021年12月20日 朝9:00

⑵ これは「人権を守る運動」であり、「人権を壊す運動」ではありません。

私たちがしなければならないことは、子どもにとって最も良いことは何かを第一に考え、子どもたちの人権を守ることです。運動を進めるなかで、違いや対立と思われることが起こるかも知れません。しかし、その対立する人たちも含めてすべての人々が子どものいのちを守るパートナーであることを信じ、一人ひとりの自由を尊重し、敬いをもって対話に努めます。他者の人格を否定したり、誹謗、中傷することは決してしないことを約束します。

AM10:00 暗くなった砂場・・でも子ども達は遊びたい!

2021年12月20日 朝10:00     

⑶ 私たちは「心から心に」、皆さんに呼びかけます。

私たちは皆さん一人ひとりの良心に呼びかけます。子どもたちの上に何が起ころうとしているのか、自分の目で見てください。事実を確かめることがすべての対話の出発点です。

あなたの感受性と想像力をふるいおこし、そして、考えてください。子どもたちの幸せのために私は何ができるのか。何をしなければならないのか。どのようにしたら、力を合わせることができるのか、私たちは、あなたの心に呼びかけます。

2021年12月22日(冬至)

             鈴蘭幼稚園 理事長 大澤秀夫

PM2:30 園庭全景

2021年12月20日午後2:30   お帰りには園庭全体が日陰に


「鈴蘭幼稚園 これから新聞」 第3号 

2022年2月8日 発行責任者 大澤秀夫 より抜粋(第1項)

日照問題について2月4日、事業者から連絡がありました。↓

住宅展示場、区画6の建築をとりやめます。

区画6というのは、幼稚園の敷地の真南に建つ、4棟の内の一番東側の建物です。一番日影を作っているのは真ん中の2棟ですから、必ずしも日照の全面的な回復にはなりません。しかし、私はこれを意味ある回答だと受け止めています。と言うのは、これを通して、事業者が全面拒否でなく、幼稚園の要望に応えようと努めていることが分かるからです。私たちは、日照を回復するための手立てを見出すために、更に話し合いを続けて行きたいと思っています。

 日照問題の一番の当事者はおとなではなく、子どもたちです。あたたかな日差しの中、子どもたちが庭を走り回り、遊ぶ。そんなおだやかな一日一日を取り戻すことが私たちの願いです。今回の問題は私たちがやりたくて選んだことではありませんが、そのことを通して、母の会の皆さん、そして鈴蘭おひさま会、卒園児の保護者の方々の思いに触れることができました。励まされています。