鈴蘭幼稚園の在園児、卒園児、保護者、一般市民の方から
これまでに寄せられた、
幼稚園への応援メッセージをご紹介しています。
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特別編 〜 西村忠彦先生より 〜
2022年1月25日、住宅展示場企画会社が鈴蘭幼稚園保護者向けに開いた説明会に、幼稚園と関わりの深い方も駆けつけてくださいました。
その中には元園長の西村忠彦先生のお姿もありました。
西村先生が当日配布された市民の皆様に宛てた手書きのメッセージを、ご了解を得てこちらに掲載します。
『子どもたちからお日様をとりあげないでください』(全文)
昨夜の予報では明朝は数年に一度の寒波で松本は零下八度になるとのことでした。
この朝、今三時半 私は昨日見て来た光景が目に浮んで、珍らしく目を覚ましてしまい
眠られず起きいでて机に向うことになってしまいました。
その光景というのは市内県(あがた)にある幼稚園の光景、
木造園舎の二階の窓に大きな字で書かれた張り紙があったのでした。
「子どもたちからお日様をとりあげないでください」と。
聞けば、南隣りの元片倉工場跡の広い駐車場に住宅展示公園が造営されることになり、
そのモデル住宅で幼稚園の庭が日陰になってしまう、という現実が突きつけられてしまった、
というのであった。
建物を新築するには定められた基準というものがあり
その管掌をする役所は法に照らして合法であり、許認可したと言っている。
業者はそれによって近隣の住人の了解を得て作業を開始したのだと言っている。
しかし現実は幼稚園の南側に二階、三階のモデル住宅がどんどん建てられて、
特に冬場の園庭はその日陰になってしまうことが判明して
「子どもたちからお日様を…」と訴えるしかしかたがないことになってしまったのだ。
「法に照らして何の落度もない」という道理が厳然と、
こういう事態を現出してしまっていることをみなさまに、
学都松本を標榜している松本の市民のみなさまはどうお考えになられるか、と
このちょうど来年百年、この地で孜々として幼児教育を担ってきたこの園の危機を訴える
切実な声を受けとめていただく名案はないものか。
ただ遅きに失するとつき放してしまうしかないものかとお訴えする次第でございます。
市民のみなさまにお訴えさせていただきたい思い切にしたためました。
なにとぞ然るべき手だてをお与えくださいますようお願い申しあげます。
敬具
この書面をしたため、呈上いたす者は
西村忠彦(91才)でございます。
*鈴蘭おひさま会 注
西村忠彦先生は、長野高校長、県教委高校教育課管理主事、長野県高等学校長会長など歴任。定年退職後、鈴蘭幼稚園園長を20年勤め、松本市有功賞受賞。学都松本推進協議会議長なども務め、長野県、松本市の教育振興に大きく関わってこられました。
鈴蘭幼稚園の園長時代には、現在の園地拡張、園舎改築を手掛けられました。
園を離れて10年以上経ち、「去った者が」と気遣い疎遠にされていたお気持ちもあったと伺いましたが、そんな中でも今回、
「一市民としても見過ごすことができない」と共に声を挙げてくださったこと、
変わらず鈴蘭幼稚園を愛してくださっていること、大変心強く、感謝しております。