水・適温・空気です。
水:培養液である必要はありません。種がまんべんなく湿っていることが必要なので、培地をよく濡らしラップをすると成功しやすくなります。
適温:レタスの発芽適温は15~20℃で25℃以上は発芽しにくくなります。一方、バジルは20~25℃であったりと、品種により適温が異なります。
空気:水に浸かりすぎた培地からは、空気不足で上手く発芽しません。
実はこれらの条件に加えて、その種子独自の条件がある場合もあります。
光:レタス・バジルなど水耕栽培で扱う多くの種子は「好光性種子」であり、発芽のため光を当てることが必要です。
殻を割る:パクチーなど固い殻に覆われている種子は、あらかじめ殻を割って撒くことで発芽しやすくします。
光・水・空気・温度・湿度・肥料です。
光:光合成により有機物を作り、それを養分として生長します。ごはんにあたります。
水:光合成には水が必要です。
空気:光合成には二酸化炭素、呼吸には酸素が必要です。
温度・湿度:光合成に適した温湿度が大事です。人にとって快適な室温の空間に設置した植物工場なら、問題なし。湿度はカバーで覆っても向上。
肥料:無機養分(窒素N・カリウムK・リン酸P・その他微量要素)によってタンパク質を合成します。おかずにあたります。
十分に光合成できる光量子を与えられる程度の光の強さと時間が必要です。
光量子:光をエネルギーを持った粒と考えたときの、その光の粒です。この光の粒により光合成が行われます。
光量子計:単位面積・時間あたりに、どれくらいの密度の光量子が植物に注ぐか計ります。植物の維持・生長に十分な光かどうかを判断できます。
光の減衰:光は距離が離れるほど減衰します。照明など光源から離れるほど光量子も著しく下がりますので、光源と植物との距離は重要です。
照射時間:植物の維持・生長に見合った光合成の時間が必要です。現在の街中植物工場では12~20時間の範囲で状況に合わせ設定しています。
酸素・遮光・根切りが大事です。
酸素:根も呼吸をします。水中の酸素も吸えますが、根の周りの動きが少なかったり水に溶けている酸素の量が少ないと、酸欠になり根腐れします。
遮光:多くの植物の根が、光の無い方向に伸びることが知られています。挿し木の時に遮光瓶を使用すると発根が早くなります。
根切り:根が伸びすぎると鉢の空気穴をふさいでしまったり、新しい根が伸びにくくなってしまったりするため、思い切って切ってしまうのもありです。
いわゆる藻、植物プランクトンです。
水耕栽培にはつきものですが、以下の理由からできるだけ防ぐように対応することが大切です。
・見た目が悪い、臭いが出ることがある
・植物の根の周りに発生することで、必要な養分や酸素の吸収を妨げる可能性がある
遮光・培養液の入れ替え・容器消毒です。
遮光:藻は光と養分があれば増殖します。培養液のある部分に光が当たらないようにすれば、藻の少ない状態を維持できます。
培養液の入れ替え:藻が発生した培養液がそのままになっていればどんどん増えますが、培養液が新しく入れ替われば増殖を遅くできます。
容器消毒:プロの水耕栽培でも塩素系消毒を行っています。藻が生えにくくなるだけでなく、病原体を引き継ぐ恐れも減ります。