西暦2044年、東京。
魔特六課「八咫烏」は神祇省に設置される法執行機関。一般の警察などの法執行機関が対処しきれない存在「怪異」が事件・事故を起こす時、その処理に八咫烏が派遣される。
公安と名が付いているが、職務の便宜上公安と名乗っているに過ぎない。揮系統は警察庁、そして国家公安委員会から完全に独立し、直接の命令は神祇省祭祀課が執り行う。
八咫烏の装備は、平安時代から受け継がれる陰陽師の技術を現代風にアレンジし、ジャケットやライフルに怪異に対する効果を付与している。
部隊を構成する隊員のほとんどを10~20代の少女が大半を占めている。大人と比較して霊的な存在との結びつきが強い少女たちは、怪異に干渉する能力が高い。さらに隊員の一部は妖や怪異の結びつきが強くなりすぎて、妖怪と一つになった存在、所謂「半妖」となった個体もいる。半妖となった個体は現行の法律では定義が難しく、祭祀課は彼女らを保護する役割も担っている。
2020年代から30年代、日本国内での凶悪なテロ事件が頻発する様になる。
警視庁も対テロ特殊強襲部隊(SAT)の増員、装備の強化などで応戦するも、年々被害は拡大。一般市民への被害が広がるとともに、その恐怖心が伝播していく。そんな恐怖の念はやがて怪異に取り込まれ、怪異の凶暴性が増していく。
2038年5月27日、日本全域で怪異災害、通称『大厄災』が発生。
自衛隊、神祇省近衛警察隊、警視庁、公安警察が合同でこれに対処。甚大な犠牲を払いながらも大厄災を鎮圧した。
死者・行方不明者合わせて1万人以上。
この時、怪異の存在を隠蔽するため、一般報道では日本全土に及ぶ無差別同時多発テロとして報じた。同年8月、神祇省は怪異を専門に扱う神祇省直属の法執行機関、神祇省公安対魔特務六課「八咫烏」を新設。
以後、八咫烏を主導として怪異災害の捜査、鎮圧に当たることを決定した。
妖怪や怪異と共存する現代日本において、神祇省直属の怪異捜査機関が設立された背景は、古くから日本の歴史や文化に深く根ざしている妖怪や怪異が、現代社会でも未だにその存在が確認されていることにある。
神祇省直属の怪異捜査機関は、天皇中心の政治が始まった645年に設立された陰陽寮が前進とされており、後に宮内庁が所管する宮内庁警察の一部として、昭和初期に設立された。
1947年に神事を司る神祇省に移管、当初は、宮中や神祇省による冥界の交易で発生する怪異や妖怪に関する事件を捜査するために組織されていたが、6年前の『大厄災』を境に怪異や妖怪に関する事件や犯罪が急増し、対外の事件にも対応するようになる。
この怪異捜査機関は、一般的な警察機関と同様に、事件の捜査から犯人の逮捕までを行うことが可能だが、その特殊性から、通常の捜査とは異なる対応が求められることがある。
その為、一般の警察官が持ち得ない様な重火器や、最新鋭の電子戦装備など、装備はかなり整っている。
そして、妖怪や怪異との交渉や、特殊な呪術や霊力を持った人材を駆使した捜査など、通常の警察機関にはできない対応が必要となる。そのため、怪異捜査機関は、妖怪や怪異に関する知識や技術を持った専門家を多数抱え、緻密な対策を講じている。
また、怪異捜査機関は、一般の人々に対する情報統制も行っており、怪異や妖怪の存在が社会に広く知られることを避け、一般人が巻き込まれることを防ぐため、事件や出来事を報道機関に公表することはなく、その情報は厳密に管理されている。
ただし、最近では、SNSなどを通じて、怪異や妖怪に遭遇したという目撃情報が相次いで報告されていることから、情報統制にも限界があることが指摘されている。
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天皇制が始まった645年の平安時代から、日本と冥界は交易を行っていた、主に人間側は技術を、冥界側は能力と人員等を主に取引をしていた。
江戸時代末期まで(秘密裏にではあるが)盛んに交易は行われていた、しかし黒船来航に端を発する幕末〜大正時代にかけての激動の時代を経て、冥界側の意識が徐々に変わっていった、そして昭和に勃発した太平洋戦争にて旧日本軍が霊力を用いた兵器を開発、一定の戦果を上げる。
しかしこの事態を重く見た冥界政府は、怪異の力の戦争利用、冥界の世界への露見を危惧し、1946年、日本国政府との国交を制限し神祇省との交易のみに限定、冥界の存在を秘匿を含む御霊封印協定を調印、表舞台からその姿を消した。
1946年から冥界との交易は神祇省に限定され、公的にその存在を示す資料などは破棄された。
神祇省は、臨時政府を設立し、冥界と交易を行った。