特別支援教育に関わらず、広く道徳教育に関連するオススメの書籍を掲載しました。書籍の内容に関しても簡単に紹介しています。雑誌に関しては、特別支援教育における道徳教育が取り上げられた巻号を中心に掲載しました。
特別支援教育における道徳教育
本邦初の特別支援教育における道徳教育実践に関する書籍です。
新学習指導要領で新たに位置づけられた「特別の教科 道徳」ですが、特別支援教育においても教科化を一つの契機として道徳教育への関心が高まっています。
本書では、特別支援学校学習指導要領に基づいた道徳教育に関する基礎的事項をやさしく解説するほか、知的障害特別支援学校や小・中学校特別支援学級における多様な実践22例を紹介しています。
特別支援学校学習指導要領の道徳教育や道徳科に関連する部分や、小学校・中学校学習指導要領「特別の教科 道徳」編の中の内容項目についても巻末に掲載してありますので、資料としての価値も高い一冊となっています。
熊本の日置先生が関わられた書籍です。
以下、開隆堂のHPより引用した書籍の解説文です。
現在、教科用図書が発行されていない特別支援学校高等部における「特別の教科」道徳の指導に対応した書籍です。学習指導要領に基づき、中学校の道徳科における22の内容項目を取り上げ、知的障害教育における自立活動やキャリア教育、主権者教育、セルフ・アドボガシーの視点を重視した授業展開ができる構成です。また、中学校の知的障害特別支援学級でも活用できます。
「このときの登場人物の気持ちは?」と発問しても、そもそも人の気持ちを慮ることが苦手な子どもがいます。インクルーシブ教育の推進が求められる中、道徳授業ではどのような支援が必要でしょうか。押さえておくべきインクルーシブな視点と授業事例を集めました。
【目次】
1章 インクルーシブ教育と道徳科
2章 道徳科授業で押さえておくべきインクルーシブな視点
3章 インクルーシブの視点を入れた道徳科授業づくり
4章 インクルーシブの視点を入れた道徳学習評価とその活用
5章 インクルーシブ教育×道徳科Q&A
本書で提案されているのは、「読み物教材の登場人物の心情理解に偏らずとも道徳科のねらいを達成する方法はいくつもある」ということです。
本書は、道徳教育のねらいを達成することを大一義としながら、ユニバーサルデザインの視点から道徳教育の改善を図ることを目的としています。改善のポイントとして、[指示・問い返し][発問][役割演技]など15こが示されています。
また、ユニバーサルデザインの視点で作った具体的な道徳科の授業プランについても4つの視点で示されていますので、具体的な授業のイメージも頂きやすいのではないかと思います。本書で提案されているのは、「読み物教材の登場人物の心情理解に偏らずとも道徳科のねらいを達成する方法はいくつもある」ということです。
板書で見る全時間の授業のすべて
「板書で見る」シリーズは、これまでも出版されてきましたが、2020年出版のシリーズには、低学年・中学年・高学年の全てに「特別支援学級」の道徳科の授業の板書が掲載されています。
齋藤は、中学年の「特別支援学級」の4つの授業例を担当しました。4つの授業とは、「まどガラスと魚」(正直、誠実)、「友だち屋」(友情、信頼)、「あめ玉」(規則の尊重)、「いのちのまつり」(生命の尊さ)です。いずれも有名な教材ですので、読み物教材を用いて授業をする場合には、参考になることも多いかと思います。
ワークシートや挿絵等のデータが入ったDVDもついていますので、すぐに授業で活用することができます。
日本道徳教育学会が編纂した「新道徳教育全集」です。全集は第1巻〜第5巻まであり、いずれの巻も道徳教育そして道徳科に対する理解を深める上で非常に有益です。
特別支援教育における道徳に関しては、第4巻に掲載されています。特別支援教育に関連する章の目次は以下の通りです。
◯特別支援教育における道徳教育
◯知的障害のある児童生徒に対する道徳教育
◯視覚障害、聴覚障害、肢体不自由、病弱の児童生徒に対する道徳教育
◯情緒障害がある児童に対する道徳教育
◯特別支援教育を根幹とした通常の学級における道徳科の授業
『特別支援教育×道徳−一人も取り残さない授業とは』
◯LD,ADHDの特性のある子への支援
5月号では、栃木県那珂川町立小川小学校の青木利樹先生の研究(「道徳と教育」第342号に掲載された「小学校道徳科における発達障害を有する児童への配慮・支援の実態―文部科学省「報告」を用いて―」 )を引用しながら、通常学級における学習障害(LD)や注意欠如・多動症(ADHD)の特性のある子に対する支援について解説をしました。
『特別支援教育×道徳−一人も取り残さない授業とは』
2024年の4月号から1年間、上記のタイトルで連載をさせていただくことになりました。全国の先生方とのこれまでの学びを活かし、通常学級、通級による指導、特別支援学級、特別支援学校など、多様な学びの場における道徳についてご紹介したいと考えています。
第1回は、「通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査」(文部科学省, 2023)を引用し、通常学級におけるユニバーサルデザインの視点を踏まえた授業づくりの必要性について解説をしました。
『実践レポート』の中で、「特別の教科 道徳における特別支援学校と小学校の交流及び共同学習〜インクルーシブ教育の視点を踏まえた授業実践〜」が紹介されています。
本実践は、弘前大学教育学部附属特別支援学校と附属小学校で取り組まれたものです。交流及び共同学習としても、特別の教科 道徳としても貴重な実践です。
『授業づくりアドバンス』として、理科、道徳科、自立活動、生活単元学習が取り上げられています。その中で、齋藤が道徳科を担当しました。
その中で、道徳科の授業づくりの具体的な手続きについて解説しています。また、高知県立山田特別支援学校の古味聡子先生には、「知的障害特別支援学校における道徳科の取組〜宿泊学習という共有体験と関連させた取組〜」について書いていただきました。
Q&Aのコーナーでは、下記のような質問に対する解説を齋藤が担当しています。
Q1 知的障害が比較的重いと「挨拶」や「仲間と仲良く」「社会のルールを守る」などの内容になりがちです。いろいろな価値観を知るなどの内容にひろげていくためには、どうしたらよいでしょうか?
Q2 小・中学校の道徳科の指導内容一覧にある項目はすべて取り上げていかなくてはならないのでしょうか?
Q3 道徳科の授業で話し合いなどは難しい集団の場合、どのように進めていけばよいでしょうか?
『子供の主体的な学びを支える「できる状況づくり」』(第58回)において、千葉県立特別支援学校市川大野高等学園の道徳科の実践が紹介されています。
市川大野高等学園は、知的障害のある生徒が通う職業に関する専門学科を設置する高等特別支援学校で、高1〜3年の全ての学年で年間二十五単位時間程度の道徳科の授業を実施しています。
二年A組の実践例を挙げながら、主体的に考えることができる題材選びや授業づくりの「できる状況づくり」について紹介されています。
『知的障害教育における「特別の教科 道徳」の展開』が特集されています。目次は以下のとおりです。
【論説】知的障害教育における「特別の教科 道徳」のあり方(東京学芸大学 永田繁雄)
【実践】
・新学習指導要領とこれからの特別支援学級における道徳教育(東京都台東区立蔵前小学校長 針谷玲子)
・小学校の特別支援学級における道徳教育の取組(札幌市立東山小学校特別支援学級教諭 齋藤妃富美・高見美惠・明石桂児)
・中学校の特別支援学級における道徳授業の実践(石川県羽咋市立羽咋中学校教諭 西田昭浩)
・特別支援学校における道徳教育(千葉県立八千代特別支援学校長 渡邊和弘)
・特別支援学校の学校教育全体を通じた取組としての道徳教育(岐阜県立飛騨特別支援学校長 安藤邦寿)
『知的障害のある子に応じた道徳教育のポイント』が特集されています。目次は以下のとおりです。
【概論】学習指導要領から考える知的障害特別支援学校における道徳教育実践の三つの要点(宇都宮大学 齋藤大地)
【実践1】代弁的・翻訳的支援を大切にした高等部全体での一斉指導(熊本県立小国支援学校 日置健児朗)
【実践2】学校全体の道徳教育の取り組みと自立活動を関連づけた道徳科の授業(茨城県立石岡特別支援学校 関根かおり)
【実践3】障害の重い子の実態に応じた指導内容・ねらいの公正・評価の視点の明確化(沖縄県立鏡が丘特別支援学校 青木一桂)
『道徳教育の充実ー特別支援教育における「特別の教科 道徳」』が特集されています。目次は以下のとおりです。
【解説】
・「特別の教科 道徳」改訂の経緯と概要(特別支援教育調査官 萩庭圭子)
・「特別の教科 道徳」の目標、内容及び指導計画の作成と内容の取扱いについての概要(教育課程課教科調査官 赤堀博行)
・特別支援教育における道徳教育の充実に向けて(東京学芸大学 永田繁雄)
【各論】
・視覚障害特別支援学校の交流及び共同学習を通じた道徳教育の試み(愛知県立名古屋盲学校教諭 福田良江)
・聴覚障害の特性を踏まえた道徳教育の充実〜各教科等と関連づけた指導の工夫〜(特別支援教育調査官 庄司美千代)
・知的障害特別支援学級(小学校)における道徳の指導計画と授業の実践について(東京都北区教育委員会事務局教育指導課指導主事 増田謙太郎)
・特別支援学校(肢体不自由)高等部における道徳教育〜障害のある自分たちだからできる生き方を考える道徳教育の実践〜(福島県養護教育センター指導主事 菅野和彦)
・病弱教育における道徳教育の充実(神奈川県立横浜南養護学校総括教諭 梅本知成)
・道徳の時間における発達障害のある児童への指導と配慮(東京都文京区立小日向台町小学校 自閉症・情緒障害特別支援学級「しいの木学級」担任 吉成千夏)
・通常の学級に在籍する発達障害のある児童の道徳の授業の学びを支える通級指導教室の活用(奈良県奈良市立鳥見小学校長 今西満子)
『特別支援教育×道徳で幸せ教室づくり』が特集されています。目次は以下のとおりです。
・提案/ユニバーサルデザインで道徳授業を構想する
・道徳授業で特別支援対応ー7つの心がけ
・レポート/特別支援学校・特別支援学級の道徳授業ーポイントは”ココ”
*「かかわりをはぐくむ道徳の時間」として、齋藤が東京学芸大学附属特別支援学校における道徳教育実践を紹介しています。
・特別支援教育の視点に立ったおススメ資料
・実践/特別な支援を要する子も大活躍の道徳授業
特別の教科 道徳
内容項目
評価
心理学関連
その他