64コン用のカスタムボタンの作成法を何度か聞かれたので、まとめてみます。
素材はエポキシレジンという時間で硬化する透明のプラスチックで、うまく作れば元のボタンと同じ質感のものを好きな色で作成できたり、誤爆防止スタートボタンを作れたりします。実際に使った製品を載せますが、日本で売っていないものが多いため、代替品でこれならいけそうというものも書いておきます。トータルで一万~一万五千円程度かかりますが、一度揃えるとかなりの数を作れます。
製品リンク切れてたら商品名でググってください。Amazonだけで全部揃うと思いますが、ハンズ、100均等も便利。
● 元となるボタン
64コンから取り出す。当記事の方法で作れるのはA、B、C、Startと十字キー。
● 型取り用シリコン
流し込むタイプの型取りシリコン。粘土タイプの型取りシリコンと間違えないように注意。
使った製品 Mold Star 20T 代替品 Mr.シリコーン等。
私が使ってるMold Star 20Tは30分で硬化するのでオススメですが、Amazonにはありませんでした。ハンズに売ってるっぽい?
● 型取り用ケース
底が平らで小さめのプラスチックケース。高さはボタンが十分埋まるくらい。こういう100均の商品とかが入ってるプラスチックパッケージがおすすめ。
● 両面テープ
幅広めで剥がしてもベタベタしないやつがおすすめ。
● かくはん用の棒
割り箸でも百均とかにある金属のへらでもなんでも可。
● 小さい使い捨てプラスチックカップ
50 mlくらいの小さめのもの、シリコンやレジンの混合に使う。
● デジタル計り
キッチン用の計り。0.1g単位で計れるもの。←重要!
● エポキシレジン
クリスタルレジンとかデブコンETなどの製品がある。比較はこの辺を参考に。UVレジンと間違えないように注意。
使った製品 Environmental Technology Easy Cast 代替品 クリスタルレジン、デブコンET等
● 着色料
透明色はレジン用の着色料やアルコールインク、不透明色はアクリル塗料で綺麗に着色できる。
使った製品 Jacquardのアルコールインク等 代替品 NRクリアカラーセットやアクリル塗料。色々使えるみたいなので安いものや身の回りのものをためしてみると良いかも。
● 耐水ペーパー (400~600番あたり)
水に濡らしながら使える紙やすり。粗め400番くらいのが一種類あれば良い。
● 細めのプラスドライバー
コントローラーの分解に必要。なければ100均とかで買いましょう。
● 使い捨てのスポイト
こういう少し太めの使い捨てスポイト。先が細いと粘度の高い液体を吸い込めないので、その場合は先端から少しハサミで切って使用する。
あると便利
● ドライヤーかヒートガン (気泡抜きに)
● ピンセット
● 汚れ拭き取り用にキッチンペーパーとエタノール
作業風景はyoutubeに良い動画があるので参考にしてください。ただし、動画にはボタン底面のくぼみを作る工程が含まれていないため、あくまで作業イメージを掴むためのものです。
参考動画(前半)
参考動画(後半)
① シリコン型の作成
ボタンの型取り
複製する予定のボタンを64コンから取り出し、綺麗に洗って拭いておく。できるだけ傷のないものを使う。予備も含めて2セットくらい用意しとくと良い。64コンの分解についてはこの辺を見てください。複雑ではないのでとりあえず開けてみればわかると思います。
型取り用ケースの底に両面テープを貼り、その上にボタンをしっかり固定する。参考動画(前半)、2:50~
※十字キーを固定する場合、底面の支柱が邪魔になるので、あらかじめ支柱をニッパーで切るかケース底に穴を開けて、十字キーがケース底に密着するように工夫する必要がある。
説明書に従ってシリコンを混ぜ、ボタンを固定したケースに流し込む。どの程度のシリコン量が必要かは、あらかじめ空のケースに水を入れてみて当たりをつけておく。シリコンを混ぜる際気泡が入るが、影響しないので気にしなくて良い。流し込んだら大きな気泡を除くためケースを30秒ほど軽く叩く。参考動画前半、3:50~
シリコンの説明書に書かれた硬化時間を参考に固まるまで待つ。固まったらテープを利用してシリコンをケースから取り出し、埋まってるボタンを取り出す。
円柱状シリコンの作成
作成の流れ③で使用する円柱状シリコンを作る。ここが一番身の回りの物を使って工夫しないといけない。
どういうやり方でも最終的に上記の様な円柱状のシリコンが作れれば良い。例えばストローを使って下図の様に作れる。一度に複数個作っておく。作成したボタン型及び円柱状シリコンは何度でも使えるので、ホコリがつかないように保管しておく。
② レジンの流し込み1
説明書や参考リンクに従ってレジン液を混ぜる。色をつける場合、レジン液を混ぜた後で着色料を加えてさらに混ぜる。着色料の量は完全に製品次第なので、とりあえず一滴落として混ぜてみて色を見ながら調節する。クリアカラーは気持ち薄めに作るのがコツ。
気泡が入らない方が良いが、難しいのでドライヤーなどを使って頑張って取り除く。
下図の1日目のように、気泡を抜いたレジンを作成したシリコン型のボタン底の出っ張りの手前まで流し込む。使い捨てのスポイトなどを使うとやりやすい。入れすぎてもスポイトで吸って調節すれば良い。十字キーの場合はこの段階で上までレジンを入れてしまって良い。参考動画後半、00:00~
③ レジンの流し込み2
1日待ってレジンが固まったら、上図2日目のように①で作成した円柱状シリコンをレジンの上、真ん中に置く。ちょうど真ん中に置けたら上から指でゆっくり押し、しっかり密着させる。円柱状シリコンの底が綺麗な平面になっていれば、シリコンがレジンに吸い付く様に固定される。
新たに少量のレジンを用意し、円柱状シリコンとボタン型の隙間から少し上に盛り上がるくらいまでゆっくり流し込む。スポイトなどを使うとやりやすい。
④ 仕上げと調整
さらに一日まってレジンが固まったら、型からゆっくり取り出して仕上げる。ボタン底面のレジンが盛り上がっているはずなので、耐水ペーパー400〜600番あたりを使って水研ぎし、段差をなくす。
ボタンができたらコントローラーに組み込み、ボタン下のゴム、基盤をはめ込んだ状態で押してみて感触を確かめる。ここでガタつく場合、底面のくぼみが深すぎることが原因なので、スペーサーを使って純正と同じ感触になるまで調節する。スペーサーには透明なシールを穴あけパンチで丸くカットしたものなどがおすすめ。
ボタンの押し込みがあまりできない、押した感覚があまりないという場合、底面のくぼみが浅すぎることが原因で、これはどうしようもないので作り直す。この場合1日目のレジンを気持ち少なめにすることでくぼみを深くして対処する。
下図のように、一手間かけると誤爆防止スタートボタンを作れる。③で使用するスペーサーは入れば何でも良いが、例えば余ったシリコンを2枚のプラ板にはさんで薄いシリコン板を作り、切ってスペーサーにしたりできる。
③で型にレジンをはめ直す際は、STARTのロゴが傾かないように気をつける。また、いっぺんにいくつか原型を作り、うまくいったやつだけ使ってボタンを作成したほうが良い。