機械学習工学研究会(MLSE)は、機械学習システムの開発・運用にまつわる生産性や品質の向上を追求する研究者とエンジニアが、互いの研究やプラクティスを共有し合う会です。
2018年度より、日本ソフトウェア科学会の公式研究会として正式に発足しました。
機械学習、とくに深層学習(ディープラーニング)の技術進展に伴い、機械学習を活用したAIシステムの産業応用・社会実装が活発に追求されるようになりました。2018年前後には、不確実で不完全なシステムに対するステークホルダーの意思決定や受容、データ品質の実現と評価、複雑なモデルやシステムのテスト・評価、変化の影響を受けやすいシステムの運用・監視など、多様な課題が顕在化しました。本研究会はこの動向に対応して設立され、以降「機械学習工学」と呼べる新たなパラダイムを、産学連携、研究と実務の連携を通して追求する場を提供してきました。
2022年度後半のChatGPTの登場以降は、大規模言語モデル(LLM: Large Language Models)に基づく生成AIや自律的に行動するAIエージェントが急速に普及し、もはやAIと関係ないものはなくなりつつあり、技術・社会の変化は一層激しくなっています。これらは開発対象としてのAIシステムを変えるだけでなく、要求分析から設計・実装・テスト・運用に至る開発プロセスそのものにも組み込まれ、ソフトウェアエンジニアリングのあり方やエンジニアの役割自体を再定義しつつあります。また、AIが人間の知的活動や業務に深く入り込むにつれ、人間とAIの協働や、安全性・信頼性・説明責任・ガバナンスなど、人間・組織・社会との関わりの中で変わらぬ価値や公益(Common Good)を担保する工学的取り組みも不可欠となっています。
本研究会では、機械学習システム、生成AI、AIエージェント、およびそれらと人間・社会との関わりについて、以下の代表的なトピックをはじめ幅広く議論しています。
機械学習・生成AIプロジェクトのマネジメント手法、エージェントを含むチーム・組織設計
機械学習・生成AI・AIエージェントシステムのための要求分析、目的設計、価値設計、アーキテクチャ設計、見積もり手法
AIが連続的・反復的に開発を回す前提でのソフトウェア開発ライフサイクル(要求・設計・実装・テスト・運用)の再考
データセット、プロンプト、知識ベース、評価データの収集・整備、前処理、品質評価
AIエンジニアや開発支援AI・コーディングエージェントと協働してシステムを開発するプロセス、フレームワーク、プログラミング言語、開発環境
AIエージェントと人間が高度に協働するサービスの要求分析、UX・業務設計、信頼
高度な自動化や自律的なAIを前提としたシステムのテスト生成・検証、デバッグ、評価自動化、AI成果物の品質保証・受け入れ判断
機械学習・生成AI・AIエージェントシステムの運用・監視や継続的改善のサイクル、およびそれを支えるプラットフォーム、インフラストラクチャ、ハードウェア
AIシステムの社会的影響、リスク、受容、説明責任、ガバナンス、安全性、および公益を保つための評価・監査・運用技術
本研究会ではこれらのトピックに関して、産業界と学術界、研究者とエンジニア、さらには隣接する多様な専門分野の立場から、機械学習システム、生成AIシステム、AIエージェントを活用したシステムに対する問題提起や研究報告、エンジニアリング・プラクティスについて情報を交換しあい、議論する場を提供します。とくに、AIシステムの実用化・高度化に伴う技術的課題だけでなく、それらが人間、組織、社会に与える影響や、公益を保ちながら持続的に運用するための工学的課題も重視します。また、焦点を絞ったWG (Working Group) による継続的な活動と、合宿形式のイベントや他分野コミュニティとの連携による集中的な議論を特徴としています。
本研究会は、以下の各サイトを通じて活動をしています。
機械学習工学に関する様々な情報交換やイベントの告知などを、Discordにて行っています。ご興味ある方はお気軽にご参加ください。
IT勉強会形式のイベントをこちらで告知・開催案内しています。年数回開催の予定です。
こちらでもイベントの開催案内や情報提供などを行っています。(ただし、更新頻度は遅めです。)
イベントの告知などを行います。ぜひフォローしてください。
講演などの動画を公開しています。日本ソフトウェア科学会のチャンネルもご覧ください。
告知専用のメーリングリスト(Googleグループ)です。自由に入会・退会可能です。主にDiscordの「ニュース_告知」チャンネルの投稿が転送されます。