〇『浄土の教えをただす』
真々園発行2024.4.29発行 A5判50頁1000円 送料300円
筆者は龍谷大学で真宗学を学んだが、宗教的不安を解決するために村田静照和上のもとに2年1か月起居。回心後、自坊に帰るが門徒から念仏反対の運動がおこり住職排斥を受けた。その後、本願寺法主であった大谷光瑞師から広い視野に立った仏教教理を学んだ。62歳のとき請われて東京に移住。『西田幾多郎全集』や『鈴木大拙全集』を読破し、求道の青年たちの苦悩解決に応えた。また、僧侶のために「現代仏教学会」を開設。そこでも、「これからの時代は、曇鸞大師が『往生論註』で説かれたように、浄土や阿弥陀仏を『二元即一元論』で説かないと現代の青年たちに伝わらない」と強調されていた。時代に適応した浄土真実の教えを説き、問題提起とその指標が示されている。現代にある誤った宗教理解を正さなければならないとの願いが伝わってくる。1976年と1979年に発表された「教学研究」を1冊にまとめたもの。
小見出し
◇封建時代の教学から脱皮= 日本浄土教の源流は/鈴木大拙の浄土観を見る/親鸞の浄土観に立つ/蓮如教学の三つの問題点/主体的に生きる/存覚の功績は大きい/危機感がモチーフ
◇浄土教の現代的展開=現代思想と対決する/宗教の本質こそ/須弥山説は腐肉/無明から解脱する/宗教とは何か/鈴木大拙の霊性から/根本教理は一元論/現代的展開の道
あとがき