分科会4 新設Cチーム企画&SOGIEシニアネット共同報告
交通・まちづくりとLGBTQ+(2025年度)
分科会4 新設Cチーム企画&SOGIEシニアネット共同報告
交通・まちづくりとLGBTQ+(2025年度)
新設Cチーム企画
塩安 九十九
はるか
SOGIEシニアネット
有田 啓子
桂 容子
手話通訳/文字通訳あり
後日アーカイブ配信あり
ライブビューイングあり(保育室あり:事前申し込み制)
LGBTQ+は他の運動とどのように連携、あるいは共闘できるのかという、長年のテーマ(塩安個人のテーマです)が実践できるフィールドのひとつが、アクセシビリティ・バリアフリーであろう。共闘どころか障害者運動の人々からの学ぶことばっかりというのが正直なところだが、その人々が私たちの問題を代弁してくれるまでになったのは、200回を超える会議を共にしてきたからこそだ。「なんで交通・まちづくりの会議にLGBTQ+が参加しているの?」そんな視線を向けられるアウェイな市民参画の場に、生身で顔を出して現れ、その会議に居続けることの重要性を感じる。
新設Cチーム企画は2022年ごろから近畿運輸局の移動等円滑化会議の当事者委員としてLGBTQ+の立場から交通・まちづくりについて提言を行ってきた。それをきっかけに、大阪市交通バリアフリー基本構想の街歩きワークショップ、大阪・関西万博のアクセシビリティに関連する複数の検討会、大阪府福祉のまちづくり条例改定の審議会への参加など、活動が継続している。今回はこれらのごく一部を報告する。
2024年よりこの活動に加わってくれたSOGIEシニアネットのお二人も一緒に、各々の活動報告と活動を通じて感じたことを大会参加者にシェアしたい。
講演(録画) 60分
休憩 5分
Q&A 25分
終了後、30分間のZOOM交流会があります。(参加自由)
グランドルールに反するふるまいが見受けられましたら、スタッフによる誘導や、場合によってはご退出いただくことがあります。
※時間は変更になる可能性があります。
新設Cチーム企画主宰。クィア洋書読書会主催12年目。フェミニスト登山部所属。ゆるゆるといろんなプロジェクトを同時進行中。電車でクィアな話をするのに少し気を遣う小心者。飛行機は毎回パスポートの性別でドキドキする。コンビニのトイレに深く感謝。
最近、自転車にハマってて、痛感するのですが、駅にエレベーターがあってはじめて輪行(自転車を電車で運んで行った先でサイクリング)することができます。都市の駅には当然のごとくに設置されていますが、先人の運動の賜物であるエレベーターに、いつも心から感謝しています。一方、ローカル線では、そうはいかないわけで、先日は、万葉まほろば線で見上げるほど高い階段に背筋が凍りました。
SOGIEシニアネットを3人で結成。シニアでクィアでフェミをコンセプトに、月に一回、大阪府立男女共同参画センターで、「SOGIEオープンルーム」という居場所を開催。今回、バリアフリー基本構想ワークショップに参加して、LGBTQ+×高齢者というインターセクショナリティをまさに生きている自分を実感。年齢的な引け目を感じることが多かったが、新たな学びや気づきに遭遇でき、さりげなく活動仲間に迎えてくれている若い友人たちに感謝。
障害福祉に支援者として関わって6年。ベトナムに行ったときトイレで15,000ドン(90円くらい)を請求された。誰かのおかげで成り立っている公共トイレをほとんど無料で使っていたことに気づかされて感動しながら支払った。
オールジェンダートイレ調査(大阪市内のバリアフリートイレでオールジェンダートイレとして使えるものがどれぐらいあるか地図にマッピングして公開している。)
来場者にLGBTQ+の人々もいることを前提にした、包括的な対応と注意点(大阪万博スタッフ・ボランティア研修用)
この分科会は、オンラインのみの開催でした。
事前録画による、塩安九十九さん、有田啓子さん、桂容子さん、はるかさんの講座(講座の内容は下記各登壇者の発表要約をご参照ください。)を配信した後、リアルタイムでの質疑応答を実施しました。
質疑応答では多くの質問が寄せられ、時間の許す限り、登壇者の皆様に丁寧にお答えいただきました。
塩安九十九さん
大阪・関西万博への参画を通じ、LGBTQの視点を反映したガイドライン整備とオールジェンダートイレの導入に取り組んだ経緯を報告しました。ガイドラインは理念共有と現場対応の基盤として重要であり、SOGIEの明記などを実現しましたが、現場では周知不足や研修不足により十分に活用されていない課題も明らかになりました。また、オールジェンダートイレは多様なニーズに応える重要な設備である一方、設計や運用、理解不足による問題もあり、今後の改善と社会への普及の必要性を強調しました。
有田啓子さん
オールジェンダートイレ調査の取り組みについて報告しました。現状では専用トイレが少なく、多くの人がバリアフリートイレを代替利用している実態があり、その配置や使いやすさを可視化するため調査を実施しました。結果として、男女別トイレ内に設置されたバリアフリートイレなど、利用しにくい構造が多いことが判明しました。また、大阪市のバリアフリー施策に当事者として参加し、行政や事業者と連携しながら改善を図る重要性を示し、市民によるパブリックコメントの意義も訴えました。
桂容子さん
大阪市の交通バリアフリー基本構想のワークショップ参加を通じ、制度の仕組みと課題を報告しました。バリアフリー法とガイドラインに基づき、地域ごとに具体的な整備計画が検討されていることを説明しました。また、街歩きを通じて段差や表示の不備など多くの障壁を実感し、高齢者としての自身の聴覚の変化にも言及しました。さらに、オールジェンダートイレの安全性や有効性を評価し、従来の男女別トイレの課題を指摘するとともに、海外事例も踏まえた柔軟な発想の必要性を述べました。
はるかさん
社会を変えるための具体的なアプローチとして、「既存環境の改善」「制度の変更」「関係性による変化」の三つを提示しました。建築や公共空間の設計において当事者視点が欠如しがちな現状を踏まえ、パブリックコメントや条例、ガイドラインを通じた関与の重要性を説明しました。また、当事者参加には心理的安全性や継続的な支え合いが不可欠であるとし、対話と協働の場の重要性を強調しました。長期的な視点で希望を持ち続け、社会変革に取り組む姿勢の大切さを訴えました。
塩安九十九さん
政治的な分断や少数者への弾圧が進む昨今ですが、選挙(や多数決)以外の方法でも社会を変えていけるということを知ってほしいです。交通街づくりは、地域の生活者として、そして主権者として暮らしをどうしていきたいか直接発信できる分野です。社会の価値観はインフラにも表れます。男でも女でもない人たちの存在を認める社会には、オールジェンダートイレがあるはずです。この分科会が皆さんの暮らしを見直す機会になったとしたら本望です。
有田啓子さん
今回、トイレ現地調査を通して、地方自治体の、まちづくりの仕組みについて少しだけのぞくことができたことは、得がたい体験でした。学ぶだけで終わらせず、コミュニティに貢献するためには何ができるか、今後も考えていきたいです。もちろん、今年もまたトイレ調査に取り組みます。寄せていただいた感想をありがたく読みました。セクマイ大会に、関心を寄せてくださる方々の、実践に裏打ちされた深い想像力を、改めて感じました。
桂容子さん
とてもよい経験をさせていただきました。調査のあとの振り返りや、セクマイ大会での発表などまとめる機会もできて、自分の意識や行動の検証にもなりました。これまで気づけなかったたくさんのこと、自分の住む街がこんなにもバリアだらけだったことにも気付けたので、改善していかなければという思いが強くなっています。今後の自分の行動の指針のひとつになると思います。
はるかさん
ひとりでも活動はできます。ぜひ、あなたや隣人が困っている日々の生活や移動の問題についてあなたの視点から声を上げてほしいです。その一方で、ひとりでは何もできないと感じてしまう瞬間があります。この分野では私たちやほかの障害者団体のみなさんの連帯があります。もし分野や地域が違うとしてもあなたのそばにいる仲間やつながりづくりを大切に。ともに対話を続ける終わりなき実践が続きますように。
逆に当事者たちが絶望しないためのコミュニティとしても機能していることに希望を感じさせられました。自分も特定層のためのコミュニティを運営する中で、日々仕事で絶望させられて辛いという声がよくあつまりますが、それでもここの体験を共有しながら支え合っていることを感じています。そうした個人の体験の集積をもってなんらかの働きかけのエネルギーへと変えていくことを目指してめげずに活動を続けたいと思いました。
母が車いすユーザーなのですが、「正直に言うと点字ブロックがあると車いすが漕ぎにくい」と言っていたことがあったが印象的で、下肢障害と他のマイノリティ要素を持ったコミュニティが団結できないものかと考えておりました。質疑応答の際にもコメントを入れさせていただきましたが、今回の「身体障害・高齢と、LGBTQをインターセクショナルに考える」というテーマが初めて聞いたものだったので、大変嬉しい気持ちで聞いていました。母の例のように、持ち合わせているマイノリティの要素ごとに必ずしもメリットが一致しないこともあるかと思いますが、はるかさんがおっしゃっていたように対話を重ねることはできると思うので、そういった姿勢で自分も生きていこうと思います。今後に希望を持てる内容でした、本当にありがとうございました。
闇の深いトイレ問題の様々な問題と希望を提示して下さり、有意義な時間でした。ありがとうございます。
オールジェンダートイレの設置状況のリサーチ、地道で大変な作業を息長く続けておられて頭が下がります。ここ数年、自分なりに多目的トイレがあるかないかを気にするようにはなりましたが、どこにある、とか、どのような形態かを覚えておくことはなかなか難しいので、マップ上で可視化されていくのはすばらしいです。より多くの人に問題意識を共有し、社会全体が変化していくよう、自分もできることをしたいと思います。ありがとうございました。
万博会場には行かずに終わりました。が、分科会4でオールジェンダートイレの普及について伺って、現実的な利用の観点からも異性介助のことが入るほうがという話に、なるほど~~~~と視野を広げてもらいました。最終的には、ガイドラインが伝わってないとか、「女性トイレ」の貼り紙運用になってしまったとか、終了後の振り返りや検証が全くおこなわれていないというのは残念なことですが、実際にオールジェンダートイレを体験した人がいたことが、今後につながれば!と思いました。 「まちづくり」について、個人がつながって、団体として活動していくことの大切さ、年齢を重ねることで生じてくる自身の感覚などの変化を経て、あらためて気づくことがあるんだと、知ることができてよかったです。