透析患者さんが日々の生活で最も辛いと感じることの一つが、「水分制限」ではないでしょうか。制限が苦痛なのは、「喉の渇き」を強く感じるからです。
なぜ透析患者さんはこんなにも喉が乾くのでしょうか?そして、どうすればこの辛い渇きを乗り越えられるのでしょうか?
原因を知り、賢く対策することで、水分制限の苦痛は必ず和らぎます。
塩分の摂りすぎ
食事で塩分(ナトリウム)を多く摂ると、体は塩分濃度を薄めようとして水分を欲します。これが喉の渇きの最大の原因です。計算上、塩8.2gにつき水1Lが必要とされます。
塩分摂取 → 血中のナトリウム濃度上昇 → 脳が水分を欲する → 強い喉の渇き
喉の渇きを我慢するのではなく、根本的な原因を取り除く、または渇きを和らげる工夫をしましょう。
コツ 1:徹底的に「減塩」する
水分制限の第一歩は、塩分制限です。塩分を控えることで喉の渇きの原因を根元から絶ちます。
意識的な減塩: 薄味に慣れ、塩や醤油を使う代わりに、レモン、酢、だし、香辛料などで味付けを工夫しましょう。
コツ 2:少量を「のどが乾いたときに口に含む」
制限された水分量を、一度に飲むのではなく、少量(氷1〜2個分)をのどが乾いたときに口に含みましょう。
氷やフローズンフルーツ: 水を凍らせた氷や、少量であればフローズンフルーツを舐めることで、口の中でゆっくり溶けて、喉の渇きが長く和らぎます。(ただし、カリウムの多い果物は控えてください。)
コップの大きさを小さい物にするのも役に立ちます。
コツ 3:口腔内を保湿・清潔に保つ
口の中が乾燥すると、より強い渇きを感じます。
うがい・歯磨き: こまめにうがいや歯磨きをして、口の中のネバつきや不快感を取り除きましょう。
保湿剤の活用: 口腔保湿ジェルや保湿スプレー、無糖の飴などを活用して、唾液の分泌を促し、口の中の乾燥を防ぎましょう。
コツ 4:適温の飲食物を選ぶ
人によって、冷たい物を飲んだ方がのどの渇きが少なくなったり、逆に温かい物を飲んだ方がのどの乾きが少なくなったりするようです。どちらがいいというのは諸説あるようです。ご自分が、よりのどの乾きが抑えられると感じられる温度の飲み物を摂取されると良いでしょう。
水分制限は大変ですが、無制限に水分を摂りすぎると、心臓に大きな負担がかかり、体調を崩す原因になります。
当院では、患者さんの体重増加量をしっかり管理し、無理のない水分摂取を維持できるようサポートしています。水分管理で困っていること、試したいことがある場合は、私たちスタッフにご相談ください。一緒に最適な方法を見つけましょう。
透析患者さんにとって、食事は栄養管理の要であり、同時に楽しみでもあります。しかし、「外食は危険」「コンビニ食は添加物が多くてダメ」と、外出先での食事が大きな不安になることがあります。
結論から言えば、ポイントを押さえれば、外食もコンビニ食も十分に楽しむことができます。
特に注意が必要な「カリウム」と「リン」を、外食・中食(コンビニなどで購入した食事)で賢くコントロールするための具体的な選び方と工夫をご紹介します。
カリウムは、野菜や果物に多く含まれますが、外食やコンビニ食では調理法などに落とし穴が潜んでいます。
落とし穴①麺類の汁(スープ)
なぜカリウムが多いか:魚介や肉、野菜からスープに大量のカリウムが溶け出しています。
対策・選び方のコツ:汁は絶対に飲まない! 具だけを食べるようにしましょう。
落とし穴②生野菜サラダ
なぜカリウムが多いか:生の野菜は、カリウムがそのまま残っています。
対策・選び方のコツ:食べる量を少量に抑える。温野菜や炒め物を選ぶことで、調理中にカリウムが流れ出ます
落とし穴③カレー・シチュー
なぜカリウムが多いか:トマトやジャガイモなどの野菜を長時間煮込むため、カリウムが溶け出しています。
対策・選び方のコツ:ルーを少なめにし、具材(特に芋類)の摂取量を控える。
落とし穴④果物が入ったデザート
なぜカリウムが多いか:特にバナナ、メロン、キウイなどはカリウムが多いです。
対策・選び方のコツ:ゼリーやプリンなど、果物以外のデザートを選びましょう。
リンは、肉や魚、乳製品にも含まれますが、特に注意すべきは「加工食品」に含まれるリンです。加工食品に使われる「食品添加物(リン酸塩)」は無機リンと呼ばれ、天然のリン(有機リン)よりも体内に吸収されやすいため、注意が必要です。
※有機リンで、植物性のものは20ー40%、動物性のものは40-60%、無機リンはほぼ100%吸収されると言われます。
危険な食品①練り物、加工肉
なぜリンが多いか:ソーセージ、ハム、ちくわなど。食感や風味を良くするためにリン酸塩が使われがちです。
対策・選び方のコツ:成分表示を確認し、リン酸塩が含まれていないもの、または天然の肉に近いものを選びましょう。
危険な食品②インスタント食品
なぜリンが多いか:カップ麺やレトルト食品などのインスタント食品には食品添加物が多く含まれます。
対策・選び方のコツ:麺類は汁を残す。茹でこぼせるならば茹でこぼす。頻繁には食べない。
危険な食品③乳製品
なぜリンが多いか:チーズ、牛乳、ヨーグルト。タンパク質と同時にリンも多めです。
対策・選び方のコツ:食べる量を制限する。特にチーズ類は少量にとどめましょう。
危険な食品④パン
なぜリンが多いか:イーストフードや膨張剤にリン酸塩が使われることがあります。
対策・選び方のコツ:食パンよりもご飯を選ぶ方が安心です。
【外食編】
定食を選ぶ: 丼ものや麺類ではなく、ご飯・主菜・副菜が分かれている定食を選び、汁物や小鉢の量を調整しましょう。
調味料は「別添え」: 醤油やソースはかけずに、小皿で提供してもらい、「ちょい付け」で塩分を抑えます。
調理法を工夫: 野菜料理は、「煮物」よりも「炒め物」の方が、カリウムが流れ出ており安心です。
【コンビニ編】
おにぎりを選ぶ: 味付けご飯や調理パンよりも、梅や鮭などシンプルな具材のおにぎりが減塩しやすいです。
野菜は「ゆで・炒め」の惣菜を: 生野菜サラダよりも、きんぴらごぼうやひじきの煮物など、調理でカリウムが流れ出ている惣菜を少量選びましょう。
低リン食品を活用: 腎臓病食コーナーがある場合は、低リン・低塩のお弁当を積極的に選びましょう。
外食やコンビニ食は、上手に活用すれば、日々の献立に変化と楽しみをもたらしてくれます。しかし、不安な点や迷う点があるのは当然です。どうぞお気軽にご相談ください。
透析患者さんにとって、塩分(ナトリウム)の制限は非常に重要です。しかし、「塩分を完全にゼロにしなければならない」と思い込み、食事が味気なくなってしまったという話をよく聞きます。
塩分をゼロにする必要はありません。 大切なのは、無理のない範囲で、日々の食事の塩分摂取量を適切にコントロールすることです。
なぜ塩分制限が必要なのかを改めて確認し、「美味しく、ストレスなく」減塩を続けるための具体的な工夫をご紹介します。
「塩分制限=食事を美味しくなくすること」ではありません。塩分を控える最大の目的は、「喉の渇きを抑え、水分管理を楽にすること」です。
強い喉の渇きは塩分が原因
食事で塩分を摂りすぎると、血液中の塩分濃度が高くなります。体は、この濃すぎる塩分を薄めようとして、強い喉の渇きを感じさせます。結果として、水分摂取量が増え、体重が増加しやすくなります。ラーメンやお寿司を食べたあと喉が乾く経験が、皆さんにもあるのではないでしょうか。
体重増加の危険性
透析と透析の間で体重が増えすぎると、溜まった水分が心臓に大きな負担をかけ、むくみ、高血圧、心不全などのリスクが高まります。
美味しく減塩することは、あなたの心臓と血管を守ることにつながるのです。
「塩気がなくても満足できる」味付けには、ちょっとした工夫が必要です。以下のテクニックをぜひ取り入れてみてください。
テクニック 1:酸味と香りで風味をプラス
塩味の代わりに、「酸味」や「香り」を味の主役にしましょう。
酸味: レモン、酢、かんきつ類の果汁は、少ない塩分でも全体をキリッと引き締め、満足感を与えます。
香り: ショウガ、ニンニク、ネギ、大葉、みょうが、カレー粉、ハーブ(コショウも含む)などを積極的に使うと、塩気がなくても風味豊かに仕上がります。
テクニック 2:だしの「うま味」を最大限に引き出す
日本料理の基本である「だし」には、塩分がなくても満足できる「うま味」が凝縮されています。
濃いだし:市販の顆粒だしではなく、かつお節や昆布、煮干しで丁寧に濃いだしを取ると、薄味でも美味しく感じられます。
素材の味:きのこ類や海藻類、野菜のうま味を煮物や味噌汁に活かしましょう。
テクニック 3:調味料は「ちょい付け」と「直前」
調味料の使い方を見直すだけで、塩分摂取量は大きく変わります。
「ちょい付け」の徹底: 醤油やソースは、料理全体にかけるのではなく、食べる直前に小皿で少量つけて食べるようにしましょう。
香りを立てる: 塩や醤油は、加熱する途中で加えるよりも、完成直前に少量加える方が、味を感じやすくなります。
テクニック 4:カリウムを意識した「減塩醤油」の活用
スーパーなどで売られている「減塩醤油」や「減塩味噌」は、通常の製品に比べて塩分が約半分に抑えられています。
ただし、これらの製品の一部は、塩分を減らした代わりにカリウムを加えて味を補っている場合があります。カリウム制限が厳しい方は、栄養成分表示や原材料を必ず確認し、医師や栄養士に相談して活用しましょう。
テクニック 5:薄味に慣れる期間を設ける
人間の味覚は、慣れることができます。最初は薄味に抵抗があっても、2週間ほど続けると、濃い味付けを「しょっぱい」と感じるようになります。焦らず、少しずつ塩分を減らす練習をしましょう。
美味しく減塩することは、我慢ではなく、あなたの透析治療を成功させるための大切なアクションです。
食事の工夫を通じて水分管理が安定すれば、透析中の体の負担も減り、より快適な透析ライフを送ることができます。
塩分コントロールで困ったことがあれば、スタッフにお気軽にご相談ください。
透析治療は、週に3回、体調管理のために必要な大切な時間です。しかし、それ以外の非透析日を含めた日常の時間を、どう充実させるかが、人生の満足度を左右します。
ここでは、会社勤めをしながら午後透析(13:00開始)を受けている架空の患者さん、Kさん(50代・営業職)の1週間を追ってみましょう。Kさんがどのように透析日を乗り切り、非透析日を「自分時間」として活かしているのか、その工夫があなたのヒントになるはずです。
午後透析を利用するKさんは、午前中を仕事や用事のピークタイムに設定し、生活にメリハリをつけています。
☀️ 午前:仕事や役所手続きの集中タイム
Kさんは、月・水・金曜日の午前中を、最も集中力が必要な時間として活用しています。
午前中の活用: 取引先へのメールチェック、商談前の準備、役所への手続きなど、対外的な用事や重要な仕事を午前中のうちに片付けます。
クリニックへの移動: 12:30に仕事を切り上げ、当院へ向かいます。この切り替えの早さが、時間のロスを防いでいます。
🌙 午後:治療を「静かな休息」と「回復」の時間に
13:00から透析を開始し、治療に集中します。
リラックスタイム: 治療開始直後は、あえて仕事から離れ、用意してきたイヤホンで好きな音楽を聴いたり、持参した本を読んだりして、静かにリラックスする時間にあてています。
栄養補給: 治療前に提供される栄養士監修の無料食事サービスを利用し、バランスの取れた昼食をとります。午後の時間をまるごと治療に充てることで、帰宅後の疲労感も少なく済みます。
「透析日は午後は活動できない」ではなく、「午後はしっかりと体調を整える時間だ」と前向きに捉えることで、Kさんは治療と仕事を両立させています。
非透析日の火曜日と木曜日は、Kさんにとって一日じっくりと仕事に向き合う日です。体のコンディションを整え、一日という時間を活かした仕事に没頭できます。
3.【非透析日:土・日】
👨👩👧👦 家族との時間:週末を有意義に過ごす。
土曜日は、家族との買い物や趣味の時間に充て、日曜日も水分・塩分管理を意識しながらも、家族との外食を楽しむこともあります。
秘訣: 水分制限を家族に理解してもらい、食事は「だしと酸味」を活かした自家製メニューに。我慢ではなく、家族全員で健康的な食事を楽しむスタイルを確立しています。
Kさんの事例から、仕事と透析を両立させるための重要なヒントが見えてきます。
午前を活かす計画性: 集中力を保てる午前中に、重要な仕事や用事を片付けましょう。
体のコンディションが自由を生む: 医師の指導に基づいた水分・塩分管理を徹底し、透析後のだるさを減らすことで、非透析日の活動量が増えます。
クリニックのサービスを活用: 食事サービスや無料Wi-Fiを有効活用し、時間を無駄なく使いましょう。
透析治療の時間を午後に設定すると、午前中の時間を有意義に使うことができます。あなたの希望や体力に合わせて、透析日と非透析日のメリハリをつけた生活をデザインしてみませんか?
当院は、患者さんの「自分らしい生活」を実現するために、一緒に治療計画を考えさせていただきます。
「透析が始まったら、もう仕事は続けられないのではないか…」
これは、透析導入を控えた患者さんが抱える、最も大きな不安の一つです。しかし、ご安心ください。透析技術や社会的なサポートが進んだ今、多くの方が透析治療を受けながら、現役で仕事を続けています。
ここでは、架空の患者さんの具体的な生活を紹介しながら、仕事と透析を上手に両立するための生活スタイルと工夫をみていきましょう。
透析治療は週に3回、1回あたり4〜5時間かかりますが、その時間設定を工夫することで、勤務時間と重ねずに治療を受けることが可能です。
患者さんの事例:Oさん(50代・会社員)
Oさんは、デスクワークを中心とした会社に勤務されています。透析を導入する際、勤務先と相談し、当院の「夜間透析」を利用することで、両立を実現しました。
Oさんの治療時間:月・水・金曜日の夜間(例:18:00〜22:30)
仕事のスタイル:通常通り、朝から夕方まで勤務。
両立の工夫:会社からクリニックへ直行。透析中はベッドで資料を読んだり、仮眠を取ったりして時間を有効活用しています。
【ポイント】
午前中、午後、夜間など、複数の透析時間帯を設けているクリニックを選ぶことで、仕事のスケジュールに合わせた柔軟な選択が可能になります。
残念ながら、咲花透析センターでは夜間の透析を行っていませんが、施設によっては「オーバーナイト透析」と言って、夜間の睡眠時間を透析時間に当て、夜から朝にかけて透析することも可能です。
仕事を続けるためには、職場の理解と公的なサポートも重要です。
職場への相談: 透析の通院が必要なこと、体調によっては早退の可能性があることなどを、事前に上司や人事担当者に相談し、理解を求めておくことが大切です。
福祉制度の活用: 医療費の助成制度の他にも、障がい者年金の受給、体調不良時の休暇制度など、利用できる福祉サービスがあります。
透析をしながら仕事を続けることは、経済的な理由だけでなく、社会とのつながりを保ち、生きがいを感じるためにも非常に大切です。
「まだ透析前だけど、仕事のことで不安がある」という方は、あらかじめ透析となった場合の働き方や、透析を行う施設や方法(ここでは述べませんでしたが、腹膜透析や在宅透析、という選択肢もあります。これらについてはまた別の項目でお話ししたいと思います。)について調べてみましょう。あなたの生活を諦めない、最適な治療計画があるはずです。
透析治療は、週に3回、数時間をベッドで過ごす時間です。この時間を「退屈な時間」と捉えるか、「自分をメンテナンスし、楽しむための時間」と捉えるかで、透析生活の満足度は大きく変わります。
透析を長年続けている患者さんたちは、この時間をどのように活用し、快適に過ごしているのでしょうか?
ここでは、実際の患者さんが実践している、透析中の時間を有意義に使うためのアイデアをご紹介します。
透析中の静かな環境は、集中して物事に取り組むのに最適です。
アイデア ① 読書や勉強
電子書籍を活用: 紙の本よりもかさばらず、持ち運びが楽な電子書籍やタブレットが大人気です。
資格・趣味の学習: 興味のある分野のテキストや語学教材を持ち込み、集中して勉強する時間にあてている方も多くいます。
アイデア ② 動画・オーディオブックでインプット
無料Wi-Fiで動画視聴: 当院では無料Wi-Fiを提供しています。YouTubeの学習系コンテンツや趣味の動画、映画などを楽しむことができます。(ただし、周囲に配慮し、イヤホンをご利用ください)
聴覚を活用: 視線移動が少ないオーディオブックやラジオ、ポッドキャストなら、目を休めながら新しい知識をインプットできます。
治療中は無理をせず、心と体を休めるための時間にあてるのも素晴らしい過ごし方です。
アイデア ③ 質の高い仮眠・睡眠
質の高い休息: 治療によって体調が安定する時間は、疲れを癒すチャンスです。アイマスクや耳栓を用意し、質の高い仮眠を取ることで、治療後のだるさを軽減できます。
リラックスグッズ: お気に入りのネックピローやブランケットを持ち込むと、よりリラックスできます。
アイデア ④ 癒やしの音楽を聴く
リラックス効果のあるヒーリングミュージックや、クラシックなどを静かに聴くことで、日々のストレスを解消し、心の安定をはかれます。
特別な準備が不要で、すぐに始められる簡単な暇つぶしです。
アイデア ⑤ スマホゲームや脳トレ
パズルゲーム: 長時間集中できるパズルゲームや、クロスワード、数独(ナンプレ)などの脳トレは、集中力と達成感を得られます。
SNSやニュースチェック: 制限された時間の枠内で、SNSのチェックやニュースのまとめ読みをするのも良いリフレッシュになります。
透析時間は、週3回必ず確保できる「自分だけの時間」です。この時間をどう使うかは、あなた次第です。
当院では、患者さんが快適に過ごせるよう、無料Wi-Fiやアーム付き無料テレビなど、環境整備に努めています。もし、何か困っていることや「こんなことがしたい」という要望があれば、お気軽にスタッフにご相談ください。
あなたにとって最も心地よく、有意義な透析時間の過ごし方を一緒に見つけていきましょう。
https://youtube.com/shorts/ItzvFlct1-4
透析時間の暇つぶし方法をまとめた動画です。このほかにもYoutube上に、実際の当クリニックの患者さんのアイデアたっぷりな暇つぶし方法の動画をアップしているので、見てみてくださいね。
透析を始める前は、「自分の好きなことはもう諦めなければならない」と考える方が多くいます。しかし、透析は病気の進行を食い止め、体調を安定させることで、むしろ活動的な生活を取り戻すための治療です。
ここでは、趣味や生きがいを大切にし、透析と上手に付き合っている架空の患者さん、Tさん(60代・元教師)のポジティブな透析ライフをシミュレーションしてみました。
Tさんの透析と趣味のスタイル
趣味(カメラ)
「透析中も無料Wi-Fiを使って、カメラの技術を学ぶ時間にあてています。非透析日は、少し遠出をして風景写真を撮りに行きます。透析で体が楽になったからこそ、趣味を楽しめています。」
旅行
「以前は旅行を諦めていましたが、今は『旅行透析』を活用しています。事前にクリニック同士で調整してもらえば、旅行先でも安心して透析を受けられる。このおかげで、夫婦で九州一周の旅を楽しめました。」
心の持ち方
「透析は人生の主人公ではない、脇役です。治療の時間を『自分のメンテナンス』と捉え、それ以外の時間をどう豊かにするかだけを考えています。」
Tさんのように、趣味や旅行といった生きがいを持つことは、前向きに治療を続けるための大きな力になります。当クリニックは、患者さんの「やりたいこと」を実現するための治療スケジュール調整や、旅行透析の手続きサポートを全力で行っています。
当クリニックの旅行透析の手続き方法についてまとめた動画はコチラ
透析を始める前は、「自分の好きなことはもう諦めなければならない」と考える方が多くいます。しかし、透析は病気の進行を食い止め、体調を安定させることで、むしろ活動的な生活を取り戻すための治療です。
ここでは、趣味や生きがいを大切にし、透析と上手に付き合っている架空の患者さん、Tさん(60代・元教師)のポジティブな透析ライフをシミュレーションしてみました。
Tさんの透析と趣味のスタイル
趣味(カメラ)
「透析中も無料Wi-Fiを使って、カメラの技術を学ぶ時間にあてています。非透析日は、少し遠出をして風景写真を撮りに行きます。透析で体が楽になったからこそ、趣味を楽しめています。」
旅行
「以前は旅行を諦めていましたが、今は『旅行透析』を活用しています。事前にクリニック同士で調整してもらえば、旅行先でも安心して透析を受けられる。このおかげで、夫婦で九州一周の旅を楽しめました。」
心の持ち方
「透析は人生の主人公ではない、脇役です。治療の時間を『自分のメンテナンス』と捉え、それ以外の時間をどう豊かにするかだけを考えています。」
Tさんのように、趣味や旅行といった生きがいを持つことは、前向きに治療を続けるための大きな力になります。当クリニックは、患者さんの「やりたいこと」を実現するための治療スケジュール調整や、旅行透析の手続きサポートを全力で行っています。
当クリニックの旅行透析の手続き方法についてまとめた動画はコチラ
透析治療中や、治療後に「足がつる」「体がだるい」といった不快な症状を感じることはありませんか?これらの症状は、体が発している大切なSOSサインです。
これらの症状の原因を知り、適切な対策をとることで、透析中の不快感を最小限に抑え、快適な治療を受けられるようにしましょう。
主なSOSと原因、対処法
SOSサイン①足がつる
よくある主な原因:透析中の急速な水分除去(除水)による電解質やミネラルの急激な変化。
対処法:治療前に体重増加を抑えること。透析中に足浴やマッサージで血行を促す。
足のつりに関する動画はコチラ
https://youtube.com/shorts/IyTS0Z9cUF4
SOSサイン②だるさ・疲労感
よくある主な原因:従来の透析では抜けにくい老廃物の蓄積や、透析中の血圧変動。
対処法:医師に相談し、オンラインHDFなど、老廃物除去効率の高い治療法を検討する。血圧を安定させるためにドライウエイトの調節や降圧剤の投与を検討する。
SOSサイン③透析中の吐き気
よくある主な原因:急激な血圧低下や、透析液の濃度による影響。
対処法:ナースコールなどでスタッフにすぐ伝え、血圧のコントロールのための処置をしてもらう。
これらの症状は、患者さんの自己管理だけでなく、透析の設定で改善できることが多くあります。「よくあることだから」と我慢せず、必ずスタッフにご相談ください。あなたの症状に合わせて、除水速度や透析液の組成を調整するなど、最適な対策をとります。
透析治療は長期にわたり、生活に大きな変化をもたらします。そのため、不安、抑うつ、無気力といった「心の疲れ」を感じることは、決して特別なことではありません。
透析患者さんの心の健康を守るためのヒントと、当院でのサポート体制をご紹介します。
心の健康を守るためのヒント
感情を言葉にする: 不安や辛さを一人で抱え込まず、家族や友人、信頼できるスタッフに話しましょう。言葉にすることで、感情を整理できます。人に話すのが苦手な方は、ノートに書き出したり、日記をつけたりするのも効果的です。
完璧を目指さない: 食事や水分管理で「失敗」しても自分を責めないこと。「昨日より今日」と、少しずつ改善できれば十分です。
役割を維持する: 趣味や仕事、家庭内での役割など、「自分が必要とされている」と感じられる活動を続けることが、生きがいにつながります。
心の健康も、体と同じくらい大切です。週に三回顔を合わす透析スタッフ。その人たちに少しぐらい悩み相談したっていいじゃないですか。一人で悩んでしんどくなるぐらいなら、私たちスタッフを頼ってください。
透析患者さんの高血圧は、心臓や脳血管疾患の最大のリスクです。しかし、高血圧の原因は一つではないため、それに応じた対策が必要です。
「透析中の高血圧」と「非透析日の高血圧」の原因と、患者さんがご自身でできる対策をご紹介します。
高血圧の主な原因と対策
水分の過剰な蓄積(最多の原因):
対策: 厳格な塩分制限および水分制限を徹底し、透析間の体重増加(ドライウェイトの増加)を抑えることが最も重要です。
レニン・アンジオテンシン系の異常:
対策: 透析患者さんなどでは、腎臓で分泌されるホルモンが正常に働かなくなり、血圧のコントロールに異常を来たします。適切な降圧薬の使用によって、血圧をコントロールします。
高リン血症、動脈硬化:
対策: リン吸着剤の服用と食事管理を徹底します。血液検査でリンの値が高い「高リン血症」は動脈硬化に繋がり、高血圧の原因となります。
透析患者さんの高血圧対策は、「水分と塩分を制すること」から始まります。毎日の体重測定と塩分控えめの食事を徹底することで、血圧は安定します。自己判断で降圧薬を中止せず、医師と相談しながら最適な管理を目指しましょう。
透析患者さんの約半数が悩んでいると(70~80%とも)言われる「かゆみ(透析そう痒症)」。夜中に目が覚めるほどのつらいかゆみは、睡眠不足やQOL(生活の質)低下の大きな原因です。
かゆみの原因は諸説ありますが、老廃物の蓄積と皮膚の乾燥が主な原因と言われます。この二つにアプローチする正しいスキンケアと治療法をご紹介します。
かゆみ対策と正しいスキンケア
老廃物対策(体の内側から):
治療法の見直し: 従来のHDでは除去しきれない老廃物が原因の場合、オンラインHDFなどの高性能な治療法を検討します。(オンラインHDFの項目参照)
乾燥対策(体の外側から):
入浴方法: 熱すぎるお湯は皮膚のバリア機能を壊すため、ぬるめの湯で短時間にし、石鹸は泡立てて優しく洗いましょう。
徹底した保湿: 入浴後、皮膚の水分が蒸発しきる前に、保湿剤(ワセリンや尿素配合クリームなど)を全身にしっかり塗りましょう。
かゆみ止め薬の活用:
自己判断せずに: 医師から処方された抗ヒスタミン薬やステロイド軟膏などを、用法・用量を守って正しく使用しましょう。
かゆみは治療で改善できる症状です。当院では、最新の治療法と連携し、保湿剤の正しい使い方指導や、かゆみ止めの処方など、総合的な対策で患者さんのかゆみの悩みに寄り添います
冬のかゆみについての動画はコチラ
夏のかゆみについての動画①はコチラ
夏のかゆみについての動画②はコチラ