りとむ短歌会への入会をお考えの方へ
2022年7月、歌誌「りとむ」は 創刊三十周年を迎えました。
そして、
2025年9月号は、歌誌「りとむ」200号記念号です。
りとむ短歌会への入会をお考えの方へ
2022年7月、歌誌「りとむ」は 創刊三十周年を迎えました。
そして、
2025年9月号は、歌誌「りとむ」200号記念号です。
創刊200号という節目に
三枝 昻之 (2025年7月9日記)
三十年という節目に
三枝 昻之 (2020年4月記)
はつなつの空へ飛翔する蝶。そんな鮮やかな青い蝶を思わせる表紙とともに「りとむ」は歩みだした。一九九二年七月号を彩った高麗隆彦氏によるその青い蝶は「りとむ」のシンボルとなった。
出発はどんな時代だったのどろうか。バブル崩壊による長い不況が始まり、前川佐美雄と土屋文明が他界したのは二年前だった。
山中智恵子の昭和挽歌『夢之記』は「りとむ」創刊の二ヶ月後だった。困難の中からの出発だが、この年に穂村弘はもう第二歌集『ドライ ドライ ドライ』を出して、新しい時代の活躍が広がった時期でもあった。
「りとむ」十周年記念号には十代から八十代までの特集「世代競詠」がある。十代は寺尾恵仁と山口文子、八十代は幡野都留子と桑田次男。その寺尾氏は今は大学のドイツ語教師、山口さんは講談社からデビューして既に二冊刊行の小説家、二人とも頼もしく歩んでいる。桑田氏は千葉大の名物教授、幡野さんは上品な抒情に個性があったが、お二人は亡くなられた。歳月は否応ないが、しかし「世代競詠」七十代の松川洋子さんと長谷えみ子さんはいまも健詠が続き、皆さんはまだまだこれからですよと私たちを叱咤している。長谷さん世代から「小りとむ」まで、幅広い年齢層の競詠の場は改めて大切だと感じる。
十周年記念号の「みだれ髪」語彙から記念号は毎回今野寿美を中心に歌集の語彙シリーズを掲載してきたが、今回の寺山修司短歌語彙集は、一冊の歌集でなはく、歌人寺山丸ごとという点に大きな特色がある。歌集もすべて収録され、これからの寺山修司研究に不可欠な一冊となった。
結社の系譜から自由で基礎研究も大切にする「りとむ」の姿勢が反映された心強い成果である。これまでの足跡を大切にしながら、新しい一歩を始めたい。
(22/4/28記)