て ん き り ん
て ん き り ん
レジ横に花火セットの並びおり買わんけど選ぶこれがええなあ
なみの亜子
レジに並ぶと手を伸ばしたくなるような季節の目玉が近くに並ぶ。ここでは花火。買うつもりはないが品定めはしたくなる。そんな日常些末を「これがええなあ」が詩にすくい上げる。大阪の暮らしを匂わせながら。「死んで母は語りかけやすき人となり九十一歳の誕生日だよ」には葛藤含みの母と娘の永遠の絆が近しく表現されている。若い頃の注目株なみの亜子も還暦過ぎ、不如意が増えた暮らしぶりが歌集名『ねじ花』にも込められている。
(三枝昻之) 「りとむ」2026年3月号より