て ん き り ん
て ん き り ん
手を取ればワルツは円を描きそむ飴色の午後のひかりのなかへ
睦月 都
手を取りゆるやかな円を描く。三拍子の軽やかな動きが見えて、ビジュアルな動きの表現に優れた作者と教える。「縮尺のをかしな地図のなかのやうな冬のやうな春のやうな午後をあゆめり」には歪んだ世界を歩む不思議な味わいがある。「いつか小さなアパートになつて冬の日の窓辺にあなたの椅子を置きたい」は自分の椅子を並べるのではなくアパートになるなど『Dance with the invisibles』は順当な想いに一歩シュールな手触りを与える第一歌集。
(三枝昻之) 「りとむ」2026年1月号より