て ん き り ん
て ん き り ん
東京に出るたび われは靖国の坂をのぼりて 友に逢ひに行く
岡野 弘彦
伊東の海辺から上京するたびに岡野は九段の坂を上る。英霊にではなく、友に逢うために。岡野は言う。戦死者は生き残った者が長い浄化のための祈りをしなければ鎮まらない未完成霊。だから坂を上り靖国で友に祈りを捧げる。
今年四月二十二日、靖国神社春の例大祭にあわせて国会議員一二六名が集団参拝した。参拝の是非はともかく、一人での参拝もできない薄っぺらな〈英霊に捧げる誠〉がつくづく情けない。『岡野弘彦全歌集』から。 (三枝昻之)
「りとむ」2026年7月号より