※りとむ発行人+編集人+編集委員+HP管理人が、かわるがわる様々に呟きます。
五十音順にふたりずつ呟きます。( き こ さ た て ひ ま や わ )
先日、りとむの見本誌が欲しいとハガキが届いた。万葉集の一首を記した木版画の絵ハガキで、つい見入ってしまった。満開の梅林を背景に、北魏の文字のような字体で彫られている。
梅の花咲き散る園にわれ行かむ君が使を片待ちがてら 四〇四一
(君からの使いが来ないので、いてもたってもいられません、じれったい思いで、私は梅の園へ行きましょう)
この歌の作者は不明。越中の守だった大伴家持の元へ都から田辺福麻呂(さきまろ)が訪れた折、宴で福麻呂が朗唱したという。家持はじめ都から赴任している官人たちを前に、都には皆さんからの使いを待つお方がいるでしょうね。こんな含みで座を盛り上げたのだろう。天平の宴の座が垣間見える。
見本誌を用意しながら、ふと三句の「われ行かむ」に思いが及ぶ。ハガキは、時空を越えて繋がる歌人たちの世界を「梅の園」に託し、自分もそこへ行こう、と暗に伝えているのではあるまいか。炎熱収まりやまぬ夜のポストに、見本誌を投函した。(て)
結婚してみたら、夫は完璧な下戸だった。なので40数年、二人で居酒屋に入ったことはない。外食の締めは専ら甘党の店である。
先日、久しぶりに夫婦で出掛けることがあり、〈行列のできる甘党の某店〉に立ち寄った。「子どもの頃、かき氷を食べると頭がキーーンとしたなあ」と嬉しそうにミルク金時クリームを注文した夫。なんでもご馳走してあげる!といわれた私は、一番高い黒みつきなこミルク金時クリームにしたが、目の前に置かれてびっくり。想定外の嵩高さである。食べきれそうにない…と思ったが、一口また一口とスプーンが止まらない。夫はときどき「キーーン!」と呟き一心不乱に食べている。結局、〈もうお腹が痛くなってもいい!〉と覚悟して食べきった我ら足して144歳。
大丈夫!、お腹は大丈夫でした。ふたりとも。(ひ)