『ほんのむし』

えとぶん・ReiKa

あきちゃんは、ねられないよるはホットココアをのみます。

ココアがぶくぶく、おきゃくさんがひょっこりあらわれました。

「よるのおさんぽはどうだい?」「つれてって!」

みどりのかめのおさそいで、あきちゃんもココアのなかへ…

ココアのむこうのいけのほとりに、おおきなくろいいわがあります。

おおいわは、のっそりうごいてあいさつしました。おおきなかめ!

「こんばん、このいけに“ほんのむし”がくるよ。みておいで。」

おおきなかめのせなかに、ひかりがどんどんあつまってきました。

あきちゃんは、ひかりにつられておおがめのせなかをのぼります。

ひかりは、まあるいのむしたちです。かさかさはねのおとがします。

みんな、うれしそうにはねをぱらぱらしています。ほんのむしです。

「ぼくたちをよんで!」「よむとも。じゅんばんにね」

「ぼくのはねをよんで!」あきちゃん、えほんのむしをみつけました。

あきちゃんは、まほうやぼうけんのはなしにむちゅうです。

ともだちになったほんのむしと、じかんをわすれてあそびました。

いつのまにか、すっかりねむってあきちゃん、ゆめのなか。

くろいおおがめとみどりのかめは、めくばせしておわかれしました。

いつのまにかもとどおり。まるでおはなしのなかにいたみたいです。

あきちゃん、ときどきそうぞうします。このほんもとぶのかな?

(2015年12月)