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A. 違います。そもそもお腹に空気は入りません。
吸った息は肺にしか入らないので、お腹に空気が入ることはありません。「腹式呼吸」とは横隔膜を下げて肺を下方向に広げることで、内臓が押し下げられ、お腹が膨らんで見える現象のことです。
「お腹から声を出す」というのは、横隔膜やインナーマッスルで息を安定させて、のどに負担をかけないようにするという意味で、実際に声は声帯で作られ、体全体の共鳴空間で響きをコントロールしています。
A. 腹筋はアウターマッスルです。無関係とは言えませんが、歌に直接的な効果はあまり見込めないかもしれません。
腹筋は主に「体を前に曲げる」ための筋肉で、呼吸や発声を支えるのは、横隔膜や腹横筋などのインナーマッスル。歌ではこのインナー系の筋肉の方が重要なんです。
もちろん、腹筋を鍛えることで体幹が強くなれば間接的には支えになりますが、「最後まで歌い切るスタミナ」「ブレスの深さ」「声の安定性」には、インナーマッスルを意識したトレーニングの方が圧倒的に効果あり。
たとえば:
ドローイン(呼吸のトレーニング)
プランク(姿勢をキープする筋持久系)
マウンテンクライマー(お腹周りのインナー強化+体幹の瞬発力)
こういったメニューが、歌のパフォーマンスにはおすすめです。
A. 声帯と脂肪には科学的な関係はないことが証明されています。むしろ、脂肪が多すぎると呼吸がしづらくなって、声のコントロールに悪影響を及ぼすこともあります。
昔の名歌手にふくよかな人が多かったこともあり、「太っている方が良い声が出る」と思われがちですが、それは単なるイメージの影響に過ぎません。実際には、体型よりも発声技術やトレーニングの方が圧倒的に重要です。
A. それは完全に思い込みです!
年齢を重ねると体力や声帯の粘膜の柔軟性は確かに衰えますが、正しい呼吸の支えと共鳴を身につけていれば、むしろ倍音が豊かになり響きやすくなることが多いです。
実際に声楽家やオペラ歌手は60代、70代でも現役で高い音域をしっかりと響かせて歌っています。
年齢に負けるのは「正しいテクニックを身につけていない場合」だけ。
年齢であきらめるのではなく、年齢を“武器”にした響きの深さを活かしましょう。
A. 昔は「絶対音感がある」と思い込んでいた時期もありましたが、難しい曲を譜読みするとよく迷子になるので、今はそうでもないなと思っています。
現場では調律が甘いピアノだったり、共演者が相対音感だったりと、いろいろなケースがあるので、必ずしも絶対音感が優秀とは限りません。
絶対音感には柔軟性に欠けるという最大のデメリットもあります。
特に重唱で演奏者が相対音感ばかりだと、絶対音感が逆に悪目立ちすることも少なくありません。
オーケストラと合わせる場合も、楽器自体が完全な音程を保てるわけではないので、音程のずれに悩まされることもあります。
さらに古楽器では現代よりピッチが2ヘルツほど低いことも多く、絶対音感だと合わせるのに苦労することがあります。
絶対音感はある程度鍛えて身につけることも可能ですが、相対音感の方が多少ムラはあっても演奏に必要な柔軟性を発揮できます。
なので、絶対音感は必須ではなく、むしろ相対音感の方が大事だと考えています。