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おひとりさまご案内

第二話 パルバークへの道

■経験値が欲しい!

GM「それでは第二話を始めましょう」

オーデシア「経験値が欲しいです!」

GM「前回のシナリオでは、目標達成というわけにはいかなかったので、報酬は出ませんでしたね。そもそも300ガメルの約束がゼロ」

オーデシア「お金はどうとでもなるんですけど、もらえた経験値も300点です」

GM「シナリオ一回クリアすると1000点、失敗だと500点。でもこのシナリオって、ワンエンカウントだけのショートシナリオだから、普通のシナリオボリュームと比べても短いから、それぐらいがフェアかな、と……」

オーデシア「判るけど、せめて500点ぐらいは欲しいなあ」

GM「確かにそれはモチベ―ションに関わってきますね。キャラが育たないとRPGらしくもないですからな」

オーデシア「我々は、権利を要求する~!」

GM「我々って一人じゃないですか。判りました。次のシナリオではドカンといきましょう。ドラゴン退治のパーティにくっついていって、MMORPG的なレベル上げミッションをぜひ」

オーデシア「GM、ドラゴン出したくてたまらないな、さては」


■イケメン師匠の一撃


GM「それは冗談として、前回の傷を癒し、イーヴ神殿で寝泊りしていたオーデシアに、師匠が声をかけてきます。『オーデシアさん、貴方、ちょっと蛮族退治を頼まれてくれませんか?』」

オーデシア「お、王道の依頼ですね。師匠に深々と頭を下げて、『はい、行きます』と二つ返事。ちなみに師匠とはどういう人ですか?」

GM「ええと、師匠はですね、びっくりするほどイケメンな、ナイトメアの青年です。とある戦いで仲間を失ってから、この地で奈落と戦う勇敢な者たちを育てあげることに専念しよう、として小さな神殿を設けています。6レベルプリースト、21歳、名前はヴァルインサート」

オーデシア「イケメン師匠!若い!それは新しい設定だ。師匠だいすき。師匠ぺろぺろ」

GM「なめてはいけません。ヴァルインサートは垂れた黒髪をかきあげて、あなたを見下ろします。背が高く、拒食症ぎみで痩せていますな」

オーデシア「毎朝、お味噌汁をつくって差し上げたい……」

GM「彼は冷たい視線を投げて、語ります。『オーデシア、その愛のこもった視線は、私ではなく盾神イーヴとその大儀にお向けなさい』」

オーデシア「はい、師匠!って、バレバレですな」

GM「よだれだらだらしていると解釈しました」

オーデシア「てへ。しかしそのあしらいっぷりもまたヨイ」


GM「師匠は語ります。ここから二宿ほど離れたパルバークという村の農場に、ゴブリンが出没するようになったということです。村人たちで腕に覚えがあるものもいるので、冒険者ギルドに依頼を出すのではなく対処する予定とのこと。しかし、アビスシャードが発生している可能性があるので、アドバイザーとしてイーヴの神官の力が欲しいとのことです」

オーデシア「でも、わたしは特殊神聖魔法をまだ一つも行使できないイーヴ神官なんですけど……」

GM「『ふむ、確かに』と師匠は少し考えます。プリースト技能って2レベルあって当然、ぐらいですからね。カウンターデーモンどころか、キュアウーンズも使えない神官を差し向けてくるって、あまりにもかっこがつかない」

オーデシア「ほら、経験値を出しておけとあれほど!」


GM「よろしい、ではオーデシア、旅立ちの前に、私と手合わせしなさい。私の攻撃を受けられたら、一人立ちにふさわしく育ったと認めましょう」

オーデシア「免許皆伝、とか、天位をくれる、的なあれですね。師匠、お願いいたします。きつい一撃と共に、経験値をください」

GM「ファイナルファンタジー2的なレベル上げ……では行きます。師匠の「フォース」、

ダイス目8の魔力+8で16、レジストでダメージ半減できます」

オーデシア「7+2で9。そんなんレジストできるか!(涙)」

GM「では威力10で5、魔力+8、さらにアイテムで+3で16ダメージ。立ちなさいオーデシア、今、あなたを叱咤した、この力が御神イーヴの力です」

オーデシア「よろよろ……でも大丈夫、まだ生きている!HP2だけどっ! あ、ありがとうございます、師匠! げはっ!」

GM「良く立ち上がりました、わが弟子よ、経験点200点をあげましょう」

オーデシア「ありがとうございます、師匠、あと500点ぶんお恵みください……わたしの体をぼこぼこにして、苛んで、弄んで、経験値をください~」

GM「人聞き悪いなあ。『オーデシア、立って、旅立つのです。パルバークへの旅もまた、お前を育ててくれることでしょう。着いたときには、お前は一人前の神官になっているに違いない』」

オーデシア「着くまでの冒険で、あと500点稼げってことですね。でもその前に今の500点で他のテーブルB技能をとっちゃったりして」

GM「フェンサー、レンジャー、シューター? 万能を通り越して器用貧乏になるよ」

オーデシア「ああ、欲しいなあ、経験値早く欲しいなあ~」


■危険にあこがれるお年頃


GM「さて、パルバークへの道は、まずは街道馬車で途中まで、そこから徒歩で山道を進んでいきます」

オーデシア「街道馬車、便利ですね。SW2.5の大陸って、けっこう文明が進んでいる感じしますね」

GM「野営ポイントをどこに設定するか、ですね。街道沿いのサライで泊まるなら、怪物に襲われる危険はまずないけど、女性の一人旅なので、犯罪の危険はある。山道に入ってから野宿を選択するなら、夜の山の危険は未知数」

オーデシア「両方泊まって、ゆっくり旅にしましょう」

GM「そうなの?」

オーデシア「危険イコール経験値です。人生経験たくさん積まねばっ」


GM「よろしい。ではまず街道馬車のエンカウント判定。1d6で5か6が出たら、敵と遭遇するってことで」

オーデシア「かかってこい」

GM「3です。とくに問題なく、サライに到着しました」

オーデシア「残念。むしろ誰かにケンカ売ろうかしら?」

GM「師匠との戦いで味をしめましたね? そういうのはもうやりませんから。街道馬車はが運ぶのはほとんどが荷物で、他に四人ぐらいの乗客がいましたが、冒険者ではない感じです。三人組のお役人と、故郷に帰る労働者が一人。どちらも言葉少なく、あまりオーデシアと世間話をしたい感じでもありません」

オーデシア「人情薄い!」

GM「御者は二人組で、レンジャーとシューターという感じ。これまた二人で仲良く話が盛り上がっていますが、客のことはせんさくしないぜ、かかわらないぜ、という感じです。まだ若い女性の神官戦士が一人旅をするからって、べつに珍しがったりちやほやしたりはしないよ、というオトナな態度ですな」

オーデシア「モンスターでも出てきたら、肩を並べて戦ったでしょうに、残念~」

GM「まだ判らないよ。ではサライでの野営で、遭遇がある可能性。1d6で5か6が出たら……、ごめん、また3」

オーデシア「そのサイコロ、替えませんか(苦笑)」


■そして山道を行く


GM「翌朝、君を残して街道馬車は走り去ります。はい、旅費50Gいただきます~」

オーデシア「えっ?」

GM「えっ?高かった? 食費をのせての値段なので、これぐらいとってもいいかなと」

オーデシア「いえ、ごめんなさい、判らないです。どこかに書いてあったかな……(スマホチェック)ルールブックEXにありますね、妥当でした」

GM「あ、電子書籍便利だねえ」

オーデシア「経費がかかるんだから、師匠からお金もらってくれば良かった。ちなみに帰りの旅費はもう心もとないですからね。これは行った先でがっぽり頂かないと」

GM「それは大丈夫のはず。では、オーデシアは山道をひとり、歩いてゆきます。1d6で5か6が出たら……ごめん、また3だ」

オーデシア「だからそのサイコロ替えませんか!」


GM「ちゃんとシナリオとしてのエンカウントも用意していますんで、ご安心ください。歩き始めて三時間ぐらい、峠をいくつか越えたところで……異常感知判定をしてください。目標値は7」

オーデシア「2D6+3で……13になった。成功ですね」

GM「では、木々がへし折れたり、藪がかきわけられた痕跡を見つけます。それもけっこう新しい物みたいだ。目がよかったのでサービスすると……おお、その先に、蛮族と思しき怪物の影が! 魔物知識判定をしてください。でも蛮族で、師匠から事前のレクチャーがあった、ということで難易度を+2にするよ」

オーデシア「はい! 8+3+2の13、ですね。けっこういいんじゃないですか? きっとあいつは師匠が言っていた……」


■怪物遭遇!


GM「……ボルクです。力自慢で大柄な鬼のような蛮族だ。レベル3モンスター、HPが23となかなかのタフ。弱点も判りました。物理+2ダメージ」

オーデシア「むー、仕留めたい。でも、私にはちょっと無理な感じがしますね」

GM「オーデシアさん、まだレベル1ですからな」

オーデシア「でも殺りたい(剣呑発言)。まだこっちには気づいていないですよね。不意打ちで大ダメージとかいけませんか?」

GM「不意打ちで、防御側が回避判定-2の修正とかになるらしい。でも残念ながらダメージ増加のルールはない。武器はスピアとハンドアックスだよね」

オーデシア「はい、今回は野外なんで、虎の子のアールシェピースが使えますね!」

GM「ついに出ますか。戦闘技能載せた、威力30を叩きだすAランク武器!」

オーデシア「ここで挑まねば後悔する! というか、おねがい、殺らせて、ハァハァ」

GM「落ち着いて、落ち着いて(汗)。でもセッションの目的がルール習熟なので、ちょっと一緒に確認していきましょ。たしかにこっちはまだ発見されていないけど、この環境、接近して攻撃するには発見される可能性はもちろんあるので、先制判定はしてもらうでOK?でも修正値は+2とかつける」

オーデシア「OKです。でも、ほんとに不意打ちを狙って先回りしたり、罠を設置したりとかは? 例えばロープを首に巻いて締めちゃう」

GM「んー、アイディアはいいけど、オーデシアもまだまだ駆け出しの冒険者だということをお忘れなく。プレイヤーはベテランでも、キャラクターは戦闘に慣れているわけではないよ。隠れて行動するための隠ぺい判定や、スカウト技能による罠設置判定はもちろんするよ」

オーデシア「てへ、器用度はあまり高くないんですよね。失敗したら事態を悪化させそう……では、このまま電撃的攻撃を行います!」

GM「了解です、ボルグの先制値は11です。でもオーデシアは+2修正ということにしましょう」

オーデシア「えいっ、あまり高くないけど、6+3+2で11、同じ値だと受動側の有利?」

GM「いや、同値だとPC側をとる、とQ&Aにあったはず(たぶん)。それで進めましょう」

オーデシア「では、くらえっ! 7~っ……だけど、ここは運命変転で、12の自動命中にします」

GM「まさに全力だね。ダメージ振って」

オーデシア「やった、10でクリティカって、10+7+4さらに弱点+2で23ダメージです!」


■短くも激しい闘い!


GM「防護点3で20ダメージ食らう。ボルグもびっくりしただろうね。いきなり全力で槍をぶっこんでくるとは! そのまま固定値でいくので反撃を回避してみて」

オーデシア「8+3で11です」

GM「回避された! 『ぐあああお! ニンゲンめえっ!』 次ターン、どうぞ」

オーデシア「ここで師匠みたいにフォースが使えたらなあ。攻撃、6で9!これはダメ」

GM「当たっていないね。こっちも一発ぐらいは食らわせておきたいな。回避どうぞ」

オーデシア「7で10、これはダメ?」

GM「それは残念ながらギリギリアウトだね。当たっています。ダメージ目も11で痛撃発生の19ダメージ!」

オーデシア「でかい! ハードレザーで4点マイナス。レベルも引けたらなあ。残りHP3です。効かないわっ! お師匠様の一撃はもっとキツかった!」

GM「お互い、他ゲームの感覚が残ってたりが邪魔だよね(笑)。ルールが混ざってきちゃったりする」

オーデシア「2.5、けっこうデッドリーな感じ……というか、1レベルのキャラって、単独で旅をしちゃいけない世界、ってことなのね。まあボルクぐらいは出てきて当然ですもんね」

GM「辛めのバランス設定ですみません。まあアドバイスも興をそぐけど、フィールドプロテクションとか、小さくてもダメージを軽減していったほうがいいと思う」

オーデシア「おお、確かに。1ポイントなんか変わらないやーという感じがしましたけど、低レベルってそんなもんですよね」

GM「さて、どうする?」

オーデシア「もちろん、ここはギャンブル続けるとこですよ。ほら、自力で12出た! ダメージは8+4+2の14!」

GM「文句なし。おつかれさまでした。再度貫かれたボルクは、どばっと吐血して絶命する」


オーデシア「よし! でも油断なく周囲を警戒しますよ。これで次のに襲われたらほんとにアウトだからっ」

GM「いまのところ、周囲に敵の気配はないね。倒れたボルクは、「意匠を凝らした武器」を持っていた」

オーデシア「それは回収し、素早くここから離れます……、ね、GM、ここでセッション終わりにしませんか?」


■ここで経験値ください!


GM「え? ごめん、帰る時間?(時計を見る)」

オーデシア「そうじゃないですけど、ここで即時にシナリオ終了にしてくれないと! で、早く経験点よこしてくれないと! でもってプリースト技能を上げて、自分でキュアウーンズかけないと、死んじゃうんです!(笑)」

GM「(笑) でも、パルバークに着いたら、って言ったじゃないか」

オーデシア「そこをなんとか(笑)」

GM「そういう都合のいいことはしちゃいけないと思う。なので、もうちょっと頑張って進みましょう、ほら、ドラクエなんかでも、毒を食らったときに、町まで歩数を数えるのが醍醐味で」

オーデシア「そんな醍醐味、ほんとにいらない(涙)」


GM「では、日が落ちてきて、野宿しないといけないんだけど、どうします?」

オーデシア「洞穴とか、木のうろとか、完全に立てこもれるタイプの野宿場所を探したいです。そうでなければ木によじのぼって、体をくくりつけて眠ることにする。あるいは地面に穴を掘って埋まって寝ますよ、そういうぐらい切実」

GM「少し場所を探す感じね。では、細い山道が分岐して、その先に炭焼き小屋があるのが見えます。ここらへんはもう、パルバークの村の影響範囲なんでしょう。時刻は夕方」

オーデシア「今、使っている感じはありますか? 人はいそう?」

GM「煙は上がっていないですね。無人かもしれない、という印象があります」


オーデシア「気を付けながら近づいてみます。蛮族のねぐらになってたら怖いわ、とか考えながら」

GM「戸口はしっかり閉まっていますね。そして、チェーンと鍵が取り付けられています」

オーデシア「それはむしろ安心な感じ。解除判定で開けて、また閉めておくってできますか?」

GM「できますね。すごくシンプルな鍵です。目標値は5」

オーデシア「それなら不器用なわたしでも余裕。6と、8です。ああ、じゃあついでに入口に罠をしかけておきたいです。何者か入ってきたら、金ダライとか落ちるような。あと漬物石とか金床とかも仕掛けて」

GM「では、達成値を出して。その達成値+5が罠の難易度になります」

オーデシア「スカウト技能、なんか楽しい。達成値は11、難易度は16になりますね」

GM「すごくできがいい罠ができた予感だね。炭焼き小屋の中は、ごく最近にも使われた形跡がある。清潔に整頓され、保存食も水瓶もあるし、道具の手入れも行き届いている。鍛冶道具もあって、ちょっとした武器をつくったりもしているようだね」

オーデシア「ほっとひといき~。まあ保存食は自分のを持っているので、そこには手をつけないです。蛮族も山賊も来たら嫌だから、火をつけたりもしないように息をひそめて夜を過ごしますよ。この小屋の持ち主に感謝の心で手を合わせて、場所だけお借りします」

GM「ふむふむ(サイコロを振っている)。山の夕暮れは早く、日が落ちて真っ暗になりますね。かすかに隙間から月明りが差し込んでいる」

オーデシア「部屋のすみっこで、毛布にくるまって荷物のように眠ります。6時間眠ってHPの20%回復ですよね」


■深夜の闖入者


GM「さて、草木も眠る丑三つ時……」

オーデシア「えっ、えっ? うれしくない! 朝だって言って下さいよ!」

GM「そうはいかないのです。イベント発生だよ。ちょっと聞き耳判定を振ってみて?」

オーデシア「うわああん、えーと、8です」

GM「では、ガチャガチャっという音と共に、ガッシャアーン!というでっかい音と共に金ダライやら何やらが落ちた音がする。ぐええっ!、という悲鳴が聞こえる」

オーデシア「罠が作動した! 蛮族の声ですか?」


GM「んー、どうなのかな、どうなのかな。難しい問いかけだなあ。セージ技能とか振ったほうがいいんだろうか」

オーデシア「ええ、振ってみますよ。9です」

GM「なんかGM的にすごく難しいな。えーっと、ではなにか異種族語で悪態の声が聞こえる。低い声の男性、かな。かなり怒っているようだ」

オーデシア「異種族? その姿は見えますか?」

GM「ちゃんと伝えていなかったけど、小屋の構造はこんな感じで(さらさらと図を書く)。直接的には見えない。そしてその男も明かりを持っていないようで、暗闇のなかを動いている」

オーデシア「一人ですか?」

GM「判る範囲では、一人しかいないようだ」


オーデシア「むむむ……推測しますよ。異種族で、暗闇のなかと言えば、エルフかドワーフ。低い男の声、ということでやはりドワーフですかね。そして、夜にここに入ってくる、ということは、この小屋の関係者ですな」

GM「いい感じの推理だね」

オーデシア「ということは、基本的にはパルバーク村の関係者で、善良な存在。しかし、こっちは留守宅にもぐりこんだ侵入者で、なおかつ、罠でぼこぼこにしたところ……」

GM「金タライだけじゃなく、漬物石とか、金床とか落としてたね」


■人生が二択なら、常に困難を選べ


オーデシア「よし、逃げよう」

GM「えっ?」

オーデシア「あたりまえじゃないですか。私は仮にもこの村を救いに来た神官なんですよ。それも若く清らかな、かよわき乙女です。盾神さまの使いとして、奈落の穢れから、人々の心を救いに来た英雄なんです。こんなところで善良なドワーフの頭に漬物石を落とすようなことをするはずがありません!」

GM「よく判らない理屈で言い切った! 二つ名が『下水の女の子』だったような気もするけれども」

オーデシア「おだまりなさい。というわけで、即座にこっちの戸口から(図を示す)外に逃げます」


GM「ちなみにここは人里離れた、蛮族も徘徊する山で、いまは深夜ですけれどね」

オーデシア「月明りがあれば充分。それにほら、GM、あのフィールド遭遇がぜったい出ないダイスを出して振ってください」

GM「人のダイスを、わけのわからない呪いのアイテムのように言わないでくれ。じゃあ1d6で4が出たら動物との遭遇、5が出たら蛮族との遭遇、6が出たらNPCとの遭遇、ということで」

オーデシア「いいですよ、さあどうぞ!」

GM「3……えーっと」


■パルバーク到着!


GM「まあ、気を取り直して。朝のさわやかな風が、山間の霧を払ってゆく。君は尾根から見渡し、広い谷間を発見した。美しい緑の牧草地と、山の中とは思えない精巧な石作りの家が何軒か見える。ここがパルバークだ」

オーデシア「やった! たどり着いた! これでついに!」

GM「はい、判っていますよ、経験点だね。では経験点500点をあげましょう! 前半のと足して1000点です。さらに怪物を倒して30点のボーナスもプレゼント!」

オーデシア「やった! これでプリーストを2レベルにします。キュア・ウーンズをかけられる!」

GM「おめでとうございます」

オーデシア「さっきの小屋に戻って、あのドワーフさんにかけてあげたいかも(笑)」

GM「ざっくり10ダメージぐらいは食らっている感じだからね(笑)。さて、これは途中の話、ということで微妙なシナリオでしたが、第二話終了です」

オーデシア「はい、おつかれさまでした!」


(第二話 完)