地中レーダーで根を視るためには地表を掃除しよう

2020年までのレーダチームの研究結果は、本HPの別ページ 水利科学2020 374号「地中レーダがもつ樹木の根系可視力を減災に生かす試み」にまとめてあります。

「さあ 地中レーダで根を探査しよう!」と森へ入ったとき、現場監督が最初にもつ疑問は、落ち葉や草は除去したほうがいい?という点かと思います。そこで私たちは、実験的に厚みの違う落葉層をつくって、その上に地中レーダを走らせて根を探査してみました。

その結果、落葉層が厚くなると、根の反射波の形は変わらないのですが、反射波がどんどん薄くなることが分かりました(図)。

地面の下に、根があるかないかを知りたいだけでしたら、根の反射波が見えているうちは落葉層はあってもよいかもしれませんが、信号の大きさを使って根の大きさ(直径)を推定する場合は、落葉層はないほうが良い場合もあり、あったとしても均質な厚みであることが望ましい、かな・・とおもいます。

地中レーダはポータブルのため、1日に何キロメートルも探査することができる、といわれています。でも測線の上は、ちょっとだけがんばって、掃除したほうが良いかもしれません。

引用・参考文献

Tanikawa, T., Ikeno, H., Dannoura, M., Yamase, K., Aono, K., & Hirano, Y. (2016). Leaf litter thickness, but not plant species, can affect root detection by ground penetrating radar. Plant and Soil, 408(1-2), 271-283.