モンテカルロ法とは数値計算テクニックの1つで,乱数を使った数値実験によって,確率過程を含む数値モデルとして定義された問題の解を推定するアプローチのこと.抽象的なので,1例を紹介しよう.
《モンテカルロ法によってπの近似値を得る方法》
まず,左の図のように,一辺の長さが1の正方形に内接する四分円の面積は理論的にはπ/4である.つぎに乱数を用いて四分円の面積を推定する方法を考える.まず,乱数を発生させて,正方形の中にランダムに点をプロットし,プロット数 n を十分に大きくとる.n 個の点のうち四分円の内側にある点の数mをカウントする.以上より,四分円の面積は S=(正方形の面積1) × (m/n)と推定できる.つまり,π/4 = m/n .よって、円周率は π = 4m/n と推定できる.