含フッ素有機材料の開発(吾郷)
含フッ素有機材料の開発(吾郷)
フッ素は電気陰性度が最も大きな元素であり、有機化合物にフッ素を導入すると、フッ素を持たない物質とは全く異なった性質や反応性が発現します。有機フッ素化合物の熱的・化学的安定性、撥水撥油性、非粘着性、低誘電特性や光透過性といった性質から、家庭から産業界と幅広い領域で含フッ素高分子などの有機フッ素化合物が重用されています。一方で、フッ素の資源問題やフッ素化合物の環境影響から革新的なフッ素材料の創製が求められています。
我々は環境調和性と機能を併せ持つ含フッ素高分子やフッ素化有機材料のの開発と性質解明を目指しています。環状ペルフルオロアルキレン構造を持つフルオロポリマーは、通常の直鎖型ペルフルオロアルキレン型樹脂と大きく異なる分子間相互作用に起因して撥水撥油性・耐熱性が向上しました。その他、フロン類を原料とした耐熱・高透明性芳香族樹脂や強発光性共役高分子の開発、電子受容性芳香族分子等のフッ素化機能性化合物を報告しました。