白金を鋳型としたポルフィリノイド合成

白金を鋳型とすることで進行する脱水芳香族化反応を用いたABCD-ポルフィリンの合成

ポルフィリンは、一般的に Rothemund らによって開発された、ピロールとアルデヒド誘導体との酸による縮合と酸化的芳香族化反応により合成されます。本合成法が報告されて以降、ポルフィリン誘導体は数多くの機能性材料において中心的な役割を担ってきました。我々は、白金を鋳型とすることで進行する、“錯形成・環化・脱水芳香族化を含むカスケード反応を用いた ABCD-ポルフィリンの新規合成法を開発しました[1]。本手法では、対応するジピリナト白金錯体とビスホルミルジピリンを塩基性・窒素条件下で還流することで、良好な収率で ABCD-ポルフィリン白金錯体を与えます。今後本合成法を用いた機能分子を報告予定です。

[1] Chem. Eur. J. 2023, 29, e202301717.