どのぐらい原子力エネルギーが大きいのかというと、原子炉の燃料がある炉心と呼ばれるエネルギーを発生しているところの大きさは、かなり小さいのです。
下の図はおよその大きさを表していますが、沸騰水型(BWR)、加圧水型(PWR)の原子炉で大型のものでも軽自動車が2台が入るぐらいの大きさしかありません。つまり、原子力発電所の大部分は原子炉の制御・安全設備や管理する周辺設備によって占められているのです。
高速増殖炉もんじゅは、小さいテーブルサイズしかありません。この小さいテーブルサイズから得られる電気出力が、国内最大の太陽光発電所であるユーラス六ヶ所ソーラーパーク(直流148MW、広さは東京ドーム50個分)よりも大きいことを考えると、とてつもなく大きなエネルギーが小さな体積から得られることが分かると思います。
なお、実際に原子炉から発生している熱エネルギーは、電気出力のおよそ3倍になりますので、それを考慮するとこの熱エネルギーはとてつもなく大きいですね。
火力発電では燃料と空気の供給量の調整で反応の制御を行っていると思いますが、商業化されているほとんどの原子力発電はPWRとBWRであり、運転中に、火力のように燃焼の元となる原料の調整で反応の調整はできません。その代わりに、中性子の量を調整することで反応の制御をしています。
原子力の出力一定運転というのは、材料や燃料に吸収されたり、原子炉の外へ逃げたりしてなくなる中性子の数と、核分裂で発生する中性子の数がほぼ同じという、中性子の数が変わらない絶妙なバランスの上で成り立っています。この状態を安定的に保持するために、中性子を吸収する制御棒の挿入量(BWR,PWR)、ホウ素の量(PWR)、温度(BWR,PWR)、炉心を流れる水の流量や水と蒸気の割合(BWR)などを調整して運転しているようです。
また、BWRやPWRは原子炉に燃料を入れて蓋をするので、運転中は燃料の調整や移動はできません。このため、運転中に燃料が安全に安定して燃えていることを監視しつつ、問題が起こった場合には出力の調整や運転の停止をする必要があります。例えば、局所的に出力が極端に大きくなって燃料が壊れるようなことがあってはいけませんので、そのようなことにならないよう、監視しているようです。
後述の「原発の仕組み」と「安全性」も参考にしてください。
原子力発電所で使われている燃料は、原子爆弾に必要な燃えるウラン(U235)の濃縮度が低く、直接的に軍事利用されることはないと言われています。しかしながら、原子力発電所にかかわる技術は軍事利用につながるものが多く、だからこそ、IAEAの存在があるのです。また、アメリカがイランや北朝鮮の原子力発電所に目を光らせているのもこの理由だと思います。
例えば、
などが考えられます。
このため、こういった技術は明確に輸出入規制されています。以前にも、日本のある企業が、国の許可なく精度の良く作られたアルミニウム管を北朝鮮に輸出して罰せられたことがあったと思います。精度良く作られたアルミニウム管が規制されるのは遠心分離機の方式のウラン濃縮に使われるリスクが高いからだそうです。
→ 新潟県中越沖地震、東日本大震災が起こったのですが・・・
→ 安全・廃棄物対策に莫大な費用がかかるのではないのでしょうか・・・
→ 放射性物質・廃棄物の放出に本当に問題はないのでしょうか・・・
以下のように分類・整理して、今一度見直すことにしました。
おけたは核不拡散についても言っていたので、それについても考えてみることにしました。
また、それ以外にも、原子力の歴史と技術についても良く理解しておきたかったので以下の議論に入る前にまとめました。