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形容詞語幹に接尾辞-mîをつけると,以下の意味を表すことができる。形容詞型の助動詞につくのは稀だという[1]。
ömöp-, se/s(爲)の示す感情の[2]内容を表す連用修飾語を作る。
※古事記(712)中・歌謡「道の後(しり) 古波陀をとめは 争はず 寝しくをしぞも うるはし美(ミ)思ふ」 ※万葉(8C後)一七・四〇〇九「玉鉾の道の神たち賂(まひ)はせむ吾が思ふ君をなつかし美(ミ)せよ」(精選版日本国語大辞典)形容詞語幹について,多く「甲=wo形容詞-mî」で,甲が形容詞なので,甲が形容詞だから,の意を表す。ヲは省略可能である。
※万葉(8C後)一・五一「○女の袖吹きかへす明日香風京を遠見(とほみ)いたづらに吹く」(精選版日本国語大辞典)否定辞n-の連用形であるniが動詞に接続すると,~でないので,~ないで,の意を表す。この場合の対格はwoになり,動詞に接し得るが,省略も可である。[3]
niが接続する動詞のうち,上代に仮名書用例のあるものは以下の通りである。[3]