英Quadrigrade。上代の時点での理論上の甲乙を示す。子音に-をつけることで,語幹として表記されることがある。
未然形 -a
連用形 -î
終止形 -u
連体形 -u ※通説では日琉祖語*oに由来するとされる。(著重再構では異なる)
已然形 -ë
命令形 -ê (※kös-は-ö)
中古には上一段動詞になっていても,上代では上二段動詞の場合が多い。連用形に-をつけることで,語幹として表記されることがある。
英Upper Bigrade。上代の時点での理論上の甲乙を示す。
未然形 -ï
連用形 -ï
終止形 -u
連体形 -uru
已然形 -ure
命令形 -ï, -ïjö
英Lower Bigrade。上代の時点での理論上の甲乙を示す。
未然形 -ë
連用形 -ë
終止形 -u
連体形 -uru
已然形 -ure
命令形 -ë, -ëjö
英Middle Bigradeの直訳。下二段・上一段動詞の内,*əiと語幹が再建されるものについてこう呼ばれることがある。いずれにせよ日琉祖語や琉球祖語の話であり,上代語にはそれほどに関係しない。
ただし,「恐る」のように,動詞によってはqmjでの反映形が異なる(下二段としてqmjで反映)。七母音再構では,「恐る」に*əiを再建し*ɨiと区別するのかもしれないが,そもそもqmjとqmtで反映形が異なるだけな気もする。注意:七母音再構に此の筆者は詳しくない。
※日琉祖語七母音説も参照
上代に下一段動詞は無く,kuwe-などの下二段動詞が「蹴る」意を表す。二段動詞と同様に,連用形のあとに-をつけることで語幹を示すことがある。
英Monograde。上代の時点での理論上の甲乙を示す。但し,mï「廻る」は上代の時点での唯一の例外語であり,乙類である。
未然形 -î
連用形 -î
終止形 -îru
連体形 -îru
已然形 -îre
命令形 -î, -îjö