明治非線型数理

セミナー

2011年度までRDSセミナーとして開催してきたセミナーを,2012年度は明治非線型数理セミナー(キックオフイヤー)として開催しました.2013年4月に総合数理学部現象数理学科が開設され,ここに,新たな気持ちで明治非線型数理セミナーをスタートしていきます.理工学部数学科と2学科協働で新たな非線型数理のあり方を模索しながら情報発信していく所存です.場所は,中野キャンパスと生田キャンパスの両方を使用予定です.

2022.7.14(木) 15:30~16:30


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11回明治非線型数理セミナー


講演者:Quentin GRIETTE (ボルドー大学)


講演題目:Sharp discontinuous traveling waves in a hyperbolic Keller-Segel equation.


概要:This talk concerns a hyperbolic model of cell-cell repulsion with a dynamics in the population of cells. More precisely, we consider a population of cells producing a field (the ''pressure'') which induces a motion of the cells following the opposite of the gradient. The field indicates the local density of population and we assume that cells try to avoid crowded areas and prefer locally empty spaces which are far away from the carrying capacity. We analyze the well-posedness property of the associated Cauchy problem on the real line. We start from bounded initial conditions and we consider some invariant properties of the initial conditions such as the continuity, smoothness and monotony. We also describe in detail the behavior of the level sets near the propagating boundary of the solution and we find that an asymptotic jump is formed on the solution for a natural class of initial conditions. Finally, we prove the existence of sharp traveling waves for this model, which are particular solutions traveling at a constant speed, and argue that sharp traveling waves are necessarily discontinuous. This analysis is confirmed by numerical simulations of the PDE problem.



2022.7.4() 15:20 〜17:00


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10回明治非線型数理セミナー(総合数理学部講演会との合同開催)


講演者:柳田 英二 (明治大学・東京大学)


講演題目:熱方程式における動的特異性について


概要:この講演の目的は, 動的かつ特異な外力項あるいはポテンシャル項を伴う線形熱方程式に対し,その解の性質について論じることである.より具体的には, 特異点の位置が非整数ブラウン運動のように振る舞う場合について, 解の存在, 特異点近傍での解の形状, 有界性, 正値性などについて調べる.熱核による解の表現公式とファインマン・カッツの公式を用いた解析により,解の性質がハースト指数の値に本質的に依存し,いくつかの臨界指数が現れることを示す.



2022年度のセミナーは,

  • 科研費基盤研究(B) 「非線形放物型方程式の解のダイナミクスと波面の伝播現象」(21H00995 研究代表者:俣野 博)

  • 科研費基盤研究(B) 「反応拡散系とその特異極限系に現れるパターンダイナミクスの数理解析」(20H01816 研究代表者:二宮広和)

  • 科研費基盤研究(C) 「分岐構造解析に基づく生理・化学反応モデルの制御」(20K03739 研究代表者:小川知之)

  • 科研費基盤研究(B) 「燃焼前線および火災旋風の動く曲線を用いた追跡法の確立」(19H01807 研究代表者:矢崎成俊)

の補助を受けています.


組織委員

名和範人,坂元孝志矢崎成俊 (明治大学理工学部数学科)

Elliott Ginder,二宮広和,小川知之 (明治大学総合数理学部現象数理学科)

俣野博 (明治大学先端数理科学インスティテュート)

塚本悠暉・森龍之介 (明治大学 研究・知財戦略機構)

2022.4.18() 15:30 〜16:30


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9回明治非線型数理セミナー


講演者:西出 亮介(東京大学)


講演題目:曲率により駆動される伝播パターン


概要:パターンダイナミクスは,それが実現する空間形状の影響を受ける.特に生物系では曲面が豊富に現れ,その上で起こる運動や生体機能がパターンとして観察されることも多く,曲面上でのパターンダイナミクスの理解は重要である.Turingパターンの場合,過去の研究では,曲面上でも静止したパターンであることが想定されていた.これに対し,我々はTuringパターンを曲面上で数値シミュレーションすることで,平面上で静止したパターンが曲面上では伝播することを発見した.これは曲率によって駆動される伝播現象と捉えられる.本発表では,理論的な理解を進めるために,特に軸対称曲面に対して行った曲面とパターンの対称性に基づいた伝播現象の解析と,弱非線形解析を通した曲面上のパターンダイナミクスの理解について紹介する.

2022.3.25() 13:30 〜17:00


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2021年度第8回明治非線型数理セミナー


プログラム

13:30-14:10 市田 優(明治大学大学院理工学研究科数学専攻 博士後期課程1年)

      微分方程式の無限遠ダイナミクスとその応用

14:20-15:00 伊藤 隼(明治大学大学院先端数理科学研究科 博士後期課程2年)

      複素Ginzburg-Landau方程式における時空間カオスの制御

15:15-15:55 下地 優作(明治大学大学院理工学研究科数学専攻 博士後期課程2年)

      基本解近似解法と移動境界問題に対するその応用

16:05-16:45 藤原 瑠(明治大学大学院先端数理科学研究科 博士後期課程1年)

      非局所反応拡散方程式の不連続定常解


概要

13:30-14:10

講演者:市田 優(明治大学大学院理工学研究科数学専攻 博士後期課程1年)

講演タイトル:微分方程式の無限遠ダイナミクスとその応用

概要:

本講演では,前半にてポアンカレ型コンパクト化に関する簡単な紹介をしつつ,それを用いた常微分方程式系の無限遠ダイナミクスに関する取り扱いについて述べる.そして,後半にて応用例として最近の講演者の取り組みを紹介したい.特に,多くのモデルを由来とする空間1次元退化放物型方程式におけるすべての非負の進行波解を分類し,それぞれの解の存在,形状に関する情報や漸近挙動について得られた結果を報告する.この問題は,我々の過去の先行研究(2020年本セミナー秋の学校でも発表)において解析手法の都合から方程式に含まれるあるパラメータに課した仮定を外すために導入する変換が鍵となる.本講演では,その詳細と我々の先行研究での結果の一般化に相当する主結果について報告したい.本講演の内容は坂元孝志氏(明治大学),松江要氏(九州大学)との共同研究の成果を含む.



14:20-15:00

講演者:伊藤 隼(明治大学大学院先端数理科学研究科 博士後期課程2年)

講演題目: 複素Ginzburg-Landau方程式における時空間カオスの制御

概要:

複素Ginzburg-Landau方程式には大別して2種類の挙動が有り,ひとつは時空間カオス,もうひとつはリミットサイクル上の空間一様周期解である.時空間カオスは相空間内においてリミットサイクルの内側に留まる状態で存在している.ここに外乱を加えることにより,リミットサイクルの外側へと移された時空間カオスが急速にリミットサイクル上の空間一様周期解へと漸近するという結果が数値的に得られた.本研究では,リミットサイクル外側の十分遠方に置かれた初期条件から解がリミットサイクル上の空間一様周期解に収束することを証明することにより,時空間カオスに強い外乱を加えてリミットサイクルの外側に飛ばすとリミットサイクル上の空間一様周期解に収束することに異論的な裏付けを与える.



15:15-15:55

講演者:下地 優作(明治大学大学院理工学研究科数学専攻 博士後期課程2年)

講演題目:基本解近似解法と移動境界問題に対するその応用

概要:

基本解近似解法は主にポテンシャル問題(ラプラス方程式の境界値問題)に対して用いられるメッシュフリーの数値解法である.

その解法のアイディアは,ある問題に対して求めたい近似解を基本解の線形結合で表すという至ってシンプルなものであるが,実装の際の設定を適切に行うことができれば,その近似解の収束誤差は指数的に減衰するなど,いくつかのメリットをもつことが知られている.

本講演では基本解近似解法の概要について紹介し,さらにそれを移動境界問題へ応用した例をいくつか紹介する.



16:05-16:45

講演者:藤原 瑠(明治大学大学院先端数理科学研究科 博士後期課程1年)

講演題目: 非局所反応拡散方程式の不連続定常解

概要:

非局所反応拡散方程式とは,ランダムなネットワークに対してノード数を無限とする連続極限として導出される積分微分方程式である.現実に見られる種々のネットワークはしばしば巨大なノード数を有し,その上での反応拡散方程式の次元も巨大となるため解析が困難となる.非局所反応拡散方程式についての解析は,ランダムなネットワークにおける様々な現象を理解する足がかりとなる.本講演では,Allen-Cahn型や被食者・捕食者型などの反応項を考えた際,空間不連続な定常解が表れることを紹介する.また,有限ノードを持つランダムネットワーク上の反応拡散方程式の定常解との関連性についても言及する.


2021.9.28(火) 16:00 〜17:00


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2021年度第7回明治非線型数理セミナー


講演者:阿部 健(大阪市立大学)


講演題目:非定数係数を持つベルトラミ場の剛性


概要:非圧縮理想流, プラズマ平衡で現れるベルトラミ場 curl u= f u, div u=0 について比例係数 f が非定数となる場合の解の存在と非存在について説明します.

2021.1.26(火) 15:30〜16:30


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2020年度第6回明治非線型数理セミナー


講演者:岩崎 悟 (大阪大学)


講演題目:メトリックグラフ上の反応拡散方程式の順問題と逆問題


概要:本講演ではメトリックグラフ上の反応拡散方程式に関するいくつかの話題を紹介する.メトリックグラフとは辺と頂点の集合であるグラフにおいて辺の長さの概念も導入したグラフのことであり,メトリックグラフ上の偏微分方程式とは各辺上での空間一次元の偏微分方程式と各頂点上での接合条件を連立した問題のことである.

 講演の前半では順問題の一例を紹介する.Allen-Cahn方程式やFitzHugh-Nagumo方程式などの反応拡散方程式をメトリックグラフ上で考え,その問題に現れる特徴的な時空間パターン解について紹介する.具体的には数値シミュレーションによって得られたメトリックグラフ上の進行波解などを紹介する.

 講演の後半では逆問題の一例を紹介する.メトリックグラフ上の偏微分方程式を状態方程式とする状態空間モデルを考えて,得られた観測時系列データからモデル方程式内のパラメータと初期値を推定する問題を扱い,特異値分解を用いて解析した結果を紹介する.特に離散グラフの解析結果を組み合わせることによりメトリックグラフの逆問題に対して重要な知見が得られることを紹介する.

2020.10.28(水) 14:30〜15:30

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2020年度第5回明治非線型数理セミナー

講演者:李 聖林 (広島大学)

講演題目:空き家の数理モデルと地域別最適政策

概要:人口減少と高齢化社会を迎える日本では空き家が2033年に全国で30%に到達すると予測され、空き家問題は町の治安や景観だけではなく自治体の財政を圧迫するとも言われる深刻な社会問題の一つになっている。本研究では、日本の空き家現象を捉えた数理モデルを紹介し、空き家を減らすための最適な行政政策を提案する。また、地域の人口分布や地域性を実際データを用いて数理モデルに反映し、自治体の財政を考慮した政策及び街づくりの空間的政策も考察する。本講演を通じて、社会につながる様々な問題を数学の力で解決できる数学の新たな可能性を感じてもらえると嬉しい。

2020.9.1 (火) 15:30〜16:30, 16:45〜17:45

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2020年度第4回明治非線型数理セミナー

講演者: 関坂 歩幹(明治大学)

講演題目:Evans関数の入門と応用

概要:Evans関数は,Evansが神経方程式系の進行パルス解の安定性を論じるために,線形化作用素の固有値問題に対して構成した複素平面上の解析関数である.Evans関数の性質として,複素平面のある有界閉領域の零点の個数が,作用素の固有値と重複度を込めて一致するというものがあり,現在では固有値問題を調べるための手法の1つとして確立している.

近年,Evans関数はKdV方程式などのHamilton系や,一般化スペクトルへの拡張などが行われている.本講演では,Evans関数によるEvans関数の問題設定からはじめて,種々の問題に応じて拡張された様々なEvans関数の応用について説明する.また,時間があれば,位相幾何学的枠組みで定式化されるEvans関数と,その位相的性質を抽出する方法についても述べる.

2020.8.4 (火) 15:30〜16:30

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2020年度第3回明治非線型数理セミナー

講演者: Miroslav Kolar(明治大学/チェコ工科大学プラハ校)

講演題目:On moving parametric curves and their application in image segmentation (part 1)

概要:In this talk, the general mathematical model of moving planar curves driven by curvature and external forces is discussed. Curves are described directly by parametric approach and the governing curvature driven flow is coupled with appropriate tangential velocity functional ensuring the correct distribution of discretization points in numerical solution. In this talk, we discuss the application of moving parametrized curves in digital image segmentation problem. We formulate several different methods for image segmentation based on the curvature driven flow. Then we discuss a qualitative comparison of these methods on simplified testing scenarios, where the contours of segmented objects in grayscale images can be described by single nonselfintersecting curves.

この講演には【part 2】があります.Part 2は京都大学応用数学セミナーにて発表されます.
オンラインだから可能な「大学間セミナーリレー」の試みです.

Part 2の講演題目:On discrete dislocation dynamics modeling by means of mathematical theory of moving curves

京都大学応用数学セミナーURL:https://www.math.kyoto-u.ac.jp/applied-math/kuams/index.html

2020.7.28 (火) 15:30〜16:30

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2020年度第2回明治非線型数理セミナー

講演者: 園田 翔(理化学研究所)

講演題目:連続ニューラルネットのリッジレット変換による解析

概要:ニューラルネットは,そのパラメータが非線形関数(活性化関数)の中にあるために,理論的にも応用的にも取り扱いが難しい。少し視点を変えて,活性化関数を関数空間の元とみなすことで,隠れ1層のニューラルネットは線形モデルとみなせるようになる。この視点では,パラメータの数が異なるニューラルネットや,連続無限個のパラメータを持つニューラルネットも同じ空間の中で統一的に記述することができ,理論的な見通しが良い。本講演では,連続ニューラルネットが定める線形作用素の双対作用素としてリッジレット変換が自然に現れることを示し,リッジレット変換自体の性質を説明したあと,深層学習で得られる「解」との関係について分かってきたことを紹介する。

2020.6.16 (火) 15:30〜16:15, 16:30〜17:15

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https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSd_oVL_dr5YANmoyOw01HSAFv8gP_zwAvfxTCPYZOFPe-6GdQ/viewform

2020年度第1回明治非線型数理セミナー

講演者: 相木雅次(東京理科大学)

講演題目:On the Interaction of a Pair of Coaxial Circular Vortex Filament

概要:

本講演では,非圧縮非粘性流体内を運動する同軸上に並んだ2つの渦輪について考察する.特に,2つの渦輪が交互に互いの中を通って繰り返し追い越しあう「Leapfrogging」と呼ばれる現象に焦点をあてる.

Helmholtz による1858年の研究から始まり,2つの渦輪の相互作用に関する研究は今日まで様々なアプローチによって行われてきた.現在,同軸上に並んだ渦輪の運動を記述するモデル方程式として盛んに研究されているのが1893年に Dyson によって提唱された渦輪の半径 R と軸に沿った位置 z に対する常微分方程式系(以後 Dyson モデルと呼ぶ)である.Dyson モデルに対しては,leapfrogging を含む様々な運動パターンに対応する解の存在が Borisov, Kilin, and Mamaevによって示されている.Dyson モデルはその導出の過程で渦輪の形が円であることを仮定している.そのため,leapfrogging 現象の安定性の議論などをする際には対称性のある摂動(円形を変えない摂動)しか扱えないなど,leapfrogging 現象の数学解析においては限定的であるという側面を持つ.

そこで本講演では,渦輪を含むより一般的な形をした渦糸の運動を記述するモデル方程式として講演者が導出した偏微分方程式系(以後,新モデルと呼ぶ)を紹介する.渦糸とは,流体の渦度が空間曲線上に集中して分布したもので,その運動は曲線の運動として記述される.特に渦輪の運動は空間内の円の運動として表すことができる.新モデルは,円以外の一般的な形の渦糸も扱えるので,leapfrogging 現象の非対称な摂動下での安定性など,Dyson モデルでは扱えないような問題も扱える.

今回は最初の一歩として,新モデルに対する初期値問題の解で leapfrogging に対応するものの存在,および解が leapfrogging に対応するための初期値やパラメータに対する必要十分条件について得られた結果を紹介する.時間が許せば,新モデルの解で leapfrogging 以外の特徴的な挙動を示すものについても紹介したい.


このセミナーは,

  • 科研費基盤研究(A) 「非線形偏微分方程式の定性的理論と特異性の研究」(16H02151 研究代表者:俣野 博)

  • 科研費基盤研究(B) 「反応拡散系とその特異極限系に現れるパターンダイナミクスの数理解析」(20H01816 研究代表者:二宮広和)

  • 科研費基盤研究(C) 「分岐構造解析に基づく生理・化学反応モデルの制御」(1620K03739究代表者:小川知之)

  • 科研費基盤研究(B) 「燃焼前線および火災旋風の動く曲線を用いた追跡法の確立」(19H01807 研究代表者:矢崎成俊)