明治非線型数理

セミナー

2011年度までRDSセミナーとして開催してきたセミナーを,2012年度は明治非線型数理セミナー(キックオフイヤー)として開催しました.2013年4月に総合数理学部現象数理学科が開設され,ここに,新たな気持ちで明治非線型数理セミナーをスタートしていきます.理工学部数学科と2学科協働で新たな非線型数理のあり方を模索しながら情報発信していく所存です.場所は,中野キャンパスと生田キャンパスの両方を使用予定です.

2021.1.26(火) 15:30〜16:30


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https://forms.gle/De5B8owqTfKzjqh29


2020年度第6回明治非線型数理セミナー


講演者:岩崎 悟 (大阪大学)


講演題目:メトリックグラフ上の反応拡散方程式の順問題と逆問題


概要:本講演ではメトリックグラフ上の反応拡散方程式に関するいくつかの話題を紹介する.メトリックグラフとは辺と頂点の集合であるグラフにおいて辺の長さの概念も導入したグラフのことであり,メトリックグラフ上の偏微分方程式とは各辺上での空間一次元の偏微分方程式と各頂点上での接合条件を連立した問題のことである.

 講演の前半では順問題の一例を紹介する.Allen-Cahn方程式やFitzHugh-Nagumo方程式などの反応拡散方程式をメトリックグラフ上で考え,その問題に現れる特徴的な時空間パターン解について紹介する.具体的には数値シミュレーションによって得られたメトリックグラフ上の進行波解などを紹介する.

 講演の後半では逆問題の一例を紹介する.メトリックグラフ上の偏微分方程式を状態方程式とする状態空間モデルを考えて,得られた観測時系列データからモデル方程式内のパラメータと初期値を推定する問題を扱い,特異値分解を用いて解析した結果を紹介する.特に離散グラフの解析結果を組み合わせることによりメトリックグラフの逆問題に対して重要な知見が得られることを紹介する.

2020.10.28(水) 14:30〜15:30

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2020年度第5回明治非線型数理セミナー

講演者:李 聖林 (広島大学)

講演題目:空き家の数理モデルと地域別最適政策

概要:人口減少と高齢化社会を迎える日本では空き家が2033年に全国で30%に到達すると予測され、空き家問題は町の治安や景観だけではなく自治体の財政を圧迫するとも言われる深刻な社会問題の一つになっている。本研究では、日本の空き家現象を捉えた数理モデルを紹介し、空き家を減らすための最適な行政政策を提案する。また、地域の人口分布や地域性を実際データを用いて数理モデルに反映し、自治体の財政を考慮した政策及び街づくりの空間的政策も考察する。本講演を通じて、社会につながる様々な問題を数学の力で解決できる数学の新たな可能性を感じてもらえると嬉しい。

2020.9.1 (火) 15:30〜16:30, 16:45〜17:45

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forms.gle/WUq3ud7VfM6FqQuR8

2020年度第4回明治非線型数理セミナー

講演者: 関坂 歩幹(明治大学)

講演題目:Evans関数の入門と応用

概要:Evans関数は,Evansが神経方程式系の進行パルス解の安定性を論じるために,線形化作用素の固有値問題に対して構成した複素平面上の解析関数である.Evans関数の性質として,複素平面のある有界閉領域の零点の個数が,作用素の固有値と重複度を込めて一致するというものがあり,現在では固有値問題を調べるための手法の1つとして確立している.

近年,Evans関数はKdV方程式などのHamilton系や,一般化スペクトルへの拡張などが行われている.本講演では,Evans関数によるEvans関数の問題設定からはじめて,種々の問題に応じて拡張された様々なEvans関数の応用について説明する.また,時間があれば,位相幾何学的枠組みで定式化されるEvans関数と,その位相的性質を抽出する方法についても述べる.

2020.8.4 (火) 15:30〜16:30

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2020年度第3回明治非線型数理セミナー

講演者: Miroslav Kolar(明治大学/チェコ工科大学プラハ校)

講演題目:On moving parametric curves and their application in image segmentation (part 1)

概要:In this talk, the general mathematical model of moving planar curves driven by curvature and external forces is discussed. Curves are described directly by parametric approach and the governing curvature driven flow is coupled with appropriate tangential velocity functional ensuring the correct distribution of discretization points in numerical solution. In this talk, we discuss the application of moving parametrized curves in digital image segmentation problem. We formulate several different methods for image segmentation based on the curvature driven flow. Then we discuss a qualitative comparison of these methods on simplified testing scenarios, where the contours of segmented objects in grayscale images can be described by single nonselfintersecting curves.

この講演には【part 2】があります.Part 2は京都大学応用数学セミナーにて発表されます.
オンラインだから可能な「大学間セミナーリレー」の試みです.

Part 2の講演題目:On discrete dislocation dynamics modeling by means of mathematical theory of moving curves

京都大学応用数学セミナーURL:https://www.math.kyoto-u.ac.jp/applied-math/kuams/index.html

2020.7.28 (火) 15:30〜16:30

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2020年度第2回明治非線型数理セミナー

講演者: 園田 翔(理化学研究所)

講演題目:連続ニューラルネットのリッジレット変換による解析

概要:ニューラルネットは,そのパラメータが非線形関数(活性化関数)の中にあるために,理論的にも応用的にも取り扱いが難しい。少し視点を変えて,活性化関数を関数空間の元とみなすことで,隠れ1層のニューラルネットは線形モデルとみなせるようになる。この視点では,パラメータの数が異なるニューラルネットや,連続無限個のパラメータを持つニューラルネットも同じ空間の中で統一的に記述することができ,理論的な見通しが良い。本講演では,連続ニューラルネットが定める線形作用素の双対作用素としてリッジレット変換が自然に現れることを示し,リッジレット変換自体の性質を説明したあと,深層学習で得られる「解」との関係について分かってきたことを紹介する。

2020.6.16 (火) 15:30〜16:15, 16:30〜17:15

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https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSd_oVL_dr5YANmoyOw01HSAFv8gP_zwAvfxTCPYZOFPe-6GdQ/viewform

2020年度第1回明治非線型数理セミナー

講演者: 相木雅次(東京理科大学)

講演題目:On the Interaction of a Pair of Coaxial Circular Vortex Filament

概要:

本講演では,非圧縮非粘性流体内を運動する同軸上に並んだ2つの渦輪について考察する.特に,2つの渦輪が交互に互いの中を通って繰り返し追い越しあう「Leapfrogging」と呼ばれる現象に焦点をあてる.

Helmholtz による1858年の研究から始まり,2つの渦輪の相互作用に関する研究は今日まで様々なアプローチによって行われてきた.現在,同軸上に並んだ渦輪の運動を記述するモデル方程式として盛んに研究されているのが1893年に Dyson によって提唱された渦輪の半径 R と軸に沿った位置 z に対する常微分方程式系(以後 Dyson モデルと呼ぶ)である.Dyson モデルに対しては,leapfrogging を含む様々な運動パターンに対応する解の存在が Borisov, Kilin, and Mamaevによって示されている.Dyson モデルはその導出の過程で渦輪の形が円であることを仮定している.そのため,leapfrogging 現象の安定性の議論などをする際には対称性のある摂動(円形を変えない摂動)しか扱えないなど,leapfrogging 現象の数学解析においては限定的であるという側面を持つ.

そこで本講演では,渦輪を含むより一般的な形をした渦糸の運動を記述するモデル方程式として講演者が導出した偏微分方程式系(以後,新モデルと呼ぶ)を紹介する.渦糸とは,流体の渦度が空間曲線上に集中して分布したもので,その運動は曲線の運動として記述される.特に渦輪の運動は空間内の円の運動として表すことができる.新モデルは,円以外の一般的な形の渦糸も扱えるので,leapfrogging 現象の非対称な摂動下での安定性など,Dyson モデルでは扱えないような問題も扱える.

今回は最初の一歩として,新モデルに対する初期値問題の解で leapfrogging に対応するものの存在,および解が leapfrogging に対応するための初期値やパラメータに対する必要十分条件について得られた結果を紹介する.時間が許せば,新モデルの解で leapfrogging 以外の特徴的な挙動を示すものについても紹介したい.


このセミナーは,

  • 科研費基盤研究(A) 「非線形偏微分方程式の定性的理論と特異性の研究」(16H02151 研究代表者:俣野 博)

  • 科研費基盤研究(B) 「反応拡散系とその特異極限系に現れるパターンダイナミクスの数理解析」(20H01816 研究代表者:二宮広和)

  • 科研費基盤研究(C) 「分岐構造解析に基づく生理・化学反応モデルの制御」(1620K03739究代表者:小川知之)

  • 科研費基盤研究(B) 「燃焼前線および火災旋風の動く曲線を用いた追跡法の確立」(19H01807 研究代表者:矢崎成俊)