当研究室では、日本語教育学(Japanese Language Education)、言語教育方法論(Language Pedagogy)に関する研究を行う大学院生を募集しています。具体的には、日本語教育を研究したい方で、「修了後に、日本語教育の専門家として活躍したい/社会の役に立ちたい」という方の応募をお待ちしています(本HPのVisionもご覧ください)。こうした気持ちを共有できる方であれば、過去の専攻やキャリアなどは問いません。ただ、入学後は授業以外にも取り組まなければならないものが多く、長期休暇中も指導が行われます。学会や研究会にも積極的に参加し、修士課程在籍中に少なくとも一度は研究発表を行うことも求めます。4月と10月に大学院進学説明会が行われますので、情報収集の場としてご活用ください。説明会のお知らせはコースHPに掲載されます。
大学院進学を希望される方へ(一般入試・社会人特別入試・外国人留学生入試)
大学院進学を希望される方に関しては、事前の面談が可能です。メールでご連絡ください(nishizaka.shohei[at]ocha.ac.jp宛)。もちろん、事前の面談は必須ではありませんので、そのまま入試を受けていただいても構わないのですが、予め分野や関心をすり合わせておいた方が双方にとって望ましいと考えています。「進学しようかどうか迷っている…」といった段階でのご連絡でも構いません。
入試に関する情報は、必ず大学のホームページでご確認ください。また、日本語教育コースの入試に関しては、コースのホームページに受験希望者のためのQ&A集や過去問が掲載されています。コースの院生のホームページにも、入試対策等々がまとまっています。
日本語教育に関する基礎知識の獲得という意味では、日本語教員試験の出題範囲をカバーすることもおススメです。
【研究の位置づけ】
ご自身の研究テーマが、日本語教育分野の中でどのような位置づけとなるか考える際、次の書籍が参考になります。
本田弘之・岩田一成・義永美央子・渡部倫子(2016)『[改訂版]日本語教育学の歩き方』大阪大学出版会
【研究について】
戸田山和久(2022)『最新版 論文の教室 レポートから卒論まで』NHKブックス
阿部幸大(2024)『まったく新しいアカデミック・ライティングの教科書』光文社
Booth, W. C., Colomb, G. G., Williams, J. M., Bizup, J., & FitzGerald, W. T. (2016). The Craft of Research. 4th Edition. The University of Chicago Press. (川又政治訳(2018)『リサーチの技法』ソシム社)
研究生になることを希望される方へ
詳しい情報は、大学のホームページで必ずご確認ください。
研究生を希望される方は、以下の手順に沿って申し込みをしてください。
(1)本ページにある「おすすめの書籍」の【基礎編】を数冊読み、基本的な知識を身に付けてください。
(2)関心がある内容について、学会誌や研究会誌に掲載されている学術論文を読んでください。(※修士論文は対象外です)
(3)研究テーマを決め、研究計画書をA4用紙2~3枚にまとめてください。
(4)研究計画書を、メールでお送りください(nishizaka.shohei[at]ocha.ac.jp宛)。履歴書、日本語能力を証明するものもお送りください。
(5)受入の可能性がある場合には、7日以内にお返事を差し上げます。原則として全員と面談(Zoom含む)を行います。
※返信がない場合に、大学の国際課などに問い合わせすることは、ご遠慮ください。
これらの中で、最も重視するのは研究計画書です。研究計画書の作成に際しては、以下の項目は必ず含めるようにしてください。
テーマ
背景(このテーマに関して、なぜ研究しようと思ったのか)
先行研究(このテーマに関して、これまでにどのような研究が行われているか)
研究課題(このテーマに関して、何を明らかにしようとしているのか)
方法(このテーマに関して、どのようにして明らかにしようとしているのか)
研究の意義(研究分野に対してどのような貢献ができるのか)
参考文献
【研究の位置づけ】
ご自身の研究テーマが、日本語教育分野の中でどのような位置づけとなるか考える際、次の書籍が参考になります。
本田弘之・岩田一成・義永美央子・渡部倫子(2019)『[改訂版]日本語教育学の歩き方-初学者のための研究ガイド-』大阪大学出版会
【研究について】
戸田山和久(2022)『最新版 論文の教室 レポートから卒論まで』NHKブックス
阿部幸大(2024)『まったく新しいアカデミック・ライティングの教科書』光文社
Booth, W. C., Colomb, G. G., Williams, J. M., Bizup, J., & FitzGerald, W. T. (2016). The Craft of Research. 4th Edition. The University of Chicago Press. (川又政治訳(2018)『リサーチの技法』ソシム社)
【入門編】第一歩目としておススメの本です。読み物としても面白いです。
白井恭弘(2008)『外国語学習の科学:第二言語習得論とは何か』岩波新書
白井恭弘(2013)『ことばの力学-応用言語学への招待-』岩波書店
今井むつみ(2010)『ことばと思考』岩波新書
ビオリカ・マリアン(2023)『言語の力-「思考・価値観・感情」なぜ新しい言語を持つと世界が変わるのか-』KADOKAWA
山本冴里(2022)『複数の言語で生きて、死ぬ』くろしお出版
【基礎編】修士課程入学を希望する方向けです。
青木直子・尾崎明人・土岐哲(編)(2001)『日本語教育学を学ぶ人のために』世界思想社教学社
大関浩美(2010)『日本語を教えるための第二言語習得論入門』くろしお出版
畑佐由紀子(2018)『日本語の習得を支援するカリキュラムの考え方』くろしお出版
小林明子ほか(2018)『日本語教育に役立つ心理学入門』くろしお出版
馬場今日子・新多了(2016)『はじめての第二言語習得論講義』大修館書店
村端五郎・村端佳子(2016)『第2言語ユーザのことばと心:マルチコンピテンスからの提言』開拓社
【英語編】英語で読みたい方向けです。
Cook, V. & Singleton, D. M. (2014). Key topics in Second language acquisition. Multilingual Matters.
Lightbown, P. M. & Spada, N. (2021). How languages are learned. 5th Edition. Oxford University Press.
Scott, V. (2009). Double Talk: Deconstructing Monolingualism in Classroom Second Language Learning. Pearson.
【その他】
大学院で学ぶことを希望される方には、「日本語教員試験」の出題範囲をカバーしておくこともオススメです。
面白いと思う気持ちを大切にして、目先の結果にとわられずに、いろいろな挑戦をしてください。常にオープンマインドを心がけ、自分自身の心を耕しておくことも大切です。日本語教育は人間の経験を扱う経験科学に位置づけられます。そのため、日本語教育に従事する個々人が多様な経験を積むことは、日本語教育とは何かを理解するうえでも役に立つはずです(もし役に立たなくても、人間への理解には役立つと思います)。研究については、幅広く学ぶことと、深く学ぶことを両立する気持ちを持ってほしいと思っています。しっかり足元を見ながらも、ビジョンを持って研究や実践に取り組むことが大事だと考えています。「2050年や2100年の日本語教育や社会について真剣に考えたい」という方は、ぜひ大学院進学をご検討ください。