2019年度

2019/04/17 古典籍に触れる(1)

ゼミの1期生に古典籍(私物)に触れる機会を設けました。

・室町時代初期の『古今和歌集』の古筆切

・南北朝後期とおぼしき『新古今和歌集』の古筆切

・江戸時代前期の『古今和歌集』の袋綴写本

古典籍に実際に触れて紙の違いを感じるというのが目的です。


*写真には5人しか写っていませんが、実際には7人います。*プライバシー保護のため、顔はモザイク処理をしています。

2019/06/01 平川動物公園 菖蒲祭(F.W.)

この時期にのみ開催される、平川動物公園の菖蒲祭に行ってきました。

写真にある庭園でよくみられるジグザグとしたこの橋は「八橋」と呼ばれるものです。

出典は『伊勢物語』第九段「東下り」。三河の国、八橋というところで、「かきつはた」を句の上に据えて詠んだ「唐ころもきつつなれにしつましあればはるばるきぬる旅をしぞ思ふ」は、高校の教科書にも取り上げられています。

ちなみに、花菖蒲とカキツバタは水辺に生えるものでアヤメは乾燥した土地に生えるものとのこと。平川動物公園で開催されているのは「菖蒲祭」ですが、見た目はカキツバタと大差ありません。

「八橋」に「カキツバタ」の組み合わせだけでも「東下り」なのですが、ここ鹿児島県にはこの写真のはるか向こうに「薩摩富士」と呼ばれる開聞岳があります。八橋を通り越してその先に富士山を見るというストーリー展開はまさに「東下り」ですね。

八橋を渡るゼミ生たち

反対側からのアングル

20190601フィールドワーク.pdf

2019/07/09-10 古典籍に触れる(2)

9日は「古典文学を読む会」に出席している2年生と4年生に、10日はゼミの1期生に古典籍(私物)に触れる機会を設けました。

・江戸時代前期の鑑定書付の古筆切

・江戸時代中期とおぼしき歌集の古筆切

・宝永年間(18C初頭)の折本

・享保年間(18C前期)の巻子本(写本)

・明治末期の巻子本(印刷)

和本の形態を実際に手に取ってみてみるというのが目的です。


*プライバシー保護のため、顔はモザイク処理をしています。


2019/09/07-08 西日本国語国文学会参加(F.W.)

所属学会の一つである西日本国語国文学会の大会(於熊本県立大学)に学生(ゼミ2年生4人、他ゼミ4年生1人、他ゼミ院生1人)を連れて参加しました。目的は以下の2点。

・「学会」がどういうものかを知る。

・先行研究の踏まえ方と研究の仕方を学ぶ。

学部生のうちに「学会」という研究の場を知るということは大切ですし、先行研究の踏まえ方を知れば卒業論文にも活用できるわけです。

そう考えて連れていったのですが、彼らは私の予想を超えて、2日間の学会で上記2点以外にも学んでいました。

・「シンポジウム」の意義

・言葉(とくに研究用語)は定義が必要である。

あまり理解できないまま2日間を過ごすことも覚悟していたのですが、学生たちは研究発表や招待講演での質疑応答も含めてよく聞いていました。(シンポジウムでは質問カードも書いていました!)

それに加えて、本校の院生と私の発表があったので、より身近に研究の場を感じられたのではないでしょうか。

折角熊本まで行ったので、2日目の学会前に熊本城を訪問。まだまだ復興までは時間がかかりそうです。




*プライバシー保護のため、顔はモザイク処理をしています。


20190907-08フィールドワークin熊本.pdf

2019/09/25-26 「令和」を巡る旅(F.W.)

2019年は令和元年ということで、「「令和」を巡る旅」と題して福岡に行ってまいりました。

訪問先は以下の通り。

・太宰府天満宮

・国立九州博物館(「令和」イベント中)

・太宰府政庁跡

・坂本八幡宮(「梅花の宴」が行なわれた場所)

・福岡城跡

・市立福岡博物館

・福岡タワー(志賀島を彼方に見ました)

・住吉神社

今回は予想以上に歩き回る行程になってしまいました。

うちのゼミ生たちは体育会系の部活出身の学生ばかりなのであまり心配はしていませんでしたが、それにしてもみんな、本当によく歩きました!


*プライバシー保護のため、顔はモザイク処理をしています。

太宰府政庁跡

太宰府天満宮と国立九州博物館

国立九州博物館の入口前にて

太宰府天満宮の千灯明と水上神楽

住吉神社と鴻臚館跡

その他

1日目の御夕飯時にサプライズでお祝いしてもらいました♪

2日目の御夕飯は九州大学の院生さん(余鴻燕さん)も参加してくださいました!

20190925-26 フィールドワークin福岡.pdf

2019/10/20 雅楽観賞(F.W.)

柏原神宮主催の雅楽を観賞してきました。

2019/11/30 島津を巡る旅(F.W.)

旧島津氏玉里邸庭園1

旧島津氏玉里邸庭園2

ゼミで玉里文庫本『古筆源氏物語』を扱っているので、1年に1度は島津氏巡りをしよう!ということで、鹿児島大学附属図書館・旧島津氏玉里邸庭園 ・仙厳園に行ってまいりました。


鹿児島大学附属図書館「中央図書館オープン25周年記念「平成」新収未公開貴重書展」(令和元年11月7日~12月12日)

巻子本や地図などの展示がありました。中でも宿紙風の紙に書かれた任命書が素晴らしかったです。学生に説明しながらの閲覧。


旧島津氏玉里邸庭園

斉興が天保6年(1835)に作り、久光が再築したとされる回遊式の庭園。上御庭は鹿児島女子高校の敷地内なのでほとんど見えませんが、下御庭は開放されています。久光が亡くなった際に作られた正面の黒門は堂々としています。

紅葉のシーズンだったので、景色が良かったです。のんびりするのに良いような場所です。アクセスが良くなることとベンチが必要ですが。

池の中の小島にあった岩に彫られていた字は竜女を表すものらしいことがわかりました。(少々距離があっていまいちよく読めませんでした。)


仙厳園

いわずと知れた世界遺産。幕末島津氏の技術が結集した場所です。

ゼミ生の中には初めて訪れるという学生もいたので、こちらも説明しながら歩き回りました。

菊人形のシーズンだったので、庭園内はいつも以上に飾りが多く、楽しめました。また、弓の実演も行なわれていました。

曲水の庭はいつも柵で囲われていて、近寄りたいなあと残念に思いながら見てしまいます。

仙厳園の横にある尚古集成館も訪問。

こちらは、建物そのものが素晴らしいです。太い梁や骨組み、それを活かした江戸末期の工業技術には驚かされますし、豪華な薩摩切子の照明器具も素敵です。

尚古集成館のさらに横にあるスターバックスは、有形文化財を改装したもの。

おしゃれな内装の店内でくつろげるので、本日の締めはここでした。


*プライバシー保護のため、顔はモザイク処理をしています。

仙厳園1

仙厳園2

仙厳園3

仙厳園4 & 有形文化財を改装したスターバックス

2020/2/10-14 ゼミ合宿in京都(F.W.)

武藤ゼミ初のゼミ合宿は京都でした。

テーマは「源氏物語関連地を巡る(たまに寄り道も可)」。

4年生の留学生1人と3年生6人が参加しました。


初日

始発(06:05発)の高速バスに乗って空港へ(40分)、そこから伊丹空港まで飛び(1時間30分)、また高速バスに乗って京都駅へ(50分)。

京都駅で二日乗車券を購入してから、烏丸線に乗って四条へ。

学生が探して予約しておいた四条駅から10分圏内のビジネスホテルに荷物を預けて、漸くスタートです。

まずは市内の風俗博物館へ。ここには、60cmほどのお人形で『源氏物語』の世界や天徳内裏歌合の様子が再現されています。移転してから初めて行きましたが、以前よりも規模が縮小されており、着付け体験はできなくなっていました。ただし、寝殿の外側をぐるっと一周しながら当時の風俗を学べる空間は相変わらず良いです。

駅の近くでお昼を食べてから、バスと嵐電を乗り継いで嵐山へ。

渡月橋を渡りましたが、ここで酷い雨に降られてしまったので急遽tea tIme。日本酒ソフトクリームをいただいたり、土産物を見たりして過ごしました。

雨脚が弱くなってきたところで竹林の小径を通り抜けて野宮神社へ。黒い鳥居が特徴的なこの場所は、『源氏物語』「賢木」巻の舞台ですね。少々不気味かもしれませんが、夜にも来たい所です。

時間が余ったので、市内に戻ってTHE京都のイメージのある花見小路・石塀小路・八坂神社回りました。


2日目

これぞ京都の朝、イノダコーヒ本店での朝食からスタート。

ゆったりとした朝ごはんの後は御所組と仙洞御所組に分かれて散策。御所組は、ついでに御所の北にある薩摩藩邸跡にも行きました。仙洞御所組との待ち合わせ場所は蛤御門。

そこから紫式部ゆかりの地である廬山寺に行き、お庭を堪能。

今回の旅は、『源氏物語』ゆかりの地がメインではありますが、せっかく京都まで行ったので、京都未経験の学生に併せて二条城にも行きました。

二条城では鶯張りの音を聞きながら、家紋の変わり様を見ました。天守閣跡まで頑張って登ったら、お堀を見渡せてお城味を改めて感じられました。ちなみに、ここで売られているコーラの缶が徳川の家紋入りで良かったです

錦市場に移動してかなり遅めのお昼。揚げたての湯葉や海鮮類がおいしかったです。

錦市場から東に移動して、鍵善良房へ。鍵善といえばくずきり。白蜜でいただきました。

鍵善から南下して、六道珍皇寺に行って小野篁ゆかりの井戸を見学。井戸の傍には寄れずに残念でしたが、井戸そのものが残っていることが凄いですね。

そこから東側の坂をずっと登って清水寺へ。工事中だったうえに胎内巡りの時間を過ぎていたのが残念でしたが、それでも京都を一望できました。

清水寺からの帰り道、学生が立ち止まっているなぁと思っていたら、ウサギの形の和菓子につられていました。本日何度目かのお茶の時間になりました。


3日目

千本鳥居で有名な伏見稲荷大社からスタート。頂上まで行ってもさして景色も良くないので、谺ヶ池まで登ってから引き返してきました

そこから南下して宇治市へ。

平等院鳳凰堂を見学。ですが、水がだいぶ抜かれてしまっていました。とはいえ、やはり圧巻です。無事に本堂にも入れて、説明をじっくりと聞くことができました。

お昼を挟んで、源氏物語ミュージアムへ。

お香のコーナーが充実していたこと、期間限定のアニメーション等もなかなか面白いものが多かったです。

宇治川の流れを見ながら散策をしました。川そのものは整備されて流れはだいぶ穏やかになったとのことですが、それでもやはり速かったです。

宇治から北大路までいっきに北上して、今度は上賀茂神社へ。30分と少しの滞在。

そこから駆け足で下鴨神社へ。こちらは、糺の森も通り抜けて歩けました。

上賀茂神社、下鴨神社はセットで回らなければもったいない場所ですが、如何せん、アクセスがあまり良くないため、閉門してしまうのではないかと不安でした。バス案内アプリが最大限に活用できたかと思います。とにかく間に合ってよかった。

京都駅に戻ってからはお土産物購入組と京都駅散策組に分かれました。京都駅の最上階まで行って空中回廊を端から端まで歩きました。小雨が降っていましたが、京都タワーも綺麗に見えました。


4日目

ホテルをチェックアウトしてから滋賀県の石山寺へ。

宝物殿は開いていない時期でしたが、お寺そのものは満喫できたかと思います。

本殿の佇まいが静謐としていたのが印象的でした。

石山寺近くの和カフェでお茶をしてから、学生の希望で琵琶湖へ。

波があるのを見た留学生が、海と勘違いしたのも頷けます。

どうせならクルージングもしたかったけれど、それなら紫式部集も読まないといけませんね!

やはり遅めの昼食に近江牛を堪能してから京都へ。

ホテルで荷物を受け取ってから、伊丹空港へ向かい、夕方の便で帰鹿。

長い旅でした。


その他

行程の間にお香のお店に何度か立ち寄りました。鹿児島じゃ買えないものばかりだったので、本当に良かったと思います。

4日間で10万歩を軽く越えて歩いたらしいです。距離にして、鹿児島中央駅から指宿よりちょっと先まで歩いた模様。みなさんよく歩きました。

・宇治と石山寺で、二つの紫式部像と撮影をしてきました。これぞ「源氏物語関連地を巡る旅」ですね!

何はともあれ、初のゼミ合宿は無事に終了。誰も怪我せず、失くしものをせずに終われて良かったと思います。

今回の合宿、学生の学びとしては、宿泊場所探し、交通ルート・各見学場所の営業時間を踏まえた上での廻り方、事前学習を全て含めた行程表を作ることというのがありました。鹿児島の交通しか知らない学生(愛知県出身と大連出身が一人ずついますが)が、京都のあの交通網を調べて理解してルートを考えて……というのはかなり大変だったと思います。1日乗車券/2日乗車券も何種類もありますが、それもきちんと全部計算していたので安心して任せられました。