MM読書会 | Josh Lanyon 編
問い合わせ先:balicpapan@gmail.com 高田ゆうき
ラニヨンさんプロフィール
ゲイ・ミステリ作家。複数の受賞歴を持ち、十年以上もジャンルの先端を走り続けている。ゲイ小説ジャンルからスタートし、M/Mジャンルを牽引して流れを作ってきた作家の一人。ミステリからアクションまで幅広く執筆。(モノクローム文庫より)
「馭者」ってこんなお話!
第二次世界大戦の頃の英国の寄宿舎で、下級生と<不道徳なこと>をした、ラニヨンの退学処分が決まった。ラニヨンを尊敬する主人公・ローリーは、処分の撤回を求めて寮生を集めようとするが、当のラニヨンに止められる。16歳のローリーは性にまだ暗く、<不道徳なこと>が、同性愛を指すと知らないのだった。ラニヨンは、商船で働くつもりだといい、一冊の本「パイドロス」をローリーに手渡して学校を去っていった。
男同士の愛を礼賛する「パイドロス」を、軍服のポケットに忍ばせ、ローリーはダンケルクの戦いで片膝に重傷を負う。イギリスに帰船するデッキでは、痛みのあまり、髭面の船長を娼婦にまちがえるほど、意識が朦朧としていた。治療先の病院でローリーは、かつての自分のような、自分が同性愛者だときづいていないアンドリューに出会い、お互い穏やかに心を通わせるようになる。
あるひ、ローリーは、「女の子はこないパーティー」に誘われる。今はイギリス海軍予備隊のラニヨンも来るときき、ラニヨンと再会する。ラニヨンは、いつぞやの髭面の船長だった。一方、アンドリューは、ローリーの「パイドロス」に、ラニヨンの名が書かれていることを発見する。
MMロマンスという言葉は、日本ではまだ知らない人も多いと思います。モノクロームロマンス文庫で知った人も多いのではないでしょうか。
2015年の、アドリアンシリーズ5巻「瞑き流れ」刊行記念:冬斗さん&三浦しをんさんのトークセッションでは、MMロマンスという言葉について、以下のように述べられています。
1990年代後半には「ゲイ小説」「ゲイロマンス」という言葉しかありませんでした。2000年発売の「Fatal Shadows」を経て、2003~2005年ごろから「MMロマンス」という言葉があらわれた。
とのことです。
ところで、「MM」を、てっきり、man-manだと思っていたのですが、male-maleなんですね。英語の世界は奥深い。