四季の行事・まつりごと - 受け継がれる共同体の祈り
四季の行事・まつりごと - 受け継がれる共同体の祈り
南田原が一年で最も熱気に包まれるのが、10月14日・15日に行われる住吉神社の秋祭りです 。その起源は江戸時代中期にまで遡り、五穀豊穣を感謝する祭りとして始まりました 。時代が変わり、農業に携わる人が減った今も、この祭りは地域の人々の心を一つにし、交流を深める大切な場として、伝統を未来へと伝えています 。
年の瀬が迫る12月25日、住吉神社では厳かな神事「勧請縄奉納祭」が執り行われます 。これは、「長寿講(大人講)」と呼ばれる村の長老たちが中心となり、新しい年のための巨大な注連縄を編み上げる儀式です 。一本一本の藁に、集落の無病息災と安寧への祈りを込めて編まれた勧請縄は、鳥居に掲げられ、一年間、聖なる結界として村を見守ります。長老たちの手から手へと、静かに、しかし確かに受け継がれていくこの伝統は、南田原の信仰の深さを象徴しています。