南田原の道を歩いていると、ふと、道端にたたずむ石の仏さまたちに出会います。あるものは夫婦のように寄り添い、あるものは険しい岩肌にその姿を刻まれ、何百年もの間、この土地と人々の営みを見守り続けてきました。
今回ご紹介するのは、そんな石仏たちのささやきに耳を澄ませながら歩く、約2時間の祈りの道。一つひとつの石仏が持つ、時代を超えた物語に触れる旅は、きっとあなたの心を穏やかにしてくれることでしょう。
コース名: 石仏たちのささやきを聴く、南田原・祈りの道コース
所要時間: 約2時間(徒歩)
おすすめの季節: 春・秋
コースのポイント: 鎌倉時代から江戸、明治に至るまで、様々な時代に作られた石仏を巡り、南田原の石造文化の豊かさに触れられるのが魅力です 。
【スタート】 南田原バス停 生駒駅北口からバスに揺られて約10分。ここから、あなたの石仏をめぐる旅が始まります。
↓ 徒歩3分
1. 宛の木の夫婦地蔵 まず出会うのは、小明町との境界に仲良く立つ「夫婦地蔵」。石室の中には、作られた時代の違う二体の仏さまが、まるで本当の夫婦のように寄り添っています。元は別々の場所にあったものが、いつしかここで一緒になったのだとか。そんな物語を想像しながら、旅の始まりに手を合わせましょう 。
↓ 徒歩15分
2. 岩屋口名号碑 バス停の前に立つ、ひときわ大きな自然石の石碑。ここには「南無阿弥陀佛」の文字と共に、慶長2年(1597年)という、戦国時代の終わりを告げる年号が刻まれています。隣には、明治時代に力士の小雀與三郎が記念相撲を興行したことを記す碑も。400年以上の時を超え、信仰の記憶と地域の賑わいの記憶が並んで立つ、興味深い場所です 。
↓ 徒歩5分
3. 峯北の地蔵尊 峯北の集落に、まるで昔からそこにいたかのように自然にたたずむお地蔵さま。元々は別の場所にあったものが、道路の改修に伴い、現在の場所に移されたそうです。地域の変化を見守りながら、今も静かに人々を見守っています 。
↓ 徒歩6分
4. 古堤街道の道標他 両国橋のたもと、かつて大和と河内を分けた国境の地に、篤い信仰の証が残されています。天野川の堤防に立つのは、修験道の聖地・大峯山を五十五度も巡拝したことを記念する石碑。険しい山道を何度も往復した昔の人の、強い祈りの心に圧倒されます 。
↓ 徒歩7分
5. 稲葉谷の石佛 コースのクライマックスは、通称「南田原の摩崖仏」。地蔵堂の後ろの岩を少し登ると、岩肌に直接彫られた修験道の開祖・役行者の姿が現れます。安永7年(1779年)に刻まれたこの石仏は、かつてこの場所がうっそうとした森の中の修行の場であったことを物語っています。今は周囲が整備され、遠くからでもそのお姿を拝めるようになりました 。
【ゴール】 出店バス停 お疲れ様でした。石仏たちが語る、静かな物語の旅はここで終わりです。ここからバスに乗って、生駒駅へと戻ります。
10:21 生駒駅北口バス停 出発 ↓ (バス約10分) 10:31 【スタート】南田原バス停 到着
(散策・昼食 約2時間20分)
夫婦地蔵 → 岩屋口名号碑 → 峯北の地蔵尊 → 古堤街道の道標 → 稲葉谷の石佛
12:58 【ゴール】出店バス停 出発 ↓ (バス約16分) 13:14 生駒駅北口バス停 到着
※上記はあくまで一例です。一つひとつの石仏が重ねてきた時間に思いを馳せながら、あなただけのペースで祈りの道を巡る旅を楽しんでください 。
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