寝具の歴史

寝具の歴史

布団・ベッドの起源

布団やベッドは最初から存在していたわけではありません。今のようにそれらが普及したのはつい最近だと言われています。日本で最古の布団は奈良時代からだそうです。実際に使っていたのは聖武天皇だそうで、台の上に御座を敷いて寝ていたとされています。また当時は現在のようなふわふわの布団はなく、身分のある者でも畳の上に寝ていたそうです。薄い畳を数枚重ねて使っていたとされています。公家や貴族以外の農民は藁の中に潜って寝ていました。

戦国時代になると綿が普及し始めたため、布団が登場するようになりました。「夜着(よぎ)」と言われるもので、着物の形をした布団に綿を入れたものです。当時は着物を掛け布団として使っていました。布団は庶民や農民にとってとても高価なものだったため、貴族しか使うことができませんでした。現在で言うと、布団1つで20〜30万円ぐらいの価値だったそうです。そのため、一部の庶民は和紙で作られた布団を使っていたと言われています。農民は藁の中で眠っていました。

現代のように庶民にも布団が普及したのは明治時代ごろです。麺の価格が下がっていったため、庶民にも手が届くようになったそうです。

枕の起源

古代では丸太をカットした木枕や草で編んだ枕などを使っていたそうです。奈良時代になると、木を四角形に整えた枕が使われるようになりました。日本最古の枕とされているのが白練綾大枕と言うものであり、正倉院に保管されているそうです。これは四角に整えられた草の周りを高級な綿で包んだ枕です。江戸時代では箱枕が登場しました。箱枕は髪型を崩さないように首に当てて使われていたり、箱枕の中に貴重なものを入れたりしていたそうです。その後、現代のような平らな枕が出たのは昭和初期ごろと言われています。