海や干潟、河川では、多様な生物や物質が関わりながら、さまざまな現象が起きています。私たちは、そうした現象を見つけ、そのしくみを理解し、最終的に「生態系全体から見て、それがどれくらい重要なのか」を明らかにすることを目指しています。
重要性を量として比較できるようになると、沿岸生態系の中で何が本当に生物生産や物質循環を支え、何が大きな変化を引き起こしているのかが見えてきます。そして、そこで得られた理解を、沿岸生態系の保全・再生・持続的な利用につなげることを目指しています。
面白い現象を見つけることは、研究の出発点です。しかし、私たちは「こんな現象がありました」で終わるのではなく、なぜその現象が起きるのかを考え、さらにそれが生態系全体の中でどれくらい重要なのかを明らかにしたいと考えています。例えば、魚が干潟の泥を掘っているなら、その理由だけでなく、魚の活動によって干潟全体の何%が撹乱されるのかまで考える。地下水が海へ栄養塩を運んでいるなら、供給量を測るだけでなく、海域全体への栄養塩供給の何%を占めるのかまで考える。
私たちが大切にしているのは、現象を見つけることだけではなく、その現象を生態系の中での「大きさ」までつなげることです。そうすることで、何を守るべきなのか、どこを再生すべきなのか、どの変化を優先して考えるべきなのかを判断するための科学的な基盤をつくります。
研究対象は、栄養塩や有機物などの物質から、植物プランクトンや底生微細藻類などの基礎生産者、二枚貝、魚類、鳥類までさまざまです。フィールドも、ダムや河川、地下水などの陸水環境から、干潟、藻場、内湾、さらに外洋水の影響を受ける沿岸海域まで幅広く扱っています。
方法も同じです。野外観測や実験を基本としながら、安定同位体、係留センサー、人工衛星、ドローン、環境DNA、プログラミングなど、問いに答えるために必要な方法を選びます。
研究対象やフィールド、研究手法を最初から固定するのではなく、「何を知りたいのか」から研究を組み立てることを大切にしています。
卒業研究でも、できるだけ「自分でデータを取り、自分で考える」ことを大切にしています。研究テーマはさまざまです。干潟や河川などのフィールド、生物や物質循環など、学生の興味と研究室で実施可能な研究を組み合わせながら決めていきます。研究は思い通りにならないことも多いですが、データを見ながら考えていると、最初には予想していなかった面白い現象が見つかることがあります。そうした発見を楽しみながら、研究成果として最後まで形にすることを目指しています。
研究室の活動
調査や研究室生活の様子はInstagramでも紹介しています📷
実際の野外調査の様子は、こちらの動画でもご覧いただけます。(2分程度)
もっと詳しく
・研究の紹介:研究室で取り組んでいるテーマや、研究の考え方・方法を紹介します。
・メンバー:教員・学生の紹介と、これまでに取り組んできた卒業研究・修士研究のテーマを掲載しています。
・学生の皆さんへ:卒業研究の進め方や、研究室での学び方、研究・学習を支える環境について紹介します。
・Publications:論文、研究費など、これまでの研究成果をまとめています。