2. 知的障害の生活動作
●箸を使えたり、フォークのみだったりと状態は異なってはいるものの、一人で食べることができる
●幼児期に着替えを覚え、自分で脱着できることもあれば、学齢期(6~18歳)を経て身に付ける児童がいる
●排泄(トイレ)の自立度は個人よって異なり、周囲の声掛けや介助を必要とする子供がいる
●重度の児童でも、大人のペースに合わせて歩けるようになる
食事に関しては、自分一人で食べられるようになるケースが多く、動作は幼児期から学齢期にかけて習得します。使用する食具は、扱いやすいフォークやスプーンのみの場合もあれば、箸の操作を身に付ける子供もいます。食べこぼし等は、自分で気付いて対応する児童もいますが、どう対応するべきかの判断が難しいお子さんもいます。
衣服の脱着動作は、比較的どの児童でも習得しやすいです。着る動作は大概の子供達は膝までのズボン上げや、腕の袖通しをおこなえます。ボタンやファスナー類は、個々の能力だけでなく、練習の頻度に応じて習得状態が異なります。重度のお子さん達は、衣類の前後を理解する、靴下履きの踵合わせ、ズボンの中への下着入れ、履物の左右などが難しく、声掛けを受けることで正すことができ、介助を得ながら行っています。
重度知的障害の排尿行為は、幼児期だけでなく学齢期を含めて身に付けていきます。排便も同様で、適切にお尻を拭く行為ができないケースにおいては、介助を受けています。その他、排泄意思の確認や定期的な時間誘導を必要とするお子さんがいます。
移動について、危険に対する認知度が乏しい幼児期は、支援者に手を繋がれて歩くケースが多いです。学齢期になると、歩くペースの安定や支援者の声掛けに反応できるため、一人歩行の練習が始められ、その後は訓練次第で、面識の少ない支援者と一緒に行動が取れるようになります。
軽度知的障害の子供は、幼児期の段階で生活動作に遅れ(症状)を表さない可能性があります。ただし、かなり不器用で動作習得までの歩み(進歩)がゆっくりしている可能性はあります。