このページは、福岡工業大学情報工学部情報通信工学科の「卒業研究」において、工藤研究室への配属希望を検討している学生に向けたものです。
本研究室では、数学や暗号に関心を持ち、主体的に学び、考える意欲のある学生を歓迎します。
* 重要事項 (本研究室への研究室訪問や配属希望を検討している学生は必ず読むこと) *
研究室の研究観・指導方針および担当指導教員の立場
本研究室の卒業研究では、基本的には学術研究 (新しい知識や理論を発見・探求し、既存の知識体系を拡張すること) に取り組みます。たとえば、新しい理論の創出、新しいアルゴリズムの提案、実験による現象の解明、既存の理論の検証などが学術研究にあたります。 学生の希望に応じてアプリやシステムの開発を行うこともありますが、それはあくまで学術的な研究目的のもとで行う、学術研究の一環として取り組む場合に限られます。
一般に、アプリやシステムなどの開発活動そのものは学術研究とはみなされず、研究成果の応用・実用化 (あるいは「制作活動」や「自由研究」) に分類されます。企業などで行われるビジネス目的の「製品化研究」や「実用化研究」、あるいは趣味や個人的なプロジェクトに近い側面を持ち、広義には「研究」とみなされることもありますが、本研究室の卒業研究においては、そうした開発活動を主目的とはしていません。
そもそも私は、アプリ開発やシステム開発に関する専門的な知識や経験を有しておらず、そのような開発活動に対して十分な助言や指導を行うこと (およびその責任をとること) はできません。また、そうした技術スキルを体系的に学びたい場合には、大学教員 (=研究者) である私から卒業研究 (=学術研究) として助言を受けるよりも、企業等で実務経験を持つプロフェッショナルなエンジニア (=技術者) の方々から (たとえばインターンシップ時や就職後に) 直接指導を受ける方が、より適切かつ有益であると考えています。
ここであらためて確認しておきたいこととして、大学における卒業研究の本来の目的は、技術スキルの習得や職業訓練ではなく、学術的な研究活動 (の体験) を通じて思考力・探究力を養うことにあります。もちろん、その副次的な効果として、将来的に実務でも活きるスキルが身につく可能性はありますが、職業訓練そのものを目的としたカリキュラムではないことをご理解ください。
以上の理由から、本研究室の卒業研究では、「アプリやシステムの開発のみを行う」といった研究は扱っておらず、学術的に意義のあるテーマに基づいた研究に取り組んでいただくことになります。繰り返しになりますが、学術的な研究背景・研究目的のもとでアプリやシステムの開発を行うとしても、それは卒業研究の一部 (研究目的そのものではなく、あくまで研究方法の一つであり、場合によっては研究成果の一部) でしかありません。この点をご理解のうえで、研究室配属を希望してください。
研究室訪問の位置づけ
本研究室における研究室訪問は、情報収集や見学を目的としたものではなく、配属候補学生の選抜を目的とした面接として実施しています。したがって、訪問を希望する学生は、以下の条件をすべて満たしていることを前提とします。
本研究室を第一志望としていること
本ページの内容 (研究方針・指導方針) をすべて理解し、同意していること
数学および暗号分野に対して強い関心を有していること
学術研究に主体的に取り組む意思があること
これらを満たさない場合、訪問は受け付けません。
また、興味本位での訪問や、他研究室との比較検討段階での訪問は想定していません。
よくある (or たまにある) 質問への回答
Q1. ゼミは週何回ありますか?また、どんな内容でしょうか?
A1. 院進希望者は週2~3回、就職希望者は週1回を目安にしています。内容としては、前期は主に代数学または暗号数理に関する教科書の輪読 (板書またはスライドで発表)、先行研究論文に関する調査報告、研究の進捗報告などです。後期になると、卒業論文の添削指導や卒業研究発表会の練習などがあります。
Q2. ゼミで発表を行うにあたって、気をつけることはありますか?
A2. 内容の完全な理解を前提とし、資料 (教科書・ノート等) に依存しない発表を求めます。質問に対して自力で説明できる状態まで準備してください。準備時間の目安としては週当たり40~70時間くらいでしょうか。河東泰之先生 (東京大学) の記事が参考になるかと思います。
Q3. 数学やプログラミングが苦手でも大丈夫ですか?
A3. 十分とは言えません。本研究室で卒業研究を始めるにあたり、少なくとも、高等学校で学ぶ数学の内容、線形代数、微分積分、初等整数論、離散数学、プログラミングの基礎知識が必要です。そのため、仮配属が決定次第、プレ卒研として、それらの数学の基礎について学習 (復習) を各自進めてもらい、2週間に1回程度、進捗を報告してもらいます。
Q4. 研究室は楽ですか (きついですか or 厳しいですか, etc.) ?
A4. 楽ではありません。 本研究室では、学術研究に主体的かつ継続的に取り組むことを前提としており、相応の努力と時間的コミットメントが求められます。「楽かどうか」を基準に研究室を選びたい場合、本研究室は適していません。
Q5. 友達の○○さんと一緒の研究室がいいです。何とかなりませんか?
A5. なりません。そのような理由で研究室を選ぶことは、本研究室の方針と一致しません。 研究室配属は、各自の研究適性および志望に基づいて判断されるものであり、特定の学生と同一研究室への配属を前提とした調整は行っていません。
Q6. 就職のコネはありますか? 研究室を卒業された先輩方はどこに就職されましたか?
A6. 研究室は就職支援機関ではありません。卒業研究はあくまで学術的な教育・研究活動であり、進路選択および就職活動は各自の責任において行ってください。
※ 上記の内容に同意できない場合、または十分に理解できない場合は、本研究室への訪問および配属希望はお控えください。
2027年度 配属希望者向け情報 (2026年度掲載)
研究室紹介資料 (A4版) は myFIT から閲覧可能です。
本研究室を第一希望として研究室希望調査アンケートを提出する場合は、本研究室への研究室訪問 (面接) を必須とします。本研究室への研究室訪問 (面接) をせずに本研究室を第一希望とした場合、逆指名枠での受け入れを無条件で却下する場合があります。
研究室訪問はオンライン (研究室紹介動画のオンデマンド配信) と対面 (面談) の二段階方式とし、研究室紹介動画を視聴した上で本研究室を第一希望とする学生のみを対象として、対面による研究室訪問 (面接) を受け付けます。具体的な手順としては以下の通りです。
研究室訪問 (一段階目) を希望する学生は、メールで連絡してください。
研究室紹介動画のリンクを送るので、研究室訪問の一段階目として、動画を視聴してください。また、研究室紹介資料 (スライド版) にも目を通してください。
動画を視聴した上で、本研究室を第一希望にしたい学生のみ、再度メールで連絡をください。研究室訪問の二段階目として、日程調整の上で対面での面接を行います。
学生研究室の写真 (no.1, no.2, no.3, no.4, no.5, no.6, no.7, no.8)。写真には写っていませんが、1人1台USB-type C給電機能付きディスプレイ (ノートPC接続)、共用レーザーカラープリンターがあります。また、扉の鍵は電子鍵です (スマホアプリでワンタッチ開錠)。
研究内容やゼミの進め方は研究室紹介資料 (スライド版) を参考にしてください。本研究室では、3年夏休みからプレ卒研を行います (線形代数、離散数学の基礎事項など)。
2026年度 配属希望者向け情報 (2025年度掲載)
研究室紹介資料 (A4版) は myFIT から閲覧可能です。
本研究室を第一希望として研究室希望調査アンケートを提出する場合は、本研究室への研究室訪問 (面談) を必須とします。本研究室への研究室訪問 (面談) をせずに本研究室を第一希望とした場合、逆指名枠での受け入れを無条件で却下する場合があります。
研究室訪問はオンライン (研究室紹介動画のオンデマンド配信) と対面 (面談) の二段階方式とし、研究室紹介動画を視聴した上で本研究室を第一希望とする学生のみを対象として、対面による研究室訪問 (面談) を受け付けます。具体的な手順としては以下の通りです。
研究室訪問 (一段階目) を希望する学生は、メールで連絡してください。
研究室紹介動画のリンクを送るので、研究室訪問の一段階目として、動画を視聴してください。また、研究室紹介資料 (スライド版) にも目を通してください。
動画を視聴した上で、本研究室を第一希望にしたい学生のみ、再度メールで連絡をください。研究室訪問の二段階目として、日程調整の上で対面での面談を行います。
学生研究室の写真 (no.1, no.2, no.3, no.4, no.5, no.6, no.7, no.8)。写真には写っていませんが、1人1台USB-type C給電機能付きディスプレイ (ノートPC接続)、共用レーザーカラープリンターがあります。また、扉の鍵は電子鍵です (スマホアプリでワンタッチ開錠)。
研究内容やゼミの進め方は研究室紹介資料 (スライド版) を参考にしてください。本研究室では、3年夏休みからプレ卒研を行います (線形代数、離散数学の基礎事項など)。
数学検定1級取得のための特別ゼミを行う予定です (希望者のみ)。
理系女子 (リケジョ) 教育に力を入れています (2024年度配属実績:9名中女子3名、2025年度配属実績:6名中女子2名)。2024年7月より日本数学会の男女共同参画社会推進委員になったので、より一層力を入れたいと思います。特にエンジニア志望の女子学生に対するキャリア支援、大学院志望 (他大含む) の女子学生への数学教育 (大学院入試対策) 等で貢献します。
2025年度 配属希望者向け情報 (2024年度掲載)
・研究室紹介資料は myFIT から閲覧可能です。
・学生研究室の写真 (no.1, no.2, no.3, no.4, no.5, no.6, no.7, no.8)。写真には写っていませんが、1人1台USB-type C給電機能付きディスプレイ (ノートPC接続)、共用レーザーカラープリンターがあります。また、扉の鍵は電子鍵です(スマホアプリでワンタッチ開錠)。
・研究内容やゼミの進め方は2024年度の情報を参考にしてください。
・3年後期からプレ卒研を行います (主に線形代数の復習ですが、希望があれば専門的な内容を学ぶことも可能)。
・前期 (うち4~6月末目安) のゼミは基本的に教員による講義・演習形式です。
・本格的に研究に取り組むのは7~10月 (目安) の4か月程度です。11月以降は卒論執筆や発表の練習、3年生への引継ぎが主となります。
・理系女子 (リケジョ) 教育に力を入れています(2024年度配属実績:9名中女子3名)。2024年7月より日本数学会の男女共同参画社会推進委員になったので、より一層力を入れたいと思います。特にエンジニア志望の女子学生に対するキャリア支援、大学院志望 (他大含む) の女子学生への数学教育 (大学院入試対策) 等で貢献します。
・(重要) 研究室訪問の予約を受け付けています。学科の定める研究室訪問期間は 7/16 (火) ~ 8/9 (金) ですが、この期間に工藤は国内外出張で不在にする平日が7日あり、学生が訪問できる日程は限られています。このため、早期に予約されることをお勧めします。実際に訪問できるのは7/16以降ですが、訪問予約は7/2から受け付けているので、希望される方は研究室紹介資料記載のメールアドレスに連絡を下さい。
2024年度 配属希望者向け情報 (2023年度掲載)
研究室紹介資料 (pdf)
研究キーワード:応用代数学, 計算機代数, 情報セキュリティ, 暗号数理, 公開鍵暗号, 耐量子計算機暗号
研究テーマ:本研究室では現代の情報社会で欠かせない情報通信技術の一つである公開鍵暗号について, 数学的側面からの研究 (安全性解析など), および実装 (プログラミング) 等を行います. 公開鍵暗号の中でも特に, 耐量子計算機暗号 (ポスト量子暗号) を扱います. 耐量子計算機暗号とは, 量子計算機が将来的に完成・普及しても安全に運用可能と期待できる, 次世代暗号の総称です (詳細は研究室紹介資料を参照). 耐量子計算機暗号には幾つか種類があり, 本研究室ではそのうち (A) 格子暗号と (B) 多変数多項式暗号の研究に取り組みます.
全体的なスケジュール:仮配属が決まった3年次後期から, 卒業研究に向けた準備として, 1・2年次に学んだ数学の復習に取り組みます. 無事に4年に進級したら, その年の4~7月にかけて主に教員による講義形式でのゼミを行い, 専門知識を深めます. 同時にプログラミング実習 (Python, C, または Java 等)を行い, 数学アルゴリズムに関するプログラミングスキルを高めます. その後, 7月末までには具体的な研究課題を学生自身で設定し, 8~11月にかけて課題解決のための研究に取り組み, 12~1月で卒業論文を執筆した後, 2月の卒業研究発表会および論文審査で合格となれば, 3月に無事卒業となります.
ゼミの進め方:
・学生は (A) 格子暗号と (B) 多変数多項式暗号のグループに分かれます (後で変更も可).
・前期は週3時限 (1時限=90分) ゼミを行います. うち1時限は全員参加の定例ゼミで, 前半6回は教員による講義形式, 後半9回は学生による発表形式で行います. 残り2時限分は隔週で格子暗号, 多変数多項式暗号についてのゼミを行います. 2時限のうち前半1時限は教員による講義形式で全員参加です. 後半1時限はプログラミング実習であり, 該当するグループのみ参加となります.
・ 後期も毎週ゼミを行う予定ですが, 前期と異なり学生による研究の進捗報告を行います.
研究課題の事例:
(1) 高速実装, 物理攻撃
・Python, C, Java のほか, 様々な言語でのプログラミングや, 暗号の実装比較
・言語特性を活かした高速実装
・マイコンなどへのハードウェア実装
・物理攻撃(電力解析、レーザー等), など
(2) 暗号の数理的側面
・安全性解析
・攻撃アルゴリズムの高速化
・暗号の数学的特徴付け
・脆弱なパラメータの特定
・暗号で用いる数学アルゴリズムの改良・解析, など