オンライン学習では、50分間ずっと画面越しに講義をすると勘違いしていませんか?
または、50分間の動画が必要だと勘違いしていませんか?
そんなことしたら、生徒も教師も大変です。お互い疲れます。画面越しの説明は学習の一部。動画も10分程度が限界です。飽きます。だから生徒が画面を見ない時間があっていいのです。生徒が画面を見ないで学習する時間を組み込む。
そんな学習をデザインするのは初めて。うまくいかなくて当たり前。生徒も初めてですから、「失敗して当たり前」と、お互い優しい気持ちで一緒にスタートを切りましょう。
オンライン学習を始めてしまえば、次第にICT機器も整備され、教師のスキルも向上し、学習動画や自学アプリ用の無料のクイズが充実してくると思います。良いコンテンツは校内の先生同士や、学校の枠を超えて日本中でシェアが進み、オンライン学習はどんどん行いやすくなると期待できます。
英語圏の無料学習コンテンツに比べると、日本語の無料学習コンテンツはとても少ないので、これは良いことだと思います。
そうなった後、一度、落ち着いて考えてみてください。
知識がオンラインのコンテンツで拡充できるようになった時、「知識伝達」は学校の授業の役割として不十分になります。
知識を伝達したり、覚えさせたり、技能を習熟させることももちろん大事ですが、学校の授業にはもっと人間らしい能力の育成が求められるでしょう。学習動画が充実すれば一斉講義の授業は不要になり、集団で行う授業は、意見の伝え合いや共同プロジェクトによる学びに移行するかもしれません。異年齢での学級編成さえ可能になります。
ICTを活用して、どんな学習ができるのか、どんな力をつけるのか、今進行中の学力保障の取り組みが軌道に乗ったらぜひ考えてみてください。
きっと子ども達がワクワクする学び方にICTが使えるはずです。
講義から解き放たれた私たち教師には、ワクワクするアイデアが浮かぶかもしれません。
その時、あなたの学校には「教わる」から「学ぶ」への大転換、instruction から learning へのパラダイムシフトが起きます。
この動画のように生き生きと学ぶ子どもの姿を見たくない教師はいないですから。
ICTを学習管理や知識伝達の道具に留まらせずに、子ども達の創造性や表現力、人間らしい力を伸ばしていくために、どんな学習ができるのか?
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