第1講の2 AIに仕事を依頼
AIへの依頼は、「答えてもらう」から、「調べる・読む・整理する・分析する・作る・直す」へ広がっています。
第1講の2 AIに仕事を依頼
AIへの依頼は、「答えてもらう」から、「調べる・読む・整理する・分析する・作る・直す」へ広がっています。
調べる
Webやe-Statなどから情報を探し、必要な内容を集める。
読む・まとめる
複数のPDF、Word、会議メモ、資料などを読み、要点を整理する。
分析する
ExcelやCSVなどのデータを集計し、傾向や特徴を見つける。
企画する
過去資料や条件をもとに、イベント、講座、事業などの企画案を作る。
別の形式に展開する
報告書からPowerPoint、文章から表、資料からチラシ案などへ作り替える。
比較する
複数の商品、制度、サービス、地域、事例などを調べ、比較表にまとめる。
報告書を作る
会議記録、活動記録、調査結果などから、共有用の報告書を作成する。
表やグラフを作る
数値データを整理し、見やすい表やグラフにする。
プレゼン資料を作る
元資料を読み、構成を考え、スライドとしてまとめる。
資料を整理する
フォルダー内の複数ファイルを確認し、内容別・用途別に整理する。
情報を探して一覧にする
公募、助成金、研修、イベント、施設などを調べ、一覧表を作る。
チェックする
文書や資料を確認し、誤記、抜け、矛盾、数値の違いなどを探す。
書き直す
専門的な文章を一般向けに、長い文章を短く、硬い文章をやさしくする。
案内資料を作る
講座案内、イベント案内、手順書、Q&A、FAQなどをまとめる。
予定や作業を整理する
複数の予定、締切、担当、作業内容を整理し、進行表やチェックリストを作る。
Web情報と手元資料を組み合わせる
インターネット上の最新情報と、自分の資料をあわせて新しい資料を作る。
繰り返し作業を任せる
定期的な情報確認、更新チェック、集計などを決まった流れで行う。
Workでは、調査から整理・分析・資料作成まで、複数の工程をまとめて進めてもらうことができます。(主にPlus以上)
※無料プランではWorkは使えませんが、通常のChatで段階的に進めることはできます。
以下、ChatGPTの「Work」を使って、調査、整理、分析、資料作成などの仕事を、ひとまとまりの作業としてAIに進めてもらう方法を紹介します。
最初に掲載しているA4横1枚の手順書で全体の流れを確認し、そのあと、この解説を読みながら実際に操作してみてください。
これまでのChatGPTは、
「質問する」
「アイデアを出してもらう」
「文章を書いてもらう」
といった使い方が中心でした。
Workでは、もう一歩進んで、
「資料を読む」
「必要な情報を集める」
「整理する」
「分析する」
「表やグラフを作る」
「文書やスライドにまとめる」
といった複数の工程を、ひとつの仕事として進めてもらうことができます。
大切なのは、
AIに丸投げするのではなく、人が目的を示し、途中で確認し、最後に完成を判断する
という使い方です。
Workを使う前に、今回の作業専用のフォルダーを一つ作っておくと分かりやすくなります。
Windowsの場合は、
エクスプローラーを開く
「ドキュメント」や「デスクトップ」などを開く
何もないところを右クリック
「新規作成」→「フォルダー」
例えば「Work作業」などの名前を付ける
という方法でローカルフォルダを作成できます。
そのフォルダーの中に、
使用する資料
ExcelやCSVデータ
写真
参考文書
などを入れておきます。
完成したファイルも、できるだけこのフォルダーに保存すると管理しやすくなります。
実演では、ChatGPTを全画面表示にせず、
ChatGPT
エクスプローラー
必要に応じてブラウザ
が見えるようにウインドウを並べておくと、AIが何をしているか確認しやすくなります。
ChatGPTデスクトップアプリを開きます(必要に応じてアプリをダウンロード)。
画面上部などにあるモード切替から、
ChatではなくWork
を選びます。
表示の位置や名称は、アプリのバージョン、契約プラン、端末、設定などによって多少異なる場合があります。
Workが選べたら、ローカルファイルを使う作業では、
ローカルフォルダーを開く
Work Local / Work Locallyに関する項目
などを確認します。
そこから、先ほど作った「Work練習」フォルダーを指定します。
アクセス許可を求められた場合は、
どのフォルダーにアクセスしようとしているか
を確認してから許可します。
重要なのは、PC全体をむやみに許可するのではなく、
その作業に必要なフォルダーだけを指定する
ことです。
Workでは、
「これを調べて」
だけでなく、
最後に何を完成させたいか
まで伝えると、作業が安定します。
例えば、
「e-Statの人口データを使って、西播磨地域の人口推移を調べ、市町別の表とグラフを作り、一般の人にも分かる簡単な解説を付けた資料にしてください。」
というように依頼します。
さらに、
何のために使うのか
何を完成させるのか
何を参照するのか
誰向けなのか
どの形式にするのか
を加えると、より意図が伝わります。
Workでは、AIが必要な工程を考えながら作業を進めます。
例えば、
Webを調べる
↓
資料を読む
↓
データを整理する
↓
分析する
↓
表を作る
↓
グラフを作る
↓
説明文を書く
↓
成果物としてまとめる
という流れです。
人間が一工程ずつ、
「次は表を作って」
「次はグラフを作って」
と指示し続ける必要はありません。
ただし、人間は作業から離れてしまうのではなく、途中経過を確認します。
作業の途中で、
「対象期間は何年から何年までですか」
「この資料も使用してよいですか」
「どの形式で保存しますか」
など、AIから確認されることがあります。
その場合は、人間が内容を確認して答えます。
分からないことをAIに勝手に決めさせるのではなく、
必要なところで人間が判断する
ことが重要です。
最初の依頼に、
「不明点は推測で確定せず、必要に応じて確認してください。」
と入れておくのも有効です。
Workに仕事を任せたあとでも、途中で指示を追加できます。
例えば、
「兵庫県全体との比較も加えてください。」
「グラフを年代別に分けてください。」
「出典を各グラフの下に表示してください。」
「表をA4横1枚に収めてください。」
「推測で書いている部分は削除してください。」
などです。
「もっと良くしてください」
だけではなく、
何を、どう変えるのか
を具体的に伝えるのがポイントです。
実演では、AIが裏側で作業しているだけでは、受講者から見て何をしているか分かりにくくなります。
そこで、最初の依頼に次のような一文を加えておくと便利です。
「作業中は、参照しているWebページや資料、作成途中の表やグラフを、確認できる節目ごとに右側の作業画面へ表示してください。成果物が完成したら、そのファイルを開き、保存場所も示してください。表示できない場合は、その理由を簡潔に説明してください。」
こうしておくと、
何を調べているか
何を根拠にしているか
どこまで進んでいるか
どんな成果物を作っているか
を確認しやすくなります。
AIが「完成しました」と表示しても、それだけで仕事が完了したわけではありません。
最低限、次を確認します。
元資料や出典と一致しているか
数字、日時、人名、地名などが正しいか
架空の情報が入っていないか
大事な内容が抜けていないか
読み手に合う内容になっているか
外部に公開して問題がないか
間違いや不足があれば、そのままWorkの中で修正を依頼します。
「e-Statを参照し、西播磨地域の人口推移を調べてください。市町別に整理し、表とグラフを作成してください。一般の人にも分かる簡単な解説を付け、A4横1枚程度の資料にまとめてください。参照した統計と出典を明記してください。不明点は推測で確定せず確認してください。」
これは、
Web調査+データ整理+分析+グラフ+資料作成
をまとめて体験できる例です。
補足:対象とする市町・期間、人口の区分(総人口や年齢別など)が未指定なら、作業前に確認してください。
「この作業フォルダー内の会議メモ、配布資料、写真を確認し、会議に参加していない人にも内容が伝わる報告書を作ってください。『概要』『主な意見』『決定事項』『今後の対応』に分けて整理してください。記録にない内容は事実として追加しないでください。」
これは、
複数ファイルを読む+整理する+文章化する
という仕事の例です。
補足:対象の会議、報告書の読み手、写真を掲載してよいかを作業前に確認してください
「このフォルダー内のExcelデータを確認し、年度別の推移と特徴を分析してください。重要な傾向を3点に整理し、分かりやすい表とグラフを作ってください。元データは変更せず、分析結果は別ファイルとして保存してください。」
これは、
データ確認+分析+可視化+ファイル作成
の例です。
補足:分析するシート・項目・年度の範囲が不明な場合は、先に確認してください。
「このフォルダー内にある過去のイベント資料とチラシを参考に、次回イベントの企画書のたたき台を作ってください。目的、対象者、当日の流れ、役割分担、準備物、広報方法、確認事項を整理してください。未定事項は勝手に決めず、『仮』と表示してください。」
これは、
資料を読む+企画を整理する+文書化する
という例です。
補足:イベントの目的、対象者、開催時期、予算など、企画に必要な条件が資料から分からない場合は、先に質問してください。
「このフォルダー内の活動報告書を読み、一般向けの10枚程度のプレゼン資料を作ってください。最初に構成案を示し、確認後にスライドを作成してください。1枚につき1つのメッセージを基本とし、文章を詰め込みすぎないようにしてください。」
これは、
既存資料を読む+構成を考える+別形式へ展開する
例です。
補足:発表相手、発表時間、特に伝えたい結論を確認してから構成案を作ってください。
「高齢者向けの生成AI学習講座について、現在公開されている信頼できる事例をWebで調査してください。5事例程度を比較表にまとめ、共通する工夫と注意点を整理してください。そのうえで、地域の生涯学習講座で活用できる提案をA4・2ページ程度にまとめてください。参照したWebページを明記してください。」
これは、
Web調査+比較+分析+提案書作成
の例です。
補足:調査対象の地域・時期と、事例を比較する際に重視する点が不明なら、先に確認してください。
(注)Workプロンプトが漠然としすぎていると、受け付けられない場合があります。何が足りないかChatで相談し補足すれば、次に進むことができます・
Workは、
「全部AIに任せればよい」
という機能ではありません。
人間とAIの役割は、おおむね次のように分かれます。
人間は、
目的を決める
↓
依頼する
↓
質問に答える
↓
途中で方向修正する
↓
事実を確認する
↓
完成を判断する
AIは、
作業を分解する
↓
情報を集める
↓
資料を読む
↓
整理・分析する
↓
成果物を作る
↓
修正する
という役割を担います。
つまり、
人が目的を示し、AIが仕事を進め、人が監督して完成させる。
これがWorkの基本的な使い方です。
最初から複雑な仕事を任せる必要はありません。
例えば、
会議メモを整理する
Excelをグラフにする
複数資料をまとめる
報告書をスライドにする
といった身近な仕事から試してみると、Workの特徴が分かりやすくなります。
一度「仕事をひとまとまりで任せる」感覚をつかむと、ChatGPTの使い方が、単なる対話から一段広がって見えてきます。