本当に役立つ経済学全史 (柿埜真吾/ビジネス社)
主な経済理論のエッセンスを網羅しています。短いセクションの連なりですから簡単に読破できますし、玄人でもない限り、この程度を知っていれば十分な知識を与えてくれます。乱暴に言えば、この世界、アダムスミス系かケインズ系かです。
日本史に学ぶマネーの論理(飯田泰之/PHP研究所)
大坂堂島米市場 江戸幕府vs市場経済(高槻泰郎/講談社現代新書)
世界初の組織的先物市場といわれる堂島米市場。豪商淀屋が始めた私設立会所が起源(後にあまり巨大化した淀屋はよくわからない理由で闕所となって大坂から所払いになる。一説には大名貸しの貸出残高が120兆円もあったらしいから体よく踏み倒されたのではないか)。
本書を読むと江戸人の金融リテラシーの高さに呆れる。日本人は投資嫌いという先入観を見事に打ち砕いてくれる。実際、相場の基礎はすべて17世紀に完成していた。スポット取引も、先物取引も、原資産の指数化技術も、証券会社(米仲買)も、情報サービス(米飛脚、旗振り通信)も、そして利殖に群がり速報取得にお金を惜しまない庶民層(個人トレーダー)も、ぜんぶ堂島に揃っていたのだ。
金融資産2000兆円のうち300兆円しか投資に回していない現代人と、「遊び銀は無駄」と見切って(当時は火事や盗難でキャッシュ保有自体がリスクだった)利殖に励んでいた江戸人とが同じ日本人とは思えない。
日本古代貨幣の創出 (今村啓爾/講談社学術文庫)
「荘園」で読み解く日本の中世(伊藤俊一監修/宝島社TJMOOK)
シュタイナー経済学講座 国民経済から世界経済へ(ルドルフ・シュタイナー/ちくま学芸文庫)
エンデの遺言「根源からお金を問うこと」(河邑厚徳+グループ現代/NHK出版)
貨幣論の革新者たち 貨幣と信用の理論と歴史(古川顕/ナカニシヤ出版)
ケインズとハイエク(間宮陽介/ちくま学芸文庫)
所有とは何か-ヒト・社会・資本主義の根源(岸政彦 ・梶谷懐編著/中公選書)
貨幣とは何だろうか(今村仁司/ちくま新書)
お金に「正しさ」はあるのか(仲正昌樹/ちくま新書)
21世紀の貨幣論(フェリックス・マーティン/東洋経済新報社)
負債論 貨幣と暴力の5000年(デヴィッド・グレーバー/以文社)
万物の黎明 人類史を根本からくつがえす(デヴィッド・グレーバー&デヴィッド・ウェングロウ /光文社)
じゅうぶん豊かで、貧しい社会 ――理念なき資本主義の末路(ロバート&エドワード・スキデルスキー/ちくま学芸文庫)
帳簿の世界史(ジェイコブ・ソール/文春文庫)
お金の負債起源説(クリモネ)
https://tokoshie-jp.com/2018/08/25/money-as-debt-and-its-close-tie-with-identification-of-the-self/
グレーバーの信用貨幣論を手がかりにお金について考えた記事です。むかし英語サイトのために書きました。
貨幣とは何か?─進化的な視点から考える(西部忠)
http://cc.fm.senshu-u.ac.jp/en/system/files/11%E6%9C%88%E5%8F%B7..pdf
現代の貨幣を概観している。前半のビットコインや◯◯ペイに至る貨幣の進化は図解を伴ってわかりやすく整理されている。ただ後半に難あり。貨幣は「観念の自己実現」であり、慣習の自己実現(明日も今日と変わらないという信念)と予想の自己実現(有限の未来から現在を考える投資家の思考法)が貨幣への信認を支えるとの観念(表象)貨幣論は、岩井克人流の「紙幣が、貨幣として価値をもつのは、みんなが貨幣として受け入れるからだ」という自己循環論の言い換えに過ぎないように思える。
”資本主義によらない市場経済”-その基本概念、歴史的発展と現況について(ヴェルナー・オンケン著/宮坂 英一訳)
ゲゼルの自由貨幣(老化し減価していく貨幣)に関する概説。プルードンの所有論に啓発されたゲゼルは、利子のてこを得て無限増殖し始めた貨幣経済に対してソディ同様の危機意識を抱き、アイジングマネーをもって貨幣経済の暴走を食い止めようとした。
法外な戦後賠償を課せられた20世紀前半の経済混乱期のドイツからは、ゲゼルのみならず、注目すべき経済思想家を輩出した。クリモネの見るところ、その淵源はゲーテにある。神秘学や錬金術に深い造詣を有し、政治にも関わった稀代の文学者は近代金融のからくりをよく見抜いていたようだ。ゲーテの高い峰からはシュタイナーやエンデなど主流派経済学とは異質の、貨幣オルタナ思想の系譜が生まれた。
https://userpage.fu-berlin.de/~roehrigw/japan/onken/
お金と労働と地球株(Webサイト)
現代のピンハネシステムをわかりやすく解説しているWebサイトです。
https://chikyu-kabu.com/index.html
新版 古事記 現代語訳付き(角川ソフィア文庫)
日本書紀(講談社学術文庫)
続日本紀(講談社学術文庫)
謡曲・狂言(角川ソフィア文庫)
風姿花伝・三道 現代語訳付き(世阿弥/角川ソフィア文庫)
能から紐解く日本史(大倉源次郎 /扶桑社)
異界を旅する能 ワキという存在(安田登/ちくま文庫)
聖地と日本人(小松 和彦/角川ソフィア文庫)
ファウスト(ゲーテ/手塚富雄訳/中公文庫)
道徳の系譜学 (ニーチェ/中山元訳/光文社古典新訳文庫)
呪われた部分・有用性の限界(ジョルジュ・バタイユ/ちくま学芸文庫)